「新型」と「季節型」で異なる?社員がインフルエンザになったときの会社の対応

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寒さも佳境に入り、会社や電車の中などで体調を崩されている様子の方を見ることが多くなりましたね。

2月に入り、特に気をつけなければならないのが「インフルエンザ」。一部の報道によると、変異型のインフルエンザウイルスの中には、インフルエンザワクチンの注射をしたとしても、効果があげにくいタイプのものもいるそうです。

そんなインフルエンザですが、罹ってしまうと会社を休まなければならないと通達されている方も多いかと思います。

では、なぜ出社が禁じられているのか考えてみたことはありますか? 今日は倫理的な側面ではなく法律の観点から、インフルエンザにかかってしまった場合の会社が取るべき対応について社労士の岡部健史先生にお伺いしました。

働く側もインフルエンザ時にとる会社の対応を学んでおこう

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― 社員がインフルエンザにかかった場合、どのような措置をとるべきなのでしょうか?

「社員がインフルエンザに罹患した場合に、まず大事なことは、社内でインフルエンザが蔓延するのを防ぐことです。

会社として行うべきは、うがいや手洗いをするよう呼びかけたり、うがい薬の設置、殺菌・消毒のための手洗い洗浄剤の設置、社員へのマスク配布などです。これらのインフルエンザ蔓延防止対策を迅速に行うことが重要です」

「さらに、インフルエンザに罹患した社員にも対応しなければなりません。

インフルエンザに罹患した社員を出勤させていたのでは、他の社員に感染が拡大するリスクがありますので、一般的には、その社員を出勤停止にすることになります。感染症予防法18条または労働安全衛生法第68条に、就業させてはならない旨が規定されています。

ただし、出勤停止の措置を取るためには、医師の就業不能の判断および指導などが必要になりますので、その疑いがあるという段階ではできません。

インフルエンザの罹患によって出勤停止になる場合は、労働者本人の事情による休業になりますので、原則として会社は休業手当を支払う必要はありませんが、疑いがある段階で出勤停止にしたり、治癒しているにもかかわらず業務命令として不必要に休ませている場合などは、支払いが必要になります。

トラブルが起きないよう出勤停止の規程について就業規則にしっかりと定めておくことが大切です」

― インフルエンザの種類によって会社の対応が異なるのでしょうか?

原則として、インフルエンザの種類によって会社の対応が異なることはありません。会社としては、社内での蔓延を防ぐために上記のような最善の行動をとらなければなりません。「新型インフルエンザ」は感染症予防法が、「季節型インフルエンザ」は労働安全衛生法が適用され、いずれにしても出勤停止措置を取ることになると考えます。

インフルエンザなどの感染症に罹患したなどの合理的な理由がある場合は、原則として、会社は衛生管理上および経営上の事情から、罹患した労働者の就労を制限しても問題ありませんし、休業手当の支払いも必要ないのは、上記で述べたとおりです」

インフルエンザになった際の休暇申請の方法

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― 会社は有給消化を強制することができるのでしょうか?

「会社が労働者に対して有給休暇消化を強制することはできません。有給休暇は労働者に認められている権利であり、会社が都合によって行使できるものではありません。したがって、労働者が請求して初めて使えるということになりますので、何らかの理由で有給休暇を消化したくない労働者にとっては会社の指示で強制的に消化させることはできません

ただし、上記で述べたように、インフルエンザで医師から就労禁止の判断が出ている場合は、会社としては出勤停止にできる合理的な理由があり、通常賃金の支払いも必要ないため、労働者としては無給の休暇ということになります。

したがいまして、実務上は、このような場合に有給休暇が残っていれば、有給休暇を充てることが一般的といえます(会社は有給休暇を取得させなければならないわけではありません)。

この方が労働者にとっても有利な取り扱いといえるので、双方の合意によってこのような取り扱いを行うことは可能です。」と最後に述べました。

特定社会保険労務士 岡部健史 プロフィール

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