「幹事が泣いている」当日キャンセルした同僚は法的にクロなのか

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忘年会や新年会において、みんなでワイワイお酒を飲むのが楽しい季節になってきましたね。

この季節はお店がいっぱいになることも多く、幹事の方が事前に出欠をとって予約をするケースが多いことかと思います。

そんな頑張る幹事さんを泣かせるのが“当日キャンセル”。宴会の終わりに集金して、お店に払うとき一人分でも足りないと、自分が肩を持つことになるとイヤな気持ちになりますよね。

幹事さんは、立て替えた分を忘れないようにとスマホにメモをとっておいて、後日“当日キャンセル”をした同僚にお金に集金しに行きます。集金の口上を考えるのも心理的な負担なのに、同僚からは「オレ飲んでないし、払うつもりはない」と言われてしまいました。

このような同僚は法的にはクロなのでしょうか? 民事のトラブルに詳しい行政書士の宇塚 悠介先生に解説していただきました。

■当日キャンセルした同僚は民事的にはグレー

「結論から言うと、そのような同僚を違法として、追及していくのは難しいです」

宇塚氏は語ります。なぜ罰することが難しいのでしょうか?

「まず、今回の契約に関する登場人物は、「お店」と「忘年会参加者」であるといえます。

契約の基本は、「意思の合致」であるところです。

一般的に、「お店」⇔「参加者」との間で、「意思の合致」が成立するのは、注文し、料理を提供(調理)されたときだと考えられます。そして、その両者の間だけで、債権債務が発生します。ですから、お店は、実際の参加人数分の料理を提供し、参加者はその対価だけを支払っていくというのが基本です。

時には、当日キャンセル者分の料理が出て来てしまい(しかも、食べてしまい)、その分の料金を請求され、「幹事」さんが建て替えるという事もあるでしょう。ただ、この場合も、実際の参加者の人数で(おそらくその料理は、その場の参加者で食べてしまうでしょうし)、その料金を負担するというのが筋です(通常の頼み過ぎという扱いと同じです)。

ここまで見てきて、「当日キャンセル者」と「お店」との債権債務関係と考えることは、かなりの無理があるといえます。繰り返しになりますが、「当日キャンセル者」と「お店」との意思の合致が考えられないためです。今回のポイントをまとめると以下になります。

(1)「当日キャンセル者」と「お店」とには、債権債務関係がない。

(2)にもかかわらず、その債務を「幹事」のみが建て替える。

(3)後日、「幹事」は、「当日キャンセル者」に請求していく。

ということを民法上根拠づけるのは、困難です。」

■「当日キャンセルされない」予防法2つ

では幹事さんはどのように“当日キャンセル”を未然に防いでいけばよいのでしょうか。

同氏からは次のようにご回答いただきました。

「当日キャンセルに対する、予防法務として以下のような方法が考えられます。

忘年会の幹事さんは、

(1)「キャンセル料」は、事前に告知しておく。

(2)「可能な限り、お店には、実際の参加者の人数分の料理を提供してもらうように努める」(人数の増減が可能なお店を事前に選んでおく)

ということが挙げられると考えます。

“人の道に反しているが、違法ではない”ということは、法律の世界では良くあることです。今後も、さらに予防法務が大事という世の中になると思います。」

以上、飲み会における“当日キャンセル”者の区分とその対処法に関するご紹介でした。いかがでしたか? これから増える大人数での飲み会のトラブルにならぬよう、しっかり予防法を考えておきましょう。

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photo by : David Blackwell.

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