行政書士の試験科目より 行政争訟制度~行政争訟制度とは? 行政不服申立てと行政事件訴訟の違い~

行政書士の試験科目より 行政争訟制度~行政争訟制度とは? 行政不服申立てと行政事件訴訟の違い~

行政書士試験に出題される行政法では、行政争訟について定めています。

最近の行政書士試験では出題傾向が難しくなってきており、結構深いところまで突っ込んだ内容が問われるようになっています。基礎を確実に固めておくのは当然として、判例のチェックも欠かさないようにしましょう。

審査請求の手続では、行政不服審査法と行政事件訴訟法が間違いやすいポイントです。
両者の違いを比較しながら勉強を進め、しっかり理解する必要があります。

1. 行政争訟制度

では、そもそも行政争訟制度とはどのような制度なのでしょうか。

行政庁の違法、または不当な権限の行使がされたために国民の権利や利益が損害されると、その違法状態を解消して適法状態へと戻す必要が生じます。その手段が行政争訟制度で、これは行政不服申立てと行政事件訴訟の2つに分けることが出来ます。

行政不服申立ては、行政不服審査法を根拠とした、国民の権利利益の救済および行政監督・自己反省を目的とした制度です。申立先は行政機関で、違法・適法の判断と当・不当の判断が審査対象となり、審理手続は簡易迅速な略式手続で書面主義・職権主義です。執行停止については原則不停止ですが、例外として職権と申立ては停止となります。

一方、行政事件訴訟は行政事件訴訟法を根拠としており、裁判所に申立をする、国民の権利利益を救済することを目的とする制度です。審査対象は違法・適法の判断だけで、口頭弁論主義に基づいた厳格慎重な手続がとられます。行政不服申立て同様執行停止は原則不停止ですが、例外として申立ては停止になります。

では、続いて行政不服申立てについて見ていきましょう。

2. 行政不服申立て(行政不服審査法)

行政不服審査法1条第1項では、「この法律は、行政庁の違法又は不当な処分その他公権力の行使に当たる行為に関し、国民に対して広く行政庁に対する不服申立てのみちを開くことによつて、簡易迅速な手続による国民の権利利益の救済を図るとともに、行政の適正な運営を確保することを目的とする。」と定められています。

つまり、行政不服審査法の目的は簡易迅速な手続によって、国民の権利利益を救済しつつ行政の適正な運営を確保するということになります。

また、不服申立事項については、4条第1項の「行政庁の処分(この法律に基づく処分を除く。)に不服がある者は、次条及び第六条の定めるところにより、審査請求又は異議申立てをすることができる。ただし、次の各号に掲げる処分及び他の法律に審査請求又は異議申立てをすることができない旨の定めがある処分については、この限りでない。」に基づき、以下の処分は対象外となります。

一  国会の両院若しくは一院又は議会の議決によつて行なわれる処分
二  裁判所若しくは裁判官の裁判により又は裁判の執行として行なわれる処分
三  国会の両院若しくは一院若しくは議会の議決を経て、又はこれらの同意若しくは承認を得たうえで行なわれるべきものとされている処分
四  検査官会議で決すべきものとされている処分
五  当事者間の法律関係を確認し、又は形成する処分で、法令の規定により当該処分に関する訴えにおいてその法律関係の当事者の一方を被告とすべきものと定められているもの
六  刑事事件に関する法令に基づき、検察官、検察事務官又は司法警察職員が行なう処分
七  国税又は地方税の犯則事件に関する法令(他の法令において準用する場合を含む。)に基づき、国税庁長官、国税局長、税務署長、収税官吏、税関長、税関職員又は徴税吏員(他の法令の規定に基づき、これらの職員の職務を行なう者を含む。)が行なう処分
八  学校、講習所、訓練所又は研修所において、教育、講習、訓練又は研修の目的を達成するために、学生、生徒、児童若しくは幼児若しくはこれらの保護者、講習生、訓練生又は研修生に対して行なわれる処分
九  刑務所、少年刑務所、拘置所、少年院、少年鑑別所又は婦人補導院において、収容の目的を達成するために、被収容者に対して行なわれる処分
十  外国人の出入国又は帰化に関する処分
十一  もつぱら人の学識技能に関する試験又は検定の結果についての処分

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