行政手続法~標準処理期間・審査・応答・理由の提示~

行政手続法~標準処理期間・審査・応答・理由の提示~

行政書士試験で出題される行政法に含まれる行政手続法では、行政手続について定めています。

行政手続の1つである申請について、その処分に通常かかる期間を『標準処理期間』といいました。

 

設定義務(努力義務)

ただ、処分の種類によっては期間を設けることが難しい場合もあるため、標準処理期間の設定は努力義務、つまり「出来るだけがんばってやるべき」という義務になりました。
なお、標準処理期間には、事前指導や補正指導の期間は含まれていません。

また、大臣あての申請が都道府県を提出窓口としているときなど、他の行政機関経由で申請が行われる場合には、経由に必要な期間も定めるよう努めるべきとされています。
経由に必要な期間とは、経由庁となる都道府県の窓口に到達してから処分庁の大臣に届くまでの期間を指します。

 

公表義務(法的義務)

標準処理期間を設定するかしないかは努力義務ですが、設定した場合にはそれを公表することが義務づけられています。

どの程度の時間がかかるのかを申請者が知っている方が望ましいため、公表は法的義務です。

 

審査・応答

行政手続法7条『審査・応答』では、「行政庁は、申請がその事務所に到達したときは遅滞なく当該申請の審査を開始しなければならず、かつ、申請書の記載事項に不備がないこと、申請書に必要な書類が添付されていること、申請をすることができる期間内にされたものであることその他の法令に定められた申請の形式上の要件に適合しない申請については、速やかに、申請をした者(以下「申請者」という。)に対し相当の期間を定めて当該申請の補正を求め、又は当該申請により求められた許認可等を拒否しなければならない。」というように定められています。

つまり行政庁には『審査開始義務』と『応答義務』があるということで、前者は棚ざらし状態を防止するために設定された、行政庁は申請が事務所に到達したらそれを滞らせることなく審査を開始しろ、という義務です。
後者は、その申請が到達したらまず形式的要件、つまり内容以前に申請書の記載事項や添付書類などに不備がないかを調べよというもので、もし何らかの不備があれば補正を求めるか申請を拒否する必要があります。

☆理由の提示
8条『理由の提示』によると、
1.行政庁は、申請により求められた許認可等を拒否する処分をする場合は、申請者に対し、同時に、当該処分の理由を示さなければならない。ただし、法令に定められた許認可等の要件又は公にされた審査基準が数量的指標その他の客観的指標により明確に定められている場合であって、当該申請がこれらに適合しないことが申請書の記載又は添付書類その他の申請の内容から明らかであるときは、申請者の求めがあったときにこれを示せば足りる。
2.前項本文に規定する処分を書面でするときは、同項の理由は、書面により示さなければならない。

というように、許認可等を拒否する場合には、行政庁はその理由を示す必要があるとされています。
また判例では、その提示の際には単に根拠となる法律を伝えるだけでなく、申請者がちゃんと理解出来るように告げなくてはならないともされました。

ただ例外があり、「法令に定められた許認可等の要件または公にされた審査基準が数量的指標その他客観的指標により明確に求められている」かつ、「当該申請がこれらに適合しないことが申請書の記載または添付書類その他の申請の内容から明らかである」ならば、申請者の求めがあったときのみ示せば問題ありません。

また、拒否処分が口頭で行われる場合には、その理由提示も口頭で良いことになっています。
逆を言えば、書面での拒否処分では理由提示も書面でないといけないということです。
なお、どちらにしても拒否処分と拒否理由は同時に示す必要があります。

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