行政不服申立て行政不服申立て~行政不服申立ての教示が間違っていたら? 不服申立てはどうやって終わる?~

行政不服申立て行政不服申立て~行政不服申立ての教示が間違っていたら? 不服申立てはどうやって終わる?~

行政書士試験には行政法という科目があり、これは他の科目と比べても配点の基準が高い科目といえます。
記述式での出題もあるため、試験勉強をするにあたって非常に重要な地位を占めていることになるでしょう。

さて、その行政法で定められている行政訴訟制度ですが、その1つに行政不服申立てというものがあります。
行政の処分や不作為に不服を申し立てられるという制度で、国民の権利利益を守るためには不可欠ともいえるでしょう。
しかし、国民の中にはこの制度を知らない人もいるかもしれません。
このように試験勉強を通して存在を知った、などという場合は良いですが、普通に生活していれば全く関わらないこともあるでしょうし、制度自体は知っていてもどの処分に対して不服申立てが出来るのかということは一見してわかるものではないのです。
また、60日という申立期間の短さにより、知った時にはすでに終わっていたという展開にもなりかねません。

これでは国民の権利利益が侵害されてしまう可能性がありますから、行政は不服申立ての存在を国民に教える必要があります。
これを教示制度といい、行政は不服申立が可能な処分をするとき、または利害関係者によって請求されたときには教示をすることが求められています。

 

教示の誤り

しかし、教示をしたところでそれが間違っていたら、それはそれで国民の不利益を生むことになるでしょう。
そうならないように、行政庁が教示に関して誤った場合の規定がされているのです。

教示をすべきなのに行政庁が教示をしなかった時には、当該処分庁に不服申立書を提出することが可能です。
また、不服申立てが出来ないのに「出来る」と行政庁が教示してしまった場合には、行政事件訴訟の出訴期間に影響しないよう、取消訴訟の出訴期間の起算を不服申立てが出来ない旨の裁決があったことを知った日または裁決の日とします。
行政庁が間違ったからといって、出来ない申立てが出来るようになるわけではないので注意しましょう。

不服申立てが可能で、そして教示もしっかりして、でも申立て先の審査庁を誤って伝えてしまうということもあります。
その時には、国民は教示されている審査庁にそのまま審査請求書を提出すれば問題ありません。
審査請求書を受け取った当該行政庁は、本来提出すべき審査庁へその書類と副本を移送することになります。

不服申立て期間を誤ってしまったときは、その誤った期間内に提出されれば法定の期間内における提出と同様に扱います。

 

手続の終了

不服申立ての手続は、審査庁による判断行為である「裁決」を以て終了します。
この裁決には、異議申立てに対する判断の「決定」と、審査請求・再審査請求に対する「裁決」があります。

裁決および決定は、4つに分けられます。
審査請求が適法な要件を欠いている場合、内容を審査する以前に申立て自体を退ける裁決を「却下裁決(決定)」といいます。
請求人の主要に理由があると認め、処分の全部、または一部の取消し・変更をする裁決は「認容裁決(決定)」といい、変更の場合には処分庁の直近上級庁を審査庁とすることが可能です(ただ、不利益変更の禁止に基づき、その変更が請求人の不利益となる場合は出来ません)。
「棄却裁決(決定)」は、請求人の主張に理由がないため処分の違法性・不当性が認められないと請求を退ける裁決です。
請求人の主張に理由があって本来なら認容裁決をするべきだけれども、処分の取消に酔って公益上著しい障害が発生すると認められたために請求を棄却する裁決を「事情裁決(決定)」といいますが、しかし、これをする際には、審査庁は当該処分の違法性や不当性を裁決で宣言しなくてはいけません。

裁決は審査庁の記名押印がされた書面で、理由の付記を伴って行われる必要があります。
裁決書の謄本である書面が不服申立人に送達されると裁決の効力が生じますが、処分の相手方以外の者が審査請求人の場合はその請求人および相手方の双方に送達しなければ効力が生じません。
公示送達による場合には、審査庁の掲示場に掲示を始めた日の翌日から起算し、2週間経過したところで送達があったとみなします。

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