行政書士の試験科目より 平等とは~法の下の平等・何を以て平等とするか~

行政書士の試験科目より 平等とは~法の下の平等・何を以て平等とするか~

行政書士試験で出題される憲法の三大原則の1つに「基本的人権の尊重」があります。

基本的人権の中には平等権という権利がありますが、そもそも「平等」とは、どのような状態を指しているのでしょうか。

1. 平等とは

平等の基礎になっている考え方は、近代に多発した市民革命によって自由と平等を手にした頃の人たちによるものです。

それまでは生まれつきの身分で一生が決まり、身分格差も激しい世の中だったのですが、国民の全員が特別扱いされずに同じ条件下に置かれれば、各自の努力と運次第で物事を進めることが可能だと考えられていました。このような価値観を形式的平等といいます。

しかしこれだけでは、むしろ格差を広げる可能性も高いと言えるでしょう。いくらそれが個人の問題とはいえ、経済的格差が拡がっているようでは実質的な平等ではありません。

そこで、国による格差の修正を以て実質的平等を実現することが求められました。この考え方を結果の平等ともいい、所得に応じた累進課税制度や、社会権で保障されている福祉などがこれに基づいているというわけです。

2. 法の下の平等

憲法14条の条文は、行政書士試験においても重要になるので覚えておきましょう。
第1項では、

すべて国民は、法の下に平等であって、人種、信条、性別、社会的身分又は門地により、政治的、経済的又は社会的関係において、差別されない。

とされており、法律は国民すべてに平等に適用されるものだと定められています。しかし、もし法律自体が不平等だったらどうでしょうか。

例えば、仮に「1月生まれの人は消費税5%、それ以外の月に生まれた人は消費税10%」なんて法律があったとします。どう考えても不平等な内容ですが、「法律は平等に適用されるから」という理由だけを用いるとなると、この通りにしなくてはいけなくなってしまいます。

ですから、こういった法律が制定されないよう、「法の下の平等」は法の適用に関する平等だけでなく、法の内容の平等についても意味しているといえるのです。

また、ここにおける「平等」は、絶対的なものではなく相対的なものだと考えます。

この代表例が少年犯罪で、未成年が罪を犯したときには、まったく同じことを成人がやった場合よりにも軽い処置がとられたり、個人情報の開示が制限されたりという違いがあります。

同じことをしたのに待遇が違うのは不平等だ、という考え方が絶対的平等ですが、しかし、少年はまだ人生経験が浅いため、成人と比べて判断力等に欠けている、だから犯罪に至ってしまったのだ、と、元々の違いを踏まえて考えることも必要だとされています。

これが、同じ者は同じように、違う者は違うように扱う、相対的平等の考え方なのです。

事実上の違いと法律上の取扱いの違いの間に、社会通念上で合理的な関連性が認められれば、14条に違反しないと考えられています。合理的だと認められた差別は少年犯罪の他に、女子に対する労働条件の保護、選挙犯罪者に対する公民権の停止、一代限りの特権のない栄誉を与える、というものなどです。

3. 列挙事由について

14条では、差別されない要素として「人種、信条、性別、社会的身分又は門地」というものが列挙されていますが、これは一部の例であり、他にも差別的な扱いは禁じられています。

非嫡出子の相続権がその1つです。非嫡出子(未婚の親に生まれた子ども)の相続分は、嫡出子(結婚した親に生まれた子ども)の半分であると民法は定めていました。従来では法律婚を保護する目的があったため、両者の格差は必要だと考えられてきたのですが、家族の形態が多様化するのに伴い、この決まりに反対する動きも生まれてきました。

子どもは生まれてくる場所を選べないのですから、法律に及ばない男女の間に生まれた子には何の罪もありません。
結果、平成25年、この格差は違憲であるという判決が下されました。

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