「LINEクリエイターズスタンプ」クリエイターさんが法的に気をつけるべき4つのポイント

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イラストレーターさんからクリエイターさんの卵まで、自分の表現を「LINEスタンプ」にすることができる「LINEクリエイターズスタンプ」。

中には数百万円を稼ぐクリエイターさんや小学生の描いたポップなテイストのスタンプが芸能人に使われるといったように、クリエイターさんにとって新たなアメリカンドリームをつかむ場所としてにわかに注目を集めています。

その一方、クリエイターズスタンプの審査に落ちる、配信停止になるといった話題も尽きません。先日も某スタンプが翌日配信停止になる、といった出来事もありました。

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この事件では、「LINEクリエイターズスタンプ」ガイドラインの「当社または第三者の商標権、著作権、特許権、意匠権などの知的財産権を侵害し、または使用されている素材がサードパーティの利用条件に違反しているもの」「権利の所在が明確でないもの(例:二次創作など)」に該当することによって配信停止に追いやられるといったものでした。

ただ、法律まわりに疎いクリエイターさんがガイドラインに抵触するものを審査にかけることは仕方がないことにも思えます。クリエイターさんはどのような点を注意すれば良いのでしょうか。今回は知財権に詳しい弁理士の亀崎 伸宏先生に解説していただきました。

■押さえておきたい4つの知的財産法

「LINEクリエイターズスタンプ」を作成する際、ガイドラインでは「当社または第三者の商標権、著作権、特許権、意匠権などの知的財産権を侵害し、または使用されている素材がサードパーティの利用条件に違反しているもの」と定めています。権利関係に疎い人はどのように調べればよいでしょうか。

「4つの知的財産法をそれぞれ見ていきましょう」亀崎氏は以下のようにまとめました。

(1)商標権

ガイドラインにおける「商標権・・・を侵害・・・しているもの(スタンプ)」とは、法律用語の厳密な解釈からするとそのようなスタンプは存在しないことになってしまいますが、その趣旨からしますと、おそらく「特許庁において登録されている商標(マーク)と同じようなスタンプ」を意味しているのではないかと考えられます。

ここは特許庁において登録されている商標を調べる必要があります。商標には、文字商標や、立体商標などがありますが、今回は“図形商標”を調べることになります。

図形商標は、『特許電子図書館(IPDL)』における「図形商標検索」において検索することができます。例えば、番号「3.1.10」で検索することで、セントバーナードが図案化された図形商標を一覧することができます。具体的な操作については、検索画面の右上のヘルプを見ながらやってみましょう。

(2)著作権

著作権法では、他人の著作物をマネすることを禁じています。しかし“知らずに他人の著作物に似た著作物(スタンプ等)を作ってしまうこと”は禁じておりません。法律上の解釈からすると、今現在把握している他人の著作物をマネしなければ良いだけですので、積極的に他人の著作物を調べる必要がないんですね。

しかし、ガイドラインの意図は別で、マネしたであろうと考えられるスタンプも禁じているものと解釈できます。インターネット検索で簡単に分かる範囲については、少しは調べておけばよいかと思います。

(3)特許権

特許権で保護される発明は、技術的思想の創作なのですが、スタンプはそのような創作ではありませんので、特許権を侵害するようなスタンプは存在しないものと考えられます。ガイドラインにおいては、知的財産権の一つとして、特許権も単に列挙されているだけでしょう。ですので、特許権については気にする必要はありません。

(4)意匠権

基本的には、意匠権についても気にする必要はありません。意匠権は、“物品”の外観デザインを保護する権利ですので、意匠法上物品には該当しないスタンプを使ったとしても他人の意匠権の侵害となることはありません。

気をつけるタイミングは、そのスタンプをタオルやマグカップにプリントして、グッズとして販売することも視野に入れている場合です。この場合、“物品”になっていくと考えられるので、当然他人の意匠権について注意する必要があります。

他人の意匠権は、特許庁においてその意匠が登録されていますので、そちらを調べることになります。図形商標と同じように、『特許電子図書館(IPDL)』における「日本意匠分類・Dターム検索」などで検索することができます。具体的な操作については、検索画面の右上のヘルプを見ながらやってみましょう。

 

以上、LINEクリエイターズスタンプ作成で法的に気をつけるポイント4つのご紹介でした。権利関係はしっかりと守って、気持ちよくLINEスタンプを販売できる状態にしておきたいですね!

 

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