【2016年司法試験・講評】昨年の漏洩事件の影響で難易度が低下?

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資格スクエア代表の鬼頭と「びょうそく」加藤喬講師による講評動画がアップされました。
各科目・問題についての講評もあがっております。

●2016年度司法試験・論文式試験雑感

各総評のサマリーを紹介いたします。

【全体総評】

今までの司法試験では、問題が何を問われているのかすらわからず、「入り口」で受験生が差がついておりました。
ところが今回は、問題文が親切になって、「何を問われているか」が分かりやすく誘導されていました。

昨年の漏洩事件を受けて、試験委員の顔ぶれが大幅にかわり、実務家の先生が多くなりました。
このことが、出題傾向を大きく変えたと考えられます。

例えば、憲法については典型論点が出題されました。
こういう問題では、入り口では差がつかず、議論の中身で差がつきます。
今回は「議論の中身」で実力を測りたかったという試験委員の意図が反映されたようです。

【公法系第1問・憲法の講評】

予備校生ならば誰もが解いたことがあるであろう典型的な論点が出題されました。
「問題となりうる人権」については、「プライバシー」と「移動の自由」、条文でいうと13条と22条で解く問題でした。
解くポイントは、「自分が当事者だったらどう思うか」というイメージを持つことが重要だと加藤講師は言います。
また、最初に出てくる弁護士や専門家の意見などは、違憲の対象を明確にしており、大きなヒントになっています。
最初にヒントを出している傾向はこの数年、受け継がれています。

【民事系第1問・民法の講評】

本年も、平成27年の問題のスタイルと似ておりました。多論点型で民法の制度・論点がたくさん問われており、予備試験の問題に近い問題でした。前半の3問は典型的な問題でしたので、設問2の(2)(3)で差がついただろうと予想されます。
また、過去問を解いてもできなかった問題もありました。
例えば、「代理」については、事案としては典型ですが、論点が問われたのは今回が「初めて」でした。
とはいえ典型論点ではあるので、知ってれば解ける問題でした。

【刑事系第1問・刑法の講評】

本年は、平成20年の問題に似ておりました。今回は理論構成で悩むことはほぼなく全体的に簡単になりました。
今回は「下級審裁判例」を論点レベルで意識した出題されたのは新しい出題傾向でした。

最初の人物の罪責を書きすぎて、最後の登場人物の罪責を書けない答案が多いと予想されます。
重要だから多くかけばいいというのでなく、的確に全部を書ききることが点数につばがります。
また、共犯関係は実行行為を担当した者に注意しましょう。

【民事系第2問・商法の講評】

民事系3科目の中で一番簡単な問題でした。予備校の模試や答練をやっている方は簡単に解けたのではないかと思われます。
また、平成19年の過去問とほぼ同じ問題がでました。過去問は平成18年度まで遡ってやりましょう。
今年も会社法が出題されました。短答試験で出ない分野なので論文対策としてはやるべきです。

【刑事系第2問・刑事訴訟法の講評】

どこかの予備校の模試問題、ロースクールの定期試験に出てきそうな問題でした。
配点が書いていない問題の場合、問題文が多く割かれている問題が配点が高いと考えられます。
今回は設問1が重要だと加藤講師は指摘しております。

また、捜査と公判の分量についてのアドバイスがありました。
捜査は論点が明確なので、自分なりの考えを書いていく「論述の厚み」が重要になり、分量は増えます。
それに対して、公判は議論の入り口が間違っていないか聞かれているので、分量ではなく「論述の正確さ」が重要です。

【民事系第3問・民事訴訟法・講評】

これまでの司法試験の良さが引き継がれており、非常に良問でした。
難易度は比較的高かったものの、設問1は判例100選をやっていれば出来る問題でした。
誰でも定義を書けるような典型的な論点が出題される問題は、「中身の理解」で差がつきます。
今回は設問3にあたります。このような問題は基本書の読み込みだけでなく、過去問の実践が重要になります。
平成27年の設問3をしっかり分析していれば、比較的に簡単だったといえます。

【公法系第2問・行政法・講評】

憲法と同じく、今年は簡単になりました。「何がどう問われているか」が、問題文や会議録できちんと誘導されています。
設問1は典型論点でしたので、ここで書き過ぎて他に時間がまわらなかった人が多かったのではないかと思われます。
また、会議録の内容を、各設問ごとに分類して、それを踏まえて書き分けることもポイントでした。
問題文を読んで、それを素直に解くという方には解きやすい問題だったといえます。

詳しくはこちらをごらんください↓

●2016年度司法試験・論文式試験雑感

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