行政書士の試験科目より 社会権~勤労の権利と労働基本権~

行政書士の試験科目より 社会権~勤労の権利と労働基本権~

行政書士試験の出題科目の1つである憲法は、ぜひとも得点源としておきたい科目です。得意科目にできるよう、しっかりした理解を心がけましょう。

基本的人権に含まれている権利の社会権でしたが、社会生活を送ることを保障しているこの権利はいくつかの分野に分けられます。健康で文化的な最低限度の生活を保障する生存権、そのために不可欠である教育を受ける権利がありましたが、もう1つの権利について見ていきましょう。

1 勤労の権利と労働基本権

勤労の権利は、単に「働くことができる」という意味ではなく、義務でもある労働の中に存在する権利を保障しています。
資本主義が発達過程にあった19世紀には労働者が酷使されていた歴史がありますが、勤労の権利ではそのような状態を引き起こさないよう、労働者の生活を保障し、また労働運動を認めるような法律が求められたのです。

日本国憲法では、27条「勤労の権利」、28条「労働基本権」として定められています。

憲法27条では、

「すべて国民は、勤労の権利を有し、義務を負ふ。」
「賃金、就業時間、休息その他の勤労条件に関する基準は、法律でこれを定める。」
「児童は、これを酷使してはならない。」

という形で勤労の権利が保障されています。

28条の労働基本権は、

「勤労者の団結する権利及び団体交渉その他の団体行動をする権利は、これを保障する。」

といったものです。

労働基本権は「団結権」「団体交渉権」「団体行動権」の3つを指し、労働者が使用者に対し団結して労働運動を起こせるよう保障しています。
この目的は、労働者と使用者の立場を対等にすることであり、契約自由の名の元に不利な立場に追いやられることの多い労働者を、使用者から守るための権利なのです。

2 労働基本権の3つの側面

そんな労働基本権ですが、社会権だけでなく別の側面からも捉えることができます。

国に対して労働基本権を保障する措置を要求したり、そのための施策の実施義務を負わせられたりする点から見ると社会権としての性格があります。
しかし、労働組合法1条2項の刑事免責のように、労働基本権を制限する立法や国家行為が禁止されている点から考えると、自由権としての側面とも言えるでしょう。

また、使用者に対する権利としての側面もあります。
これは労働組合法8条の民事免責などを指し、使用者と労働者の関係において労働者の権利を保護するためのものです。

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