消えた残業代、立場が弱く請求できない場合どうすればいいの?

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労働条件などをめぐって事業主との間に生じるトラブルを「個別労働紛争」といいます。近年では自治体ごとに、続発するこのような問題に対しての相談コーナーの設置も進んでいます。

しかし、現在企業で働いていて、自分の立場が弱く、なかなか相談に訪れることができずにあきらめてしまう労働者が数多く存在しています。特によく耳にするのは、残業しているのに全く残業代が支払われないという話です。

そんな所属企業で発生する悩みを解決するにはどうすればよいのか?今回、特定社会保険労務士の岡部先生にその方法をお聞きしました。

残業代未払い問題への対応策

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未払い残業代を請求する際に最も重要となるのが、時間外労働の立証です。時間外労働を立証できなければ、残業そのものが認められずに残業代の支払いを求めることもできなくなります。

したがって、未払い残業代の問題においては、時間外労働立証の根拠となる証拠の収集が全てと言っても過言ではありません。客観的に認められる証拠をそろえることができれば、より時間外労働の信用性が高まります。

では、どういったものが最も有力な証拠となるかということですが、タイムカードのコピーや勤怠システムの出力したものがこれにあたります。他にも主なものを挙げると、給与明細、メールなどの送信日時がわかる履歴、PCのログ、業務日報や残業指示書、労働契約書や就業規則などということになります。

もしもこういったものが準備できないときは、業務内容と実際の労働時間をメモしたものなどで代用することになります。しかし、これらは客観性に欠けているため、信用において前述のものよりは劣ることになります。

したがいまして、未払い残業代の対策としては、将来のリスクを考えて客観的な証拠の確保を最も優先すべきです。さらに、未払い残業代の請求権の時効は2年ですので、2年を経過した分は時効によって消滅してしまうことになります。時間が経つほど請求できる金額が減ってしまうので、早めの対応がよろしいかと思われます。

労働問題でよく相談のある内容3選

①不当解雇・雇止め

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正当な理由のない解雇や、社会通念から判断するに相当でない解雇などが不当解雇にあたります。この不当解雇と並んでよく問題となるものに雇止めがあります。

雇止めとは、期間を定めて雇用され、幾度となくその契約を更新されていた労働者が、突然更新を拒否されることを指します。不当解雇と雇止めが労働問題における二大問題であるといえます。

②長時間労働

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長時間労働を強いられ、または長時間労働を善と考えている会社において長時間労働が常態化しており、残業代の未払いや健康被害、精神疾患を発症して休職などに至る問題です。

③セクハラ・パワハラ

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セクハラ問題とは、異性関係が派手などのうわさを流されたり、食事やカラオケなどを強要され、断ると給与を下げられた、体を触られたなどがこれにあたり、重大な精神的苦痛を受ける問題です。

また、パワハラ問題とは、陰湿ないじめや嫌がらせ、度を越した教育や指導などによって健康被害や精神疾患、精神的苦痛を受ける問題です。

活用できる4つの相談先

①弁護士・社会保険労務士などの専門家

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労働関係の法律の専門家です。無料相談を行っている場合もありますが、基本的に報酬の支払が発生します。未払い残業代の請求などを専門にしている方もいらっしゃるので、力強い支援が得られます。

ただし、労働者側・使用者側いずれかに立場を明確にして業務を行っていることが多いため、相談する前に確認した方が良いでしょう。

②都道府県労働局

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厚生労働省の地方支分部局のひとつであり、無料で労働に関する相談ができます。労働局は、労働基準監督署と公共職業安定所(ハローワーク)の上部機関にあたります。

③労政事務所

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各都道府県に数カ所設けられており、無料で労働者及び使用者の相談に乗ってもらえます。公正・中立な立場でのアドバイスが得られます。

④労働組合

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使用者と団体交渉する権利を法律で認められている労働者の連帯組織です。労働組合から団体交渉の申し入れがあった場合、使用者は正当な理由がなければこれを拒否することができないため、使用者との対等な交渉を期待できます。

【特定社会保険労務士 岡部健史(オカベタケシ)プロフィール】
長野県出身。大学卒業後、金融機関に勤務。渉外業務を担当し年金に携わる。その後、上部団体に出向し年金相談業務を担当。各支店を回り年間800人以上の年金相談及び請求の支援を行い、年金業務にやりがいを感じ社会保険労務士資格を取得。現在は東京都調布市でライフワンズ社会保険労務士事務所を開業。企業の労働問題解決から年金相談まで幅広く活動している。
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