行政書士の試験科目より 〜「双務契約」と「片務契約」

行政書士の試験科目より 〜「双務契約」と「片務契約」

行政書士試験で出題される科目の1つである民法では、契約について詳しく定められています。
前ページまでは新しく契約を結び、効果が発生するまでを見ていきました。

では、契約を結んだあと、契約存続中の関係についてはどのように定められているのでしょう。

契約総論

当事者双方に対価的な債務を発生させる契約は「双務契約」と呼ばれます。
一方、当事者どちらかだけ、片方だけに債務が発生する契約は「片務契約」といいます。

契約が存続している間には多くの問題が生じ、とりわけ双務契約では各当事者の債務が対価的な相互依存関係にあるがゆえに、両債務は特別な関係になるのです。
この関係は「牽連関係(牽連性)」といい、一方の債務に不都合があった場合に他方の債務はどうなるのかという論点の下、3段階で問題が生じます。

「成立上の牽連性(原始的不能)」は一方の債務が成立しなかった場合に、「履行上の牽連性(同時履行の抗弁権)」は一方の債務が履行される場合に、「存続上の牽連性(危険負担)」は一方の債務が消滅した場合を指します。

たとえば、売主と買主の間で売主が所有していた不動産の売買契約が無事、締結されたとします。
しかし買主の方が代金を支払っていないのに、売主が建物を引き渡すよう要求しだしたのです。

建物の売買契約の場合、買主は売主に対して権利・債権である建物引渡請求権を有し、義務・債務たる代金支払債務を負うことになり、一方、売主は買主に対し、権利・債権の代金支払請求権を有し、義務・債務である建物引渡債務を負うのですから、どちらも債務を負っていることになります。
ですからこの契約は、建物引渡請求権と代金支払請求権という、双方に対価的な関係のある債務が発生する双務契約といえます。

こういった場合、当事者の一方は相手方がその債務の履行を提供するまで、自己の債務の履行を拒否することが可能です。
これは民法533条「同時履行の抗弁権」で定められており、上記の例における売主はこの権利を主張できるということです。

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