2019年度(平成31年度)弁理士試験の日程と概要

2019年度(平成31年度)弁理士試験の日程と概要

はじめに

日本弁理士会(参照:https://www.jpaa.or.jp/)から2019年度(平成31年度)の弁理士試験の日程が発表されたのでお知らせします。

受験者数も多く、話題になりやすい司法試験などと違い、弁理士試験は情報も不足しがちですよね。

そこでこの記事では2019年度の弁理士試験の日程に加え、具体的な勉強スケジュールや、弁理士試験に合格した後に待ち構える実務修習、弁理士としての働き方についても解説していきたいと思います。

弁理士試験の日程とその日程に合わせた勉強方法に困っている方は、ぜひこちらの記事をご活用ください。

1.2019年度(平成31年度)弁理士試験日程

2019年度(平成31年度)の弁理士試験の日程は以下のようになっています。

※口述試験の試験日程がいつになるかは論文試験合格後に発表されます。
※受験願書交付期間の時間帯は、午前9時~午後5時となっています。(行政機関の休日に該当する日及び、各経済産業局に関しては正午~午後1時を除く。)
※受験願書交付場所は特許庁、各経済産業局知的財産室(内閣府沖縄総合事務局知的財産室を含む。)と日本弁理士会となっています
※以下の受験願書は受け付けることができませんので気をつけましょう。

  • 特許庁に直接持参された受験願書(郵送のみの受付となります。)
  • 受付期間外に提出された受験願書 受験票発送時期 平成31年5月10日(金) を予定

2.弁理士試験の概要

試験目的

「弁理士になろうとする方が弁理士として必要な学識及びその応用能力を有するかどうか判定すること」

受験資格

学歴、年齢、国籍などの制限なし。

受験手数料

12,000円

試験地

試験データ(2018年度)

3.弁理士試験の特徴

短答式試験

試験形式

マークシート方式(5肢択一式)
※五肢に加えて「いずれも該当しない」という選択肢を設けるゼロ回答は存在しないことも特徴の一つです。

試験科目と問題数

合格基準

総合得点の65%かつ各科目40%以上

※1つでも合格基準を下回る科目があると他の科目がどれほど点数をとれていたとしても不合格となってしまうことに注意してください

論文式試験(必須科目)

論文試験は短答式試験合格者及び短答式試験免除者だけが受験することができます。
論文試験は必須科目と選択科目に別れており、このうち特許法・実用新案法意匠法商標法の3つが必須科目となっています。

論文式試験は、特許・実用新案のみ2時間の試験時間となっており、その他の科目は1時間30分が試験時間となっています。
配点比率は特許・実用新案法が他の科目の2倍の配点となっているので弁理士に合格するなら絶対に落としてはいけない科目となっています。

本番の試験では、弁理士試験用六法が貸与されますので、条文を丸暗記する必要はありません。
しかし、条文のどの辺りに記載されているかわかることで効率的に解くこともできますので試験突破のためにな日頃からよく訓練しておくことが必要となります。

論文試験(選択科目)

理工ⅠからⅤ及び民法が選択科目となっています。

これら6科目の中から1科目だけを出願時に選んで解答します。

文系出身の人の多くは民法を選択しますが理系の人にとっては自分の得意分野を選んで受験することができますので有利と言えます。

また、選択科目は一度合格すればそのあとはずっと免除となりますので、早い段階で選択科目に合格しておきたいところです。

免除で言えば、「『選択科目』に関する研究により、修士、博士又は専門職の学位を有する方」は免除対象となりますが、工業所有権審議会での審査によって免除資格の認定を受ける必要があります。

試験前に特定の手続をとることが必須となりますので注意しましょう。

口述試験

最後の口述式試験は、試験官3名の前で、口頭で問題を出され、これに答えていく面接方式の試験となります。
特許・実用新案法、意匠法、商標法の3科目について、各約10分程度の面接が行われます。
口述試験では、論文試験と同様、あらかじめ用意されている弁理士試験用六法を用いることもできます。

しかし、六法に記載されている内容をしっかり押さえておくことは合格するために最低限必要といえるものです。
口述試験の合格率は9割を超えていますが油断していると足元をすくわれます。
毎年、試験本番でパニックになってしまう人が一定数いますので、模試などを受験して、本番慣れしておくことが必要です。

4.弁理士試験の勉強方法

3つの勉強方法

弁理士試験の勉強方法は大きく次の3つに分けることができます。

  • 独学
  • 通信講座
  • 通学講座

それぞれの特徴を下の表にまとめました。

独学、通信講座、通学講座ともメリット、デメリットはあります。

どのくらいのお金と時間を弁理士試験の勉強に使えるのかをしっかりと考え、自分に合った勉強法を考えましょう。

勉強スケジュール

12月までは基礎学習、並行して論文対策も

弁理士試験対策としてまずは基礎知識を身につけましょう。
12月まではひたすら基礎知識の習得に力を注いでください。
それと並行して論文対策も並行して行うと効果的です。
というのも、インプットとアウトプットを同時に行うことで効率的に知識の定着を図ることが出来ます。

論文対策は一見難しそうですし、短答式試験の後に受けるということもあって、ついつい後回しにしてしまいがちです。

また、短答式試験に受かれば免除制度があることも論文対策の後回しに拍車をかける原因となっています。

しかし、意外なことに短答式試験に合格できる程度の知識量があれば論文式試験に合格することも可能なのです。

論文式試験は基本的な事項を題材とする出題がほとんどを占めており、答案の書き方も「型」があります。

これらにきちんと対応できれば合格できます。

もし、短期合格を目指すのなら基礎固めと同時に論文の勉強を始めておくことで論文式試験の型を押さえて周りの受験生と差をつけましょう。

1月以降は短答試験対策をメインに

1月になったらとにかく短答試験対策に注力しましょう。

弁理士試験は短答式に合格すれば2年間は短答式試験が免除されます。

この免除制度を最大限に活かすためにそれまでの勉強の進み具合に関わらず短答式試験対策に集中します。

ここに至る前に論文式試験対策を十分に行うことが出来ていれば、そこで培った法律の使い方や思考力を存分に活かすことが可能です。

弁理士試験は数ある資格試験の中でも難関ですから細かい箇所も正確にインプットする必要があります。

そのためには過去問演習を通して徹底的に反復練習をしましょう。

また、ここで短答試験対策を入念に行っておくと、この後の論文式試験にも好影響を及ぼしますので安心して短答式試験に集中するといいです。

口述試験対策は論文式試験後から開始

弁理士試験における口述試験はそれまでの短答式試験、論文式試験と比べると相対的に合格率も高く、難易度は低いと言えます。

ですから口述試験対策は論文式試験が終わってから対策しても間に合います。

知識的には短答式試験、論文式試験で十分ですので心配することはありません。

とは言え、試験まで時間がないことと落ちている人もゼロではないので油断大敵です。

最終合格を勝ち取るために口述模試を必ず受験し、口述試験はどのようなものかを体感しておくことが大事になってきます。

5.弁理士試験に合格すると

(1)実務修習について

弁理士試験に合格した後は、弁理士法の規定により、弁理士となるのに必要となる技能や専門的応用能力をつけるために実務研修を受けなければいけません。

実務研修のすべての課程を修了する事で弁理士として登録することができます。

期間はだいたい12月から3月に実施されます。

(2)働く弁理士の魅力

弁理士の仕事の魅力は大きく2つあります。

  • ①日本企業の国際的な舞台での権利である知的財産を保護することができる
  • ②法律系資格の中で唯一の理系資格

①日本企業の国際的な舞台での権利である知的財産を保護することができる

弁理士は主に知的財産を扱います。

この知的財産とは

  • 先進的なアイデアや商品に与えられる特許権
  • 新しいロゴや名称などのようなブランドを保護する商標権
  • 新しく、かつ創造的なデザインを保護するための意匠権

の3つを指します。

これらは不動産などの有形物と対比され、無形財産と呼ばれます。

弁理士の仕事はこのような商標や特許、意匠など作った人の努力の結晶である知的財産を公的に権利化する事です。

弁理士の働きによって、日本国内の権利だけでなく、日本の企業や発明家の国際的な舞台での権利も守ることができます。

要するに弁理士の仕事とは顧客の努力や苦労を横取りされないように法律による保護を受けることができるようにするとてもやりがいのあるものだということができます。

②法律系資格の中で唯一の理系資格

また、弁理士は法律系資格の中で唯一の理系資格と言えます。

その分専門性も極めて高く、制度上は弁理士登録が可能な弁護士ですら弁理士の業務をこなすのは難しいとされているのです。

近年ではAIの発達による厳しい意見もありますが競合も入りづらく、独自の業務が可能でやりがいのある弁理士の仕事は魅力的と言えるでしょう。

(3)弁理士のお給料

弁理士を目指す上で気になってくるのはお給料ではないでしょうか。

一般的に弁理士の年収は高いと言われますが、実際のところは年収700万円から1000万円を超える人まで様々です。

弁理士の年収は勤務先や勤務スタイル、経験年数によって異なります。

ここでは下の3つの働き方の年収について見ていきます。

  • ①特許事務所で働く
  • ②企業の知財部で働く
  • ③独立して働く

①特許事務所で働く

弁理士の就職先としてもっともオーソドックスなのは特許事務所です。

特許事務所の場合、そこで働く弁理士は毎月お給料が事務所から支払われます。

お給料は特許事務所がある場所や地域、事務所の規模感、そして取り扱っているお仕事の内容によって大きく左右されます。

一般的には給料は受注した金額の3分の1程度とも言われているので実力があるひとはそれだけ多くのお金を稼ぐことができる仕組みとなっている事務所が多いです。

②企業の知財部で働く

企業の知財部で働く場合は、特許事務所と同じく月々お給料が勤めている企業から支払われる形になります。

お給料は基本的にその企業の給料体系に則して支払われることになります。

弁理士の資格を持っていると5万円から10万円程度は資格手当として上乗せになることもあるかもしれません。

仮に直接資格手当が支給されなかったとしても、弁理士の資格を取っていることによって昇進に繋がる結果となることもあります。

昇進によって年収がアップする期待も出てきます。

③独立して働く

弁理士として独立すると数千万円稼ぐ人もいるほどです。

こう聞くと夢のあるように聞こえますが、独立すると経営力や営業力も試されます。ある程度リスクがあることは心に留めておきましょう。

いずれにせよ、勉強していけば高い年収を稼ぐことも可能な点でも弁理士は魅力があると言えます。

6.サマリー

いかがだったでしょうか?

2019年度の弁理士試験は短答式筆記試験が平成31年 5月19日(日) 、合格発表は平成31年6月10日(月)<予定>となっています。

論文式筆記試験(必須科目) 、同 (選択科目) は平成31年 6月30日(日)、 平成31年 7月21日(日) を予定しており、合格発表は平成31年9月18日(水)<予定>です。

最後の口述試験は平成31年10月12日(土)~10月14日(月)の いずれかの日となっています。

いつになるかは論文試験合格後に発表されます。

最終合格発表は平成31年10月31日(木)<予定>ですので忘れずにチェックしておきましょう。

また、学習方法としては独学や通信講座、通学講座といった3種類がありますが、この中では通信講座がもっともバランスが取れていてお勧めできるものです。

12月中は基礎知識の習得、それと並行して論文対策を行い、1月以降は短答対策を行うといいでしょう。口述試験は論文試験が終わった後から対策を始めれば十分です。

日本企業の国際的な舞台での権利を保護することができる唯一の理系資格という魅力がある弁理士に挑戦してみてはいかがでしょうか。

7.まとめ

  • 2019年度の弁理士試験は短答式筆記試験が平成31年 5月19日(日) 、合格発表は平成31年6月10日(月)<予定>
  • 論文式筆記試験(必須科目) 、同 (選択科目) は平成31年 6月30日(日)、 平成31年 7月21日(日) を予定しており、合格発表は平成31年9月18日(水)<予定>
  • 口述試験は平成31年10月12日(土)~10月14日(月)の いずれかで最終合格発表は平成31年10月31日(木)<予定>
  • 通信講座がもっともバランスのとれた学習方法
  • 12月までは基礎知識の習得と論文対策
  • 1月以降は論文対策
  • 口述試験対策は論文試験後でも間に合う
  • 日本企業の国際的な舞台での権利を保護することができる唯一の理系資格という魅力が弁理士の仕事にはある

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