行政書士の試験科目より 行政手続法~弁明の機会の付与・行政指導~

行政書士の試験科目より 行政手続法~弁明の機会の付与・行政指導~


行政書士試験で出題される行政法の1つである行政手続法では、行政機関の行う行政手続について定めています。

義務を課されたり権利を制限されたりする不利益処分時には、意見陳述のための手続がとられます。
不利益処分の程度が大きい場合には、聴聞手続を、比較的軽微な場合には弁明機会を付与するということでした。

1. 弁明機会の付与

弁明手続の付与の手続は、聴聞手続と比べて簡略化されており、聴聞手続のような参加人制度や文書閲覧請求権は認められていません。

方式は行政手続法27条で、

1. 弁明は、行政庁が口頭ですることを認めたときを除き、弁明を記載した書面(以下「弁明書」という。)を提出してするものとする。

2. 弁明をするときは、証拠書類等を提出することができる。

と定められています。

弁明手続は書面審査主義に基づくため、原則弁明書の提出が必要なのですが、行政庁が認めた際には例外で口頭による審査になります。

また、聴聞手続とは違い制限がないため、弁明手続を経た不利益処分については行政不服審査法による不服申立てが可能です。

2. 理由の提示

行政庁が不利益処分をする場合、原則、不利益処分と同時に理由を示す必要があります。

不利益処分が書面で行われる場合、理由も書面で示さなくてはありません。

このことは14条で、

1. 行政庁は、不利益処分をする場合には、その名あて人に対し、同時に、当該不利益処分の理由を示さなければならない。ただし、当該理由を示さないで処分をすべき差し迫った必要がある場合は、この限りでない。

2. 行政庁は、前項ただし書の場合においては、当該名あて人の所在が判明しなくなったときその他処分後において理由を示すことが困難な事情があるときを除き、処分後相当の期間内に、同項の理由を示さなければならない。

3. 不利益処分を書面でするときは、前二項の理由は、書面により示さなければならない。

と定められています。

例外として、差し迫った必要がある場合には処分と同時の理由提示はしなくてもよいことになっていますが、処分後相当の期間内に示さなくてはいけません。

3. 行政指導

行政指導は、行政からのお願い事のようなものです。

ですから一般国民に対する法的拘束力(処分性)はなく、法律の根拠も不要です(法律に根拠を有するものはある)。

取消訴訟の提起はできませんが、近年の判例では、検疫所長による輸入した食品に対する食品衛生法違反である旨の通知や、病院開設の中止を求める医療法に基づく勧告には処分性が認められ、取消訴訟の提起がされました。

また、違法な行政指導によって損害を受けた場合は国家賠償請求をすることができます。

4. 一般原則

行政指導の一般原則について、32条は

1. 行政指導にあっては、行政指導に携わる者は、いやしくも当該行政機関の任務又は所掌事務の範囲を逸脱してはならないこと及び行政指導の内容があくまでも相手方の任意の協力によってのみ実現されるものであることに留意しなければならない。

2. 行政指導に携わる者は、その相手方が行政指導に従わなかったことを理由として、不利益な取扱いをしてはならない。

という定義をしています。

5. 申請に関連する行政指導

一度申請が受理された後、その取り下げまたは内容の変更を求める行政指導を行うとき、申請者の不服従の表明があるにも関わらず、行政指導を継続することで申請者の権利行使を妨げることはできません。

これは33条で定められており、

申請の取下げ又は内容の変更を求める行政指導にあっては、行政指導に携わる者は、申請者が当該行政指導に従う意思がない旨を表明したにもかかわらず当該行政指導を継続すること等により当該申請者の権利の行使を妨げるようなことをしてはならない。

とされています。

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