行政書士の試験科目より 行政手続法~地方公共団体・行政機関相互の行為~

行政書士の試験科目より 行政手続法~地方公共団体・行政機関相互の行為~

行政書士試験で出題される行政法の中には、行政手続について定めた行政手続法があります。

行政手続法は一部適用除外のものを除き、原則として国のすべての行政機関に及びます。
行政機関の定義は行政手続法2条の5号で

イ 法律の規定に基づき内閣に置かれる機関若しくは内閣の所轄の下に置かれる機関、宮内庁、内閣府設置法 (平成十一年法律第八十九号)第四十九条第一項 若しくは第二項 に規定する機関、国家行政組織法 (昭和二十三年法律第百二十号)第三条第二項 に規定する機関、会計検査院若しくはこれらに置かれる機関又はこれらの機関の職員であって法律上独立に権限を行使することを認められた職員 ロ 地方公共団体の機関(議会を除く。)

というように定められています。

この規定の適用除外とされるのは、「行政機関とは異なる機関で慎重な手続で行われたもの」「刑事手続に類する慎重な手続により行われるもの」「公法上の特別な関係による処分のため除外されるもの」「国家主権に関わるもの」「処分の専門技術性ゆえに除外されるもの」です。

1 地方公共団体

地方公共団体は地方自治の尊重に基づき、ある種の独立を認められているため、地方公共団体の機関が行う処分等における行政手続法の適用は3条3項で規定されています。

地方自治の尊重。地方公共団体は第46条の規定にのっとり行政運営における公正の確保と透明性の向上を図るため必要な措置をとるよう努めなければならない。
地方公共団体の機関がする根拠となる規定が条例又は規則に置かれている処分。
地方公共団体の機関がする行政指導。
地方公共団体の機関に対する通知の根拠となる規定が条例又は規則に置かれている届出。
地方公共団体の機関が命令等を定める行為。

46条の規定とは、

地方公共団体は、第三条第三項において第二章から前章までの規定を適用しないこととされた処分、行政指導及び届出並びに命令等を定める行為に関する手続について、この法律の規定の趣旨にのっとり、行政運営における公正の確保と透明性の向上を図るため必要な措置を講ずるよう努めなければならない。

ということで、行政手続法が適用されない場合には、地方公共団体は行政手続法に代わるような『行政手続条例』の制定に努める必要があるということです。

地方公共団体の機関がする処分や機関に対する届出は、その根拠が法律・命令に基づく場合には行政手続法が適用されますが、条例・規則に基づくものであると適用範囲外となります。
また、地方公共団体の機関が行う行政指導・命令等の制定についても適用範囲外です。

2 行政機関相互の行為

行政手続法の本来の目的は、国民の権利・利益を保護することです。
ですから原則固有の資格において行われるべきで、国や地方公共団体の機関相互の行政作用には適用されないはずです。

ただ、例外として、行政機関が一般私人と同じ立場で行うものである場合は、行政手続法の適用範囲となります。
この例外について定めているのが4条第1項で、

国の機関又は地方公共団体若しくはその機関に対する処分(これらの機関又は団体がその固有の資格において当該処分の名あて人となるものに限る。)及び行政指導並びにこれらの機関又は団体がする届出(これらの機関又は団体がその固有の資格においてすべきこととされているものに限る。)については、この法律の規定は、適用しない。

と明示されています。

固有の資格において行われるもの、というのは市町村の境界変更の届出などで、これは適用されません。
しかし私人と同じ立場で行う、たとえば市町村が公用車を買ったときにする登録手続は適用されるということになります。
ここなる機関・団体に対する行政指導は適用範囲外です。

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