労働安全衛生法改正は愛煙家の墓場?迫る完全分煙社会

0

近年、公共的な場所では、喫煙者と非喫煙者が互いに心地よく共存できる空間づくりの実現が進んでいます。そんな中、6月に公布された「労働安全衛生法の一部を改正する法律」(改正安衛法)で、法律の中に「受動喫煙の防止」が盛り込まれました。これにより、今後ますます空間分煙、または全面禁煙につながっていくことが予想されています。

今回は、改正安衛法により予想される変化について、社労士の岡部先生に解説していただきました。

改正安衛法とは?

imasia_2314243_M_Fotor
改正安衛法には7つの改正事項が盛り込まれており、その中のひとつに「受動喫煙防止のための事業者及び事業場の実情に応じた適切な措置の努力義務化」が含まれています。

今回の改正は、受動喫煙が労働者の健康に与える影響を踏まえて、受動喫煙防止対策を労働者の健康の保持増進のための取組として位置づけ直すものであり、法律に明記することで、事業者による取組を促す効果、受動喫煙防止対策の必要性に関する労働者の理解を深める効果があるものと考えられています。

また、事業場における受動喫煙防止対策の取組の問題点として、「受動喫煙に対する喫煙者の理解が得られない」、「顧客に喫煙をやめさせるのが困難である」などが挙げられており、受動喫煙防止対策の必要性について、さらなる周知啓発が必要な状況であり、これを踏まえ、今回の提出法案においては努力義務とした上で、国による援助を定めることとしました。

飲食店などが行うべき措置について

imasia_3192283_M_Fotor
飲食店などが行うべき措置の例としては、全面禁煙、喫煙室の設置による空間分煙、たばこ煙を十分低減できる換気扇の設置などがあります。

これらの措置については個々の事業場によって導入の実情が異なるため、それぞれの事業場にあった適切な措置も異なってくると考えられます。まずは各々の事業場の現状を把握していただき、その実情に照らして実行が可能な措置のうち最も効果的な措置を講じるよう努めることが必要です。

日本で先行的に全店禁煙とした外食チェーンのほとんどでも、売り上げは落ちていないという結果もあります。より現実的で効果的な措置を考え、採用することが望まれます。

今回の受動喫煙防止対策は平成27年6月に施行が予定されていますが、厚生労働省からは具体的な対策について示されていません。したがって、混乱を避けるため専門家の意見を取り入れ、施行までに幅広い現実的対応策が示されることを願っております。

今後さらに禁煙化を目的とする法律が出てくるかも…

imasia_8112179_M_Fotor
世界保健機関(WHO)は、喫煙室や空気清浄機などの対策ではなく、飲食店等屋内施設を完全禁煙化することによる受動喫煙の防止を各国に求めています。これは国際条約に定められているため、当然に我が国も遵守し履行しなければなりません。したがって、今後さらに禁煙化を目的とする法律が制定される可能性は多分にあります。

先進国で屋内が完全に禁煙化されていないのは日本くらいとの事実もあり、東京オリンピックには屋内が完全禁煙化されている国から多くの選手や関係者が来日しますので、日本も屋内完全禁煙化を実現することが急務であると言えます。

また、現在は労働安全衛生法に努力義務として規定されていますが、近い将来義務規定となることも考えられます。義務化が行われると、違反する事業主に対しては、罰則の適用や企業名の公表などの措置がとられることも考えられます。助成金の利用も視野に入れ、今から将来を見据えて行動することが必要であると考えます。

Share.

About Author

Leave A Reply