行政作用~附款の種類・附款の限界・違法な附款~

行政作用~附款の種類・附款の限界・違法な附款~

行政書士試験で出題される行政法では、行政行為について定めています。

行政行為の効力に制限を加えたり、新たな義務を課したりするため、主たる意思表示に負荷される行政庁の従たる意思表示を『行政行為の附款』といいました。
附款は法律行為的行政行為にのみ付けることが可能で、準法律行為的行政行為には付けられません。

附款の種類

附款には、その条件や期限、負担などの違いにより、様々な種類に分けられます。

条件による附款は、行政行為の効果を発生不確実な将来の事実の存否にかからせる意思表示です。
会社が設立すれば河川占用の許可をするなど、条件成就によって効力の生じる『停止条件』と、橋が完成するまでは通行が禁止されているが完成と共にそれは解除されるなどのように、条件の成就によって効果が消滅する『解除条件』があります。

行政行為の効果を将来発生することの確実な事実にかからせる意思表示では、期限によって種類が分かれます。
期限の到来によって効果が発生するものは『始期』、期限の到来で効果が消滅するものは『終期』といい、到来時期が「○○年○○月○○日」のように確定しているものを『確定期限』、到来は確実だがいつだかわからない(自分が死んだときなど)を『不確定期限』といいます。

負担による附款は、許可や認可などの受益的行政行為をするにあたり、相手方に対して特別な義務を命ずるというものです。
道路の占有許可にあたって占有料の納付を命ずる場合などがこの例です。
負担付行政行為の効力は完全に発生しているため、相手方が負担を履行しなくても、許可等が当然に効力を失うわけではありません。
別途、負担の履行の強制や、許可の取消しが必要です。

取消権(撤回権)の留保による附款は、許可などの行政行為をする上で一定の事由が生じた場合、将来これを取消・撤回することの出来る権利を行政庁側が保有している旨の意思表示です。
たとえば、各種営業許可を付与する際に「善良な風俗を害する行為があったときには営業許可を取りけす」という場合です。
ただ、取り消すためには正当・実質的な理由が求められます。

法律効果の一部除外による附款は、行政行為をする際、法令が一般にその行為に対して付与している効果の一部を発生させないという意思表示です。
たとえば、自動車事業の免許において、通行する自動車の範囲を限定するような場合です。法律が付与した効果の一部を否定するものであるため、明示の法律の根拠が必要です。

附款の限界

そんな附款も、何でもかんでもつけられるというわけではありません。
附款をつけられるのは、

・附款をつけられる旨が法律によって明示されている場合
・行政庁に裁量権が認められている場合

のみです。
また、上記の場合でも無制限にはつけられず、

・裁量権に基づく附款の場合は、裁量権の範囲内のみ
・法律の目的内であり、法目的と無関係な附款は無効
・目的達成に必要最小限の附款(比例原則)
・平等原則に違反しない

という限界があります。

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