購入したマンションの別室から騒音。相手を訴えることはできるのか

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あなたは新築の分譲マンションを購入しました。

引っ越し早々、上の階の部屋の足音や話し声が聞こえます。どうやら窓を開けて

騒いでいるようです。週末、人を呼ぶなどして騒いでいる様子。

上位階の住人の方に騒に配慮して欲しいとお願いしたものの、あまり変わらない。

あまりにひどい騒音。そんなとき相手方を訴えることはできるのでしょうか。一方、購入したマンンションでこのような問題になったとき、どのような対処方法が望ましいのでしょうか。弁護士の池田先生に伺ってみました。

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【1】騒音問題はどのような法規制が関わってくるのでしょうか。

今回の騒音問題に関しては、マンション購入者(部屋の所有権者)について記載します。マンションを賃借りしている方には関係のない記載もありますが、ほぼ関連しますのでご参照ください。

(1)民事関係(損害賠償等)

「区分所有者は、建物の保存に有害な行為その他建物の管理又は使用に関し区分所有者の共同の利益に反する行為をしてはならない。」と規定する区分所有法6条1項が問題となります。マンションで周囲に騒音を出す行為は、ここでいう「建物の・・・使用に関し区分所有者の共同の利益に反する行為」に該当しうると考えられています。この条文に反するとされると、管理組合等は、騒音を出す行為の停止、騒音を減らす措置をとること等を請求することができます(同法57条1項)。また、その騒音の程度がひどく共同生活上の障害が著しいと評価できる場合には、管理組合等は、相当の期間、騒音を出す者による専有部分の使用の禁止を請求することができます(同法58条1項)。

また、民法709条に基づいて、損害賠償請求をすることも考えられます。損害賠償請求が認められるためには、その騒音が「一般社会生活上、被害者が受忍すべき限度を超えるものである」と評価できなくてはなりません。その際には、騒音の大きさ、騒音発生の時間帯、騒音継続時間、騒音防止策を採ることが容易か否か、騒音を生じさせている者への苦情申入れ状況、苦情申入れへの対応の様子等を総合考慮して判断されます。この場合の損害としては、慰謝料、精神疾患等が生じた場合の治療費、騒音を図るための業者に支払った費用、訴訟にかかった弁護士費用等(必ずしも全額ではない。)を認める裁判例があります。また、騒音の程度等に鑑み、騒音の差止め請求が認められる余地もあります。

(2)刑事関係(逮捕等)

「公務員の制止をきかずに、人声、楽器、ラジオなどの音を異常に大きく出して静穏を害し近隣に迷惑をかけた者」について規制する軽犯罪法1条14号が問題となります。これはたとえば通報等によって警察官が駆けつけたにもかかわらず、騒音を止めなかった場合に適用されることが考えられます。もっとも、マンションの騒音問題でこの条文により逮捕者が出る可能性は非常に低いと考えられます。

また、長時間にわたって過大な騒音が生じたせいで被害者が精神的ストレスから睡眠障害等を負った場合には傷害罪(刑法204条)となるおそれがあります(参考:最高裁決定平成17年3月29日)。

 

【2】騒音を生じさせている相手方を訴えることはできますか?同じマンションに暮らす住人間の騒音問題を解決する場合、どのような対処方法が望ましいのでしょうか。

上記【1】での回答に沿うような形で、騒音を生じさせている相手方を訴えることはできます。もっとも、損害賠償請求においては、「騒音を生じさせている者への苦情申入れ状況」や「その者による苦情申入れへの対応の様子」も考慮されるため、話合い等による解決を図ろうとせず、早急に訴えることは適切ではないと考えられます。

同じマンションに暮らす住人間で騒音問題が生じて困っている人は、まずは相手方との話合い等でお互いに平和的に解決ができないか考えましょう。どのような方法を採るべきかは、相手方との関係で大きく異なります。相手方と比較的に仲が良い場合で相手方が騒音を出していることを気付いていない場合などには、直接話をしてみるのも良いと思います。相手方と付き合いがなかったり、どちらかというと仲が悪い場合には、手紙を投函するという方法もありますが、第三者に間に入ってもらうことを考えると良いのでは内でしょうか。第三者として適切な人は、両者と仲が良い人、マンションの管理人、マンションの管理組合等が考えられます。第三者を交えた話合いも良いかもしれません。また、まずは「最近騒音問題が発生しています。お互いに気をつけましょう。」というようなビラを全住人宛に配り、それでも収まらない場合には相手方に直接通知文を出してもらうなどと段階を追って対応を考えるべきだと思います。

同じ場所に暮らすことも何かの縁。お互い快適にマンションライフを送ることができるよう、普段から(少しでも)コミュニケーションをとり、互いの生活に配慮して暮らすようにこころがけましょう!

 

弁護士 池田 大介
東雲総合法律事務所(HP:http://www.i-legal.jp/
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