【平成24年予備試験】憲法の問題を解く

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20150826_news_308

恒例になって参りました。予備試験を解いてみる、のコーナー。
平成24年憲法の問題です。
【問題】
20**年**月に,衆議院議員総選挙が行われる。その際に,日本国憲法第79条第2項ないし第4項及び最高裁判所裁判官国民審査法(以下「国民審査法」という。同法については,資料1参照)に基づき,最高裁判所裁判官の国民審査も行われる。国民審査法第15条によれば,審査人は,罷免を可とする裁判官については,投票用紙の当該裁判官に対する記載欄に自ら×の記号を記載し,罷免を可としない裁判官については,投票用紙の当該裁判官に対する記載欄に何らの記載もしないで,投票しなければならないとされている。

国民審査法第53条及び同条に基づき規定された最高裁判所裁判官国民審査法施行令第26条(資料2参照)によれば,審査公報に掲載されるのは,審査に付される裁判官の氏名,生年月日及び経歴並びに最高裁判所において関与した主要な裁判その他審査に関し参考となるべき事項である。今回の国民審査で審査権を有するAは,審査公報に挙げられていた主要な裁判について,その判決文にまで当たって審査の対象となる各裁判官の見解を調べ,さらに,各裁判官の経歴等も調べた。その結果,各裁判官に対するAの評価は,最高裁判所裁判官として適格と判断した裁判官,不適格と判断した裁判官,そして適格・不適格いずれとも判断できなかった裁判官に分かれた。Aは,不適格と判断した裁判官に対する記載欄には×の記号を記載し,適格・不適格いずれとも判断できなかった裁判官に対する記載欄には何も記載せずに投票した。Aは,適格と判断した裁判官に対する記載欄には○の記号を記載したかったが,国民審査法第15条の規定によって何も記載しないで投票せざるを得なかった。

Aは,最高裁判所裁判官に対する国民審査制度を設けた憲法の趣旨に照らし,現行の制度には幾
つかの問題があると考えた。Aは,現行の国民審査法を合憲とする1952年の最高裁判所大法廷判決を知っていたが,国民審査法第36条に基づく訴訟を提起して,上記最高裁判所判例の変更の必要性も憲法上の主張の一つとして主張しつつ,現行の国民審査制度の是正を図りたいと思った。以上のことを前提として,以下の各設問に答えなさい。

〔設問1〕
あなたがAの訴訟代理人になった場合,国民審査法第36条に基づく訴訟において,訴訟代理
人としてあなたが行う憲法上の主張を述べなさい。

〔設問2〕
設問1における憲法上の主張に関するあなた自身の見解を,被告側の反論を想定しつつ,述べ
なさい。

ずばり、国民審査法が79条2項に適合するかどうか、という問題かと。
自分なりに整理すると、ポイントは、

・国民審査の憲法における位置づけは、解職制度説に立つと現行法を違憲とは主張しがたいので、任命事後審査説に立ち、現行制度を違憲と主張。

・1952年の最高裁判決は国民審査制の趣旨を解職制にあるとしているので、その点を覆すようなロジックがあるのかどうか、という点は触れるべき。わざわざ問題文に「Aは,現行の国民審査法を合憲とする1952年の最高裁判所大法廷判決を知っていた」と書いてあるのでそれを無視するのは得策ではない。

・違憲の主張対象は、問題文に誘導のある、「投票方式」と「審査公報の情報内容」。前者は適格な人に○をつけたいわけだし、後者はもっと情報ないと判断できないよ、という不満をAは持っている。なのでこの2つを書けばいいと思う。

・国民審査制の趣旨は、司法に対する民主的統制をどの程度及ぼすべきか、という根本的な考え方によるので、可能であれば三権分立の趣旨、司法権の役割、あたりから流して答案が書ければよい。っていうか、統治の問題って最終的に三権分立と三権の役割分担のKWを絡めて、そこから演繹して考えていけば、それなりの解答になるので、それでOK。

という感じですかねー

国民審査制の判例の結論自体は択一知識と知っている、という受験生の中で、以下に趣旨から敷衍して書き下せるか、という問題と理解しました。

結局、予備試験の場合、旧司法試験と求められているものは全く変わりません。問題文が長いので多少あてはめがしやすくなっていますが、答案の分量が変わらない以上、大前提である法律解釈を記載する部分は必然的にある程度の分量になり、あてはめに割けるスペースはかなり少ないです。

なので、憲法の統治は、三権の役割とそこから導き出される制度趣旨、というところにある程度の紙面を割いて書いていくのが得策と考えます。

答案の結論としては、昭和52年の判例の基準に則って、現行制度は合憲、とするのが無難だと思います。(解職制と解した上で、国会の立法裁量の逸脱、とするのはさすがにロジックとして破たんしていると思います。)

【鬼頭政人】スキルの学習を通じて、仕事に楽しさと誇りを。人生を楽しむために決めた、弁護士からの起業。

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