行政書士の試験科目より 行政作用~行政行為の意義・法律行為的行政行為・命令的行為~

行政書士の試験科目より 行政作用~行政行為の意義・法律行為的行政行為・命令的行為~

行政書士試験で出題される行政法では、行政について定めています。

行政行為がなされることにより、国民の権利や利益には影響が及ぼされます。
このように影響を及ぼす、行政主体の行為を『行政作用』といい、行政機関による国民への働きかけのことを指します。
私たち国民が生活する上で、行政行為は非常に多くの場面で国民と接触しています。
その権利や利益を侵害しないようにするため、行政に関するルールが定めることが必要です。
そのルールこそが、行政作用法と呼ばれる法たちなのです。

行政活動の中心となるのは、行政行為や行政強制などのような権力的活動です。
しかし今日の行政では行政指導や行政計画、行政契約のように、非権力的な活動が重要になったり、法規命令や行政規則といった行政立法が着目されたりということが起きています。

1 行政行為の意義

そもそも行政行為とは、行政庁が行政目的を実現するため、法に基づき、一方的な判断で国民の権利義務やその他法的地位を具体的に決定するということを指します。
私人間の法律関係は『私的自治の原則』により、当事者間の合意によって形成されるのですが、公益の実現を目的とする行政活動は膨大な数の国民に対して行われるため、いちいち国民一人一人と意見を調整していくとすると、途方もない時間がかかってしまうでしょう。
迅速さが求められる行政活動では、行政上の法律関係において、行政庁の一方的な判断に基づいた強制的な実現が必要となるのです。

権力的な法律関係において、私的自治の原則は排除されます。
しかし、だからといって、国民の権利や利益が侵害されてよいというわけでは決してなく、それらが守られるため、国民代表議会で定められた法律によって行わなければならないという原則があるのです。

なお、行政機関内部の行為である訓令や通達、国民の任意の協力を期待する行政指導、行政と国民の合意に基づく行政契約や合同行為、一般的抽象的な法規範の行政立法は、解く衛の国民の権利義務や法益地位を具体的に決定するわけではないため、行政行為には当たりません。

2 行政行為の種類

行政行為と一口に言っても幅広く、細かく分けていくと様々な種類があります。

まず大きく、『法律行為的行政行為』と『準法律行為的行政行為』に分けられ、法律行為的行政行為はさらに『命令的行為』と『形式的行為』の2つに分けることがあります。
これらをまた分けていくと、命令的行為には『下命(禁止)』『許可』『免除』、形式的行為には『特許』『認可』『代理』がそれぞれ含まれているということができます。
準法律行為的行政行為には、『確認』『公証』『通知』『受理』があります。

3 命令的行為

では、一つずつ見ていきましょう。
法律行為的行政行為に属する命令的行為は、国民が生まれながらに有する権利に対して行政庁が一定の義務を課す、またはその義務を解除するという行為を指します。

下命(禁止)は、その意思表示により、国民に対して作為・不作為を命ずる行為です(不作為を命ずる行為が『禁止』)。
租税の賦課処分、違法建築物の除去命令、道路の通行禁止などがこれに当たります。

許可は、本来国民が自由に出来る行為をあらかじめ一律に禁止し、その上で、特定の場合のみその禁止が解除されて適法に行えるようになる、ということです。
許可の対象となるものは、法律行為以外にも事実行為があり、各種営業の許可や運転免許、在留許可などが含まれます。

免除とは、法令や行政行為によってすでに課されている一般的な作為、給付、受忍などの義務が特定の場合に解除されることです。
具体的には、納税が猶予されたり、就学が免除されたりということがあります。

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