明細書作成だけじゃない!弁理士の業務範囲

明細書作成だけじゃない!弁理士の業務範囲
明細書作成だけじゃない!弁理士の業務範囲|弁理士試験|資格スクエア

弁理士の仕事といえば、特許出願の出願書類の作成や特許庁からの拒絶理由通知の応答書類の作成を思い浮かべる方も多いでしょう。皆さんの想像どおり、弁理士の業務の半分以上は、産業財産権の出願や権利化に関する業務になります。しかしながら、残りの部分はあなた次第で業務範囲を広げることができます。

今回は、弁理士の主業務である産業財産権の出願業務から権利化まで、また、権利化から権利行使まで、そして弁理士の業務として重要視されつつあるコンサルティング業務について解説します。

1 出願から権利化まで

(1)特許庁への出願書類の作成

弁理士の代表的な業務として、特許庁への出願書類の作成業務が挙げられます。

まず、出願書類の作成前に必ず行われるのが、発明者や創作者へのインタビューです。このインタビューで出願内容を決定します。これは、特許事務所、クライアントの知財担当者及び発明者の三者で行われることが多いです。

このインタビューでは発明のポイントを明確にし、先行技術との差異を把握しつつ、より大きな権利を取得できるように特許出願の内容を三者で議論します。

弁理士は、特許出願の内容だけでなく、意匠登録出願も行うべきかどうか、製造・販売計画に基づき外国出願が必要かどうか、といった多面的なアドバイスも行います。

その後、弁理士が出願書類を作成し、特許庁に出願書類を提出します。

(2)特許庁からの拒絶理由通知に対する応答書面の作成

ここからは特許出願を行った場合を想定して解説します。

特許出願の場合は出願日から3年以内に出願審査請求を特許庁にします。最近は、早ければ出願審査請求日から1年程度で特許庁から拒絶理由通知が届きます。

特許事務所の弁理士は、この拒絶理由通知の内容が妥当かどうか、どのような反論や補正を行えば最適な権利範囲を取得できるのか、といったことを検討し、クライアントに提案します。この時にどのような提案ができるか、が弁理士の腕の見せどころになります。

また、残念ながら拒絶査定になってしまった場合は、拒絶査定不服審判を請求する場合もあります。この審判の審判請求書の作成業務も弁理士が行います。

2 権利化から権利行使まで

(1)鑑定業務と権利行使

弁理士の業務は特許権が取得できたら終わり、というわけではありません。

権利を行使することで、特許権が独占排他権である醍醐味が出てきます。

クライアントから第三者の権利の侵害について相談があれば、弁理士はその製品が特許権を侵害しているか否か専門家の立場から鑑定し、鑑定書を作成します。また、鑑定結果によっては、クライアントと相談した上で権利侵害をしている恐れがある相手方に警告書を送付します。

相手方が悪質な場合は訴訟を起こす場合もあります。もし訴訟に至った場合は、弁理士は弁護士とともに訴訟実務を行うことになります。

弁理士登録後に特定侵害訴訟代理業務試験に合格すれば、弁理士も特定侵害訴訟においては訴訟代理人として訴訟に携わることになります。

▼参照:特定侵害訴訟代理業務試験
特許庁-特定侵害訴訟代理業務試験の案内

3 コンサルティング業務

(1)競合会社の特許出願の動向分析や知財戦略の提案

弁理士の業務は、特許庁に対する書類を作成することや訴訟実務に携わることだけではありません。近年、企業における知的財産権の重要性が高まり、知財戦略を立案する動きが活発に行われています。

一方、すべての企業が知財戦略を立案できる知財部門を有しているわけではありません。そこで、どのように知財戦略を策定すべきか、といった相談が弁理士に持ち込まれることが多くなってきました。

このような相談に対しては、弁理士は、競合会社の特許調査を行ったり、その調査結果から競合会社の特許出願の動向を分析したりします。また、どのように知財戦略を立案すべきかについて経営者にアドバイスを行うこともあります。

特許事務所の弁理士は、従来の特許庁に対する手続業務を行うだけでなく、クライアントの「困りごと」を見つけて、解決策を提案することも求められるようになってきました。

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