行政書士の試験科目より 国会~国会の権能・議院自律権・国政調査権~

行政書士の試験科目より 国会~国会の権能・議院自律権・国政調査権~

行政書士試験で出題される憲法では権力分立の考え方がとられていて、「立法権」「行政権」「司法権」に分散された権力のうち、立法権を担っているのは国会ということでした。
国会には、通常国会・臨時国会・特別国会・緊急集会という種類があります。

国会には衆議院の優越という仕組みがあり、参議院との意見が分かれたときには衆議院の議決を優先させることが認められています。

1 両院協議会

その優先よりも前に、両議院の意見が不一致となると、調整のために「両院協議会」という会が設けられます。
予算の議決、条約承認、内閣総理大臣の指名に関する場合は必ず開かれますが、法律案の議決においては任意の開会になります。

両院協議会の成案は、両院協議会を求めた議院でまず議して、それからもう一方の議員に送付することになります。
成案のさらなる修正はできません。

2 国会の権能

行政書士試験において、国会の権能については暗記するしかありません。

立法に関する権限では、まず憲法改正の発議権があります。
これは両議院が対等として扱われているもので、各議院の総議員の3分の2以上の賛成で国会が発議することになります。
他に、法律の議決権や条約承認権がありますが、これらにおいては衆議院の優越が認められています。

財政に関する権限では、財政監督権があります。
国費支出や債務負担行為の議決などは法律上で支出義務が規定されていますが、それでも国会の承認が必要です。
予算の議決権においては、衆議院の優越および先議権が認められます。

また、一般国務に関する権限として、総理大臣の指名権があります。
これは衆議院の優越が認められています。
弾劾裁判所の設置権もその1つで、これは裁判官にふさわしくないと判断された裁判官の訴追のために、国会内に設置される両議院の議員によって構成された裁判所です。
弾劾裁判は、国会が閉会している間にも活動できます。
内閣不信任案決議権は衆議院のみ持っている権利、国政調査権や議院の自律権は議院の権能です。

3 議院自律権

衆議院にも参議院にも、議院のことは議院自身で決めるという「議院自律権」が認められています。

議院の自律権は、内部組織に関する自律権と、運営に関する自律権に分けられます。
内部組織に関するものとしては、会期前に逮捕された議員の釈放要求権(議員の不逮捕特権に対応)と議員の資格争訟の裁判権、そして役員選任権があります。
運営に関する自律権は、議院規則制定権、議員の懲罰権、秘密会開会の決定があります。

秘密会とは、出席議員の3分の2以上の多数の議決で開会される、議事公開原則の例外にある会です。
原則として、秘密会においても会議録の公開は必要です(特に秘密であると要されるものに限り、会議録も非公開にできます)。

4 国政調査権

憲法62条では、

「両議院は、各々国政に関する調査を行ひ、これに関して、証人の出頭及び証言並びに記録の提出を要求することができる。」

と、衆議院および参議院の国政調査権を認めています。

これは国会が立法権を行使するにあたって必要な調査を行うための権能で、耐震強度の偽造問題や、国家公務員の接待ゴルフ疑惑を追及した「証人喚問」が行われたのは国政調査権の行使によるものなのです。

国政調査権は、原則として議員の権能の及ぶ範囲の全てにおいて行使できます。
ただし、例外として、司法権の独立への影響を与える場合や人権を侵害するような調査は許されていません。

まとめると、議員の権能としては両院共通のもの、衆議院のみのもの、参議院のみのものとそれぞれ分けることが可能です。
憲法改正の発議権や議院規則制定権、国政調査権は両院共通、衆議院のみあるのが内閣不信任決議権、予算の先議権、参議院のみあるのが緊急集会です。

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