正しく理解されていない「事業承継」は弁護士が関与すべき領域

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相続が次の有望分野だ」という記事を書きましたが、相続に関連する分野として、事業承継という分野があります。

高齢化の進展する一方、経営者の交代は進んでいないのが現状であり、60歳以上の経営者の割合は20年前の29.8%に対し、2012年には実に51.8%になっています。(平成26年3月の中小企業庁の資料)

 

また、同資料には、経営者が引退した後の事業継続意向について記載されており、6割が続けたいといい、まだ決めていない企業が3割事業をやめたい企業が1割となっています。
また、まだ決めていない理由や事業をやめたい理由の相当な割合(3〜5割)が、「後継者がいない」
という点にあります。

これは、少子化により、「そもそも事業を継がせる該当者(子供)がいない」ということが理由になります。

これまでの日本企業は、ベビーブームなど、若年者が増加していた時代の慣習のまま、親族間での承継が行われてきていました。

 

しかし、これは昔の話。資料にあるように、親族に適任者がいないとなった場合に、どうやって事業を承継させるのかという問題が顕在化しているのです。

 

事業承継というと、すぐにM&Aを思い浮かべる人が多いと思いますが、それは違います。

事業承継とは、文字通り「事業をうまく次の世代に承継させること」なのです。

この方法の1つにM&Aがあるに過ぎません。

 

事業をうまくバトンタッチするために色々な施策を打つ必要があるのは、親族に承継させる場合も、親族外に承継させるM&Aのような場合も変わりません。

 

今後の日本を考えれば、事業承継のニーズが高まり続けるのは必至です。

事業承継は経営者独自の悩みです。幹部や子供には打ち明けられないことが多いです。
「お前じゃなくて誰か他の人に継がせたい」などとは相談できませんので。

 

現状、事業承継のニーズが先に現れるのは、顧問税理士商工会議所、場合によっては町内会の相談センターという場合もあります。

 

しかし、事業承継には

・経営承継円滑化法
・民法の相続、遺留分の規定
・会社法の種類株式の規定、株主総会の知識
・相続税、贈与税の規定

など、法律の知識が幅広く求められるのです。

 

しかも、経営承継円滑化法は、非常に複雑な要件となっており、弁護士以外では、うまく読みこなすことすらできません。

ここに弁護士の需要があるのです。

 

リーガルだけではなく、「事業を円滑に承継させるアドバイザー」として弁護士が位置付けられれば、他の士業には負けません。

 

現在は、税理士に相談に来た案件が、手に負えなくなって弁護士に回ってきたり、M&Aが決定した後に、法務のデューデリジェンス(監査)を外注として委託したりしているだけ、という状況です。

 

でも、弁護士が、しっかりと法律の知識を身に着け、相続税についても理解したうえで、経営者の相談に乗ることができれば、できる範囲は他のアドバイザーに比べて飛躍的に広いのです。

 

銀行借入についても、経営者保証を外すべき、という動きが昨今金融庁を中心に盛んであり、それを利用して経営者保証を外すことで、事業承継も円滑に行くケースがあります。
こうした法律知識を駆使した交渉ごとは、弁護士の専権事項です。

このビジネスチャンスを逃す手はありません。

 

こうしたチャンスを得るためには、とにかく経営者と懇意にしておくことが重要です。
事業承継は一生に一回しかありませんので、弁護士という肩書ではなく、信頼できる人物に頼みます。

 

弁護士として、依頼者からどれくらい信頼を勝ち取れているか、というのが事業承継案件をとれるか
どうかを分けますので、この分野で頑張って第一人者になることを目指してみませんか。

 

次は、この話と関連した中小企業法務について述べていきます。

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