行政不服申立て~どんな種類があるのか、申立てるのに必要な要件とは~

行政不服申立て~どんな種類があるのか、申立てるのに必要な要件とは~

行政書士試験の出題科目の1つである行政法では、行政争訟制度について定めています。
この分野は近年難易度が上がっており、深い部分についても触れられるようになってきているのでしっかり対策をしておくことが必要でしょう。

行政争訟制度のうち、行政不服審査法に基づく、国民の権利利益の救済および行政の適正な運営の確保を目的とする制度を、行政不服申立てといいました。

 

不服申立ての対象

では、不服申立ての対象となるのはどのようなことでしょうか。

大きく言うと、行政庁の「処分」と「不作為」がこれにあたります。
処分については、行政不服審査法2条第1項の「この法律にいう「処分」には、各本条に特別の定めがある場合を除くほか、公権力の行使に当たる事実上の行為で、人の収容、物の留置その他その内容が継続的性質を有するもの(以下「事実行為」という。)が含まれるものとする。」に、不作為については同条第2項「この法律において「不作為」とは、行政庁が法令に基づく申請に対し、相当の期間内になんらかの処分その他公権力の行使に当たる行為をすべきにかかわらず、これをしないことをいう。」に定められています。

言い換えると、処分は「行政行為」および「公権力の行使である継続的は事実行為」、不作為が「法令に基づく申請に対し、行政庁が期間内にしなくてはならないことをしない」ということです。

 

不服申立ての種類

不服申立ての種類については、行政不服審査法の3条で定められています。
第1項「この法律による不服申立ては、行政庁の処分又は不作為について行なうものにあつては審査請求又は異議申立てとし、審査請求の裁決を経た後さらに行なうものにあつては再審査請求とする。」、および第2項「審査請求は、処分をした行政庁(以下「処分庁」という。)又は不作為に係る行政庁(以下「不作為庁」という。)以外の行政庁に対してするものとし、異議申立ては、処分庁又は不作為庁に対してするものとする。」にある通り、行政庁の処分・不作為に対して、異議申立ては「当該処分庁か不作為庁」に、審査請求は「当該庁以外の行政庁(上級庁や監督庁)」に不服を申し立てる手続です。

また、8条第1項の「再審査請求」も不服申立ての1つです。
これは「次の場合には、処分についての審査請求の裁決に不服がある者は、再審査請求をすることができる。」とされており、

一  法律(条例に基づく処分については、条例を含む。)に再審査請求をすることができる旨の定めがあるとき。
二  審査請求をすることができる処分につき、その処分をする権限を有する行政庁(以下「原権限庁」という。)がその権限を他に委任した場合において、委任を受けた行政庁がその委任に基づいてした処分に係る審査請求につき、原権限庁が審査庁として裁決をしたとき。

という場合にすることが可能です。

 

不服申立ての要件

不服申立てをするには、

・処分または不作為である
・正当な当事者からの申立てである(当事者能力と当事者適格を備えている)
・権限を有する行政庁に申し立てる
・不服申立期間内に申し立てること
・形式と手続を遵守する

という要件を満たす必要があります。
では、1つずつ見ていきましょう。

処分に対する不服申立てとは、行政庁の処分に対して不服がある場合ですが、ここでは異議申立てか審査請求のどちらをするかが問題になります。
が、原則、審査請求をしなくてはなりません。
これは行政不服審査法が審査請求中心主義を採用しているからで、処分庁以外の行政庁が審査した方が公正であると考えられるという理由に基づきます。
異議申立てが出来るのは6条にある、

一  処分庁に上級行政庁がないとき。
二  処分庁が主任の大臣又は宮内庁長官若しくは外局若しくはこれに置かれる庁の長であるとき。
三  前二号に該当しない場合であつて、法律に異議申立てをすることができる旨の定めがあるとき。

という場合で、かつ「第一号又は第二号の場合において、当該処分について審査請求をすることができるときは、法律に特別の定めがある場合を除くほか、することができない」とされてもいます。

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