弁理士の年収

弁理士の年収

 

弁理士の年収|弁理士試験|資格スクエア

【目次】

特許事務所に勤務する弁理士

企業に勤務する弁理士

独立開業する弁理士

弁理士の年収 ~未来という時間軸~

  1. ①国内特許出願数の減少⇒年収の減少
  2. ②弁理士登録者数の増加⇒年収の減少
  3. ③国際出願数の増加⇒年収の増加
  4. ④AIによる労働の代替⇒年収の増加

 

まとめ

 

 弁理士の年収は平均760万円といわれています。昔ほどではないものの、難関国家資格といわれるだけあって、やはり取得した時の見返りは大きいといえるでしょう。ただ、あくまでもこの値は平均ですので、実際は活躍するフィールドや雇用形態、年齢等によって年収に幅があることも事実です。

 

 そこで今回は、特許事務所、企業、独立といった、弁理士として仕事をする際の3つの選択肢におけるそれぞれ年収について、お話していこうかと思います。

 さらには、”将来性”という未来の時間軸を加えて弁理士の年収について考えていきたいと思います。

特許事務所に勤務する弁理士

弁理士 年収 特許事務所

 どんな業界であっても、勤続年数といった基準は必ず存在します。事務所に所属する弁理士であってもそれは避けて通れません。

 ただ、特許事務所は、勤続年数よりも、経験や実務能力が評価に直結する場合が多い環境です。そのため、最初はあまり年収が高くなかったとしても、実務能力が評価されれば、職場によっては年齢と関係なく年収を増やすことも可能です。実務能力によっては、30代前半で1000万以上稼ぐ弁理士もいるようです。

 いろいろな雇用形態の事務所がありますので、就職の際はその点も考慮して自分に合った特許事務所を探しましょう。

企業に勤務する弁理士

弁理士 年収 企業勤務 知財部

 企業によっては、弁理士には5万~10万ほどの特別報酬があるようです。ただ、基本的には、資格を持っているからといって大きく待遇が変わるということはないようです。ただ、弁理士は企業にとって必要な人材ですので、役職に就く機会が増えることも考えられます。そのため、結果的に年収が増加するケースはあるかと思います。

 特許事務所と比較すると、企業は、どちらかというと実務経験よりも勤続年数が収入に反映されることが多いようです。ただ、企業は社会保障等が充実しているところが多いため、将来的な安心感は大きいかもしれません。

独立開業する弁理士

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 実務で培ってきた人脈を活用して独立することも弁理士の魅力の一つです。成功すれば年収2000万~3000万となることもあり、夢の膨らむ選択肢です。ただ、やはり独立となると、安定した仕事量を確保しなければならないため、本人の営業能力次第となってしまうことも事実です。仕事を軌道に乗せるまで、つまり年収1000万を超えるまでには、だいたい5年ほどかかるといわれています。

 また、近年では資格という付加価値を用いて、知財関係の業界や、別の業界で起業する弁理士もいます。大切なのは、弁理士の持つ専門性という価値を、いかに活用して仕事にするということなのかもしれません。

 

弁理士 年収 特許事務所 弁理士

 

弁理士の年収 ~未来という時間軸~

 上記で、弁理士の主要な働き方3パターンのそれぞれの年収について目を向けてきました。

 弁理士資格を取得することで大幅な年収アップも決して夢ではないこと や 年収がより高い独立開業の方がリスクが大きいこと が分かっていただけたと思います。

 しかし、上記で示した数値はあくまで現状、あるいはこれまでの年収がどれくらいであったかを示すにすぎません。

 すなわち、”将来的に弁理士の年収は上がるのか、それとも下がるのか?”という未来の視点が抜けているのです。

 そこで、ここでは”将来”という時間軸で、弁理士の年収を考えていきたいと思います。

弁理士の年収・給料・給与 増加及び減少 労働市場の需要・供給

 そもそも経済学においては、年収=賃金は労働の需要と供給で決定するとされています。

 上記のグラフからもわかるように、”弁理士を必要とする企業がどれだけいるか”を表す労働需要と”労働力を提供できる弁理士がどれだけいるか”を表す労働供給のバランスで決まるのです。

 そして、年収が上がったり下がったりするのは、労働需要や労働供給が何かしらの要因で変化した結果として現れてくるのです。

 ここでは、弁理士の年収の増減に影響を与えうるファクターを紹介いたします。

①国内特許出願数の減少⇒年収の減少

弁理士の年収・給料・給与 国内特許出願の減少 年収の減少

 弁理士の年収に影響を与えるファクターの1つとして、国内特許出願の減少があります。

 上記のグラフからわかるように、国内特許出願数が減少することは弁理士を必要とする企業数が減少することを意味します。

 故に、労働需要の線(右下がり青線)が左にシフトし、労働供給の線(右上がり橙線)との交点が下方向に下がります。

 これは、すなわち年収の減少を意味するのです。

 実際、近年日本における国内特許出願数は減少の傾向にあります。

 したがって、国内特許出願数が将来的にも減少し続ける場合には、弁理士の年収は下がってしまうのです。

 

②弁理士登録者数の増加⇒年収の減少

弁理士の年収・給料・給与 弁理士登録者数の増加 年収の減少

 弁理士の年収に影響を与えるファクターの2つ目として、弁理士登録者数の増加があります。

 上記のグラフからわかるように、弁理士登録者数が増加することは労働力を提供できる弁理士の数が増えることを意味します。

 故に、労働供給の線(右上がり橙線)が右にシフトし、労働需要の線(右下がり青線)との交点が下方向に下がります。

 これは、年収の減少を意味するのです。

 弁理士という職業は、毎年のように試験が行われ合格者が増える一方で、企業に勤めない限りは”定年”に縛られることなく働き続けることができ弁理士をやめる人(=弁理士登録をやめる人)は減りにくいです。

 したがって、弁理士登録者数が将来的に増加した場合には、弁理士の年収は下がってしまうのです。

 

③国際出願数の増加⇒年収の増加

弁理士の年収・給料・給与 国際特許出願数の増加 年収の増加

 弁理士の年収に影響を与えるファクターの3つ目として、国際出願数の増加があります。

 上記のグラフからわかるように、国際出願数が増加することは弁理士を必要とする企業数が増加することを意味します。

 故に、労働需要の線(右下がり青線)が右にシフトし、労働供給の線(右上がり橙線)との交点が上方向へ上がります。

 これは、年収の増加を意味するのです。

 近年、グローバル化が進展し技術やITをはじめとした諸分野で国際的な競争が激化しており、日本における国際出願数は増加の傾向にあります。

 したがって、国際出願数が将来的に増加した場合には、弁理士の年収は上昇すると言えます。

 ※ここでは、労働供給の線(右上がり橙線)を固定して考えましたが、実際には国際出願を担当できる弁理士の数の減少(ビジネスレベルの英会話能力による区別がつく、等による)で労働供給の線(右上がり橙線)も動き得ます。

 

④AIによる労働の代替⇒年収の増加

弁理士の年収・給料・給与 AIによる代替労働 年収の増加

 弁理士の年収に影響を与えるファクターの4つ目として、AIによる労働の代替があります。

 上記のグラフからわかるように、これまで弁理士が提供してきた労働力をAIが代替することは労働力を提供できる弁理士の数が減ることを意味します。

 故に、労働供給の線(右上がり橙線)が左にシフトし、労働需要の線(右下がり青線)との交点が上方向に上がります。

 これは、年収の増加を意味するのです。

 「弁理士の仕事がAIに代替される確率92%」といったショッキングなニュースが話題になったりAIがビジネスの生産性を急激に高めてビジネスモデルを激変させるという議論がしきりになされたりもしましたが、もしAIに代替されることなく弁理士を続けることができれば年収自体は上昇する可能性が高いのです。

 したがって、AIによる労働の代替が将来的に進む場合には、弁理士の年収は上がるのです。

 ※ここでは、労働需要の線(右下がり青線)を固定して考えましたが、実際にはAIの影響力は労働需要の線(右下がり青線)にも及び得ます(AIによって企業の生産力・技術力が向上する、等)。

まとめ

 弁理士の年収について、様々な視点から考えてきました。

 どの働き方を選ぶにせよ、年収のアップ、さらには人生逆転をかけて弁理士資格取得に挑戦するのも面白いかもしれません。

 

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