【平成26年行政書士試験】民法総則の問題を解く

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20150826_news_308

 

 

先日、勉強カフェでの行政書士無料講義の後の飲み会で、意外と行政書士受験生の皆様が私のつたないブログを読んでくださっていることが判明したので、行政書士試験の問題について、具体的に質問された事項をもとに解説してみます。
昨年度の問題28 民法総則の問題

Aが自己所有の甲土地をBに売却する旨の契約(以下、「本件売買契約」という。)が締結された。この場合に関する次の記述のうち、民法の規定および判例に照らし、妥当なものはどれか。

1 AはBの強迫によって本件売買契約を締結したが、その後もBに対する畏怖の状態が続いたので取消しの意思表示をしないまま10年が経過した。このような場合であっても、AはBの強迫を理由として本件売買契約を取り消すことができる。

2 AがBの詐欺を理由として本件売買契約を取り消したが、甲土地はすでにCに転売されていた。この場合において、CがAに対して甲土地の所有権の取得を主張するためには、Cは、Bの詐欺につき知らず、かつ知らなかったことにつき過失がなく、また、対抗要件を備えていなければならない。

3 AがDの強迫によって本件売買契約を締結した場合、この事実をBが知らず、かつ知らなかったことにつき過失がなかったときは、AはDの強迫を理由として本件売買契約を取り消すことができない。

4 AがEの詐欺によって本件売買契約を締結した場合、この事実をBが知っていたとき、または知らなかったことにつき過失があったときは、AはEの詐欺を理由として本件売買契約を取り消すことができる。

5 Aは未成年者であったが、その旨をBに告げずに本件売買契約を締結した場合、制限行為能力者であることの黙秘は詐術にあたるため、Aは未成年者であることを理由として本件売買契約を取り消すことはできない。
っという感じ。

 

 

試されている知識は、

1 ⇒ 取消権の追認可能期間(追認可能時から5年、行為から20年)
2 ⇒ 96条3項の「第三者」の意義、範囲(無過失、対抗要件も必要?)
3 ⇒ 96条2項の反対解釈
4 ⇒ 96条2項の条文知識
5 ⇒ 制限能力者の「詐術」(21条)の意義

といったことで、勿論これを全部知っていたら正解は「1」となるわけです。

これらの知識を全く聞いたことのないレベルの人は問題外な訳ですが、
逆にこれらの知識に全て不安がない人も割合としては実は多くないと思います。

合格ラインぎりぎりくらいの人は選択肢を2つか3つには絞れるけど、あとは「うーん」という感じではないでしょうか。

 

 

こんなとき役に立つのは、

「どんくらい保護すべきなのか??」

という視点。

 

 

この問題は、詐欺の問題でも強迫の問題でも行為能力の問題でもなく

「表意者保護と取引の安全のバランス」の問題です。これがポイント。

 

勿論、判例や条文の結論をある程度知っていることが前提ですが、ちょっと知識が曖昧なときには、「この人保護すべきなんだっけ?」という観点が必要です。

で、強迫の場合は、「お前契約せいや、さもないと、、、」といった感じで「怖っ、、」となっている訳ですから、その意思表示の下で取引に入った人を保護する要請はすごく低くなる、っていうのは一般的な肌感覚で分かると思います。

 

到底、自由な意思に基づいて契約したとはいえないので、第三者が善意でも保護しないとなるわけで、表意者保護の要請が強くなるわけです。

 

一方で、詐欺の場合は、「だまされた方が悪い」とまでは言わないものの、まぁちゃんと調べれば分かるよね、ということが言えるので、取引の安全が重視されてくるわけです。

 

また、制限行為能力者の場合も、基本的には未成年とか後見とか、その状態そのもので行為能力が制限されているような人たちなので、表意者保護の要請が強くなる、という訳です。

こういう感覚があると、3は「そりゃ取り消させてあげようよ」と思う事案だし、5は「言わなかっただけで「詐術」とまで解釈されるかなぁ」という感覚になる事案なので、「×じゃないか」と判断しやすいと思います。

 

こうした「この人保護すべき?この結論でいいの?」という感覚は非常に重要で、5つの選択肢が2つとか3つに絞られた段階で正解を選ぶのに役立ちます。これは特に民法で言えるかな、と

 

こうやって考えると、1の場合って、10年も怖がり続けて初めて自由に意思表示できる状態になったんだから、それだけですぐに追認できない、というのは酷だよなぁ、という感覚を持つべきなんです。

 

以上、感覚で最後の正解率上げようよ、という話でした。

 

CF
1の選択肢が20年になると除斥期間にかかってしまい、さすがに追認できない、ということになるわけですが、これはこれで不法行為とか詐害行為取消とか悪意の時効取得とか思い浮かべると「20年て一つの「有無言わさぬ期間」だよなぁ」という位の感覚は、それはそれで持ちたいもんです。

【鬼頭政人】スキルの学習を通じて、仕事に楽しさと誇りを。人生を楽しむために決めた、弁護士からの起業。

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