行政書士の試験科目より 人権とは~人権の種類・法人の人権~

行政書士の試験科目より 人権とは~人権の種類・法人の人権~

行政書士試験の出題科目の1つである憲法は、国民一人一人の権利を守り、幸福を保障するためにあるものです。
この理念は他の法律にも根付いていますから、行政書士試験を受けるにあたってしっかり理解することが必要でしょう。

1 人権総論

では、日本国憲法の半身である「人権」について見ていきましょう。

人権とは文字通り「人の権利」で、憲法では生まれながら当然に持っているものだとされています。
日本国憲法の三大原則の1つにある「基本的人権の尊重」の「基本的人権」が人権全体を指す言葉として使われていますが、それを細かく分類していくと、

・平等権
法の下の平等(14条)、男女の本質的平等(24条)、選挙権の平等(44条)

・自由権
*精神の自由
思想・良心の自由(19条)、信教の自由(20条)、言論・出版その他の自由(21条)、集会・結社の自由(21条)、絢爛の禁止(21条)、通信(信書)の秘密(21条)、学問の自由(23条)
*人身(身体)の自由
奴隷的拘束・苦役からの自由(18条)、法の正当な手続の保証(31条)、不当逮捕の禁止(33条)、抑留・拘禁の制限(34条)、住居の不可侵(35条)、拷問・残虐刑の禁止(36条)、刑事被告人の権利の保証(37条)、黙秘権の保障等(38条)
*経済の自由
居住・移転・職業選択の自由(22条)、外国居住・国籍離脱の自由(22条)、財産権の不可侵(29条)

・社会権
生存権(25条)、教育を受ける権利(26条)、勤労の権利(27条)、勤労者の団結権・団体交渉権・団体行動権(28条)

・参政権
公務員の制定・罷免権(15条)、選挙権(15条・44条・93条)、秘密投票(15条)、最高裁判所裁判官の国民審査権(79条)、特別法制定同意見(95条)、憲法改正国民投票権(96条)

・請求権(受益権)
請願権(16条)、国家賠償請求権(17条)、裁判を受ける権利(32条・37条)、刑事補償請求権(40条)

・義務
子女に普通教育を受けさせる義務(26条)、勤労の義務(27条)、納税の義務(30条)

というようになります。

行政書士試験など法律系の試験を受験するならば、これらは全て頭に入れておく必要があります。

また、環境問題の発生や情報技術の発達など時代の変化に伴い、環境権やプライバシーの権利などのような「新しい人権」も生まれていますから、憲法に規定のないそちらもチェックしておいた方が良いでしょう。

2 人権の享有主体

日本の国籍を持っている、日本国民に人権が備わっている(未成年者も人権享有主体であるが参政権は制限・天皇や皇族は一般国民と異なる規定)ことはもちろん言うまでもありませんが、そこにあてはまらない存在もいます。

それは「法人」、そして「外国人」です。

法人は、法律によって権利能力を与えられた団体及び一定の集合財産を指しています。
会社がその代表的な例で、「一般法人」などという言葉は日常生活でもよく耳にすることでしょう。
人が集まってできているのが法人ですから、生身の人間だと考えることは不可能ですが、法律上では法人は「人」として扱われることになります。

法人には、精神的自由・経済的自由・請願権・国家賠償請求権・裁判を受ける権利・刑事手続上の権利が認められています。
選挙権・不当に逮捕されない権利・生存権は適用されません。
また、ともすれば強大な社会的権力となり得る可能性を持った法人が暴走するのを防ぐため、経済的自由権については、自然人に比べて広範な積極的規制が認められています。

ではもう一方、「外国人」、日本国籍を有していない人たちについてはどのような人権が保障されているのでしょうか。

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