民法総論

民法総論

行政書士試験の出題科目の1つに、民法があります。
問題数は、択一式全40問に対して9問と、記述式全3問に対して2問の計11問。
全出題数の約4分の1を占めています。
行政法に次ぐ出題数ですから、かなり重要な地位であると言って良いでしょう。

しかし、民法はとにかく範囲が広い分野です。
特に厄介なのが債権で、条文数もかなりのものですから、出題傾向を見極め分野をしぼって勉強しないとなかなか苦しいでしょう。
判例問題も出てくるため、テキスト、過去問、判例集を活用しながら、図を描いたり表にまとめたりといった工夫をしつつ理解を深めていく必要があります。

 

総論

さて、そんな民法ですが、具体的な条文を見ていく前に、全体像を一度把握しておきましょう。

民法はその名の通り「民」、つまり一般国民の生活のために定められているルールです。
私たちは家族と一緒に過ごしたり、何かを買ったり売ったり、貸し借りしたりプレゼントをあげたり、時には誰かとケンカしてしまったり……ということを日常的にしていますが、こういった行動に関わってくるのが民法なのです。

民法の前提にあるのは近代の「市民社会」ですから、国民一人一人の自由な意思が認められています。
それが表れているのが「私的自治の原則」で、誰でも自由に約束を結ぶことが出来るとされているのです。
各々の意思で自由な決定をしていくという考えに基づき、自由な経済活動が行われています。
が、全ての場合においてこれがまかり通ってしまうと不平等が生じたり権利利益が侵害されたりする可能性があるため、労働基準法や借地借家法などのように、自由な取引にも一定の特別制限が課されています。

また、「所有権絶対の原則」という、所有している物に対しての権利は非常に強いとする原則もあります。
所有権がある物に対しては使用・収益・処分が自由に出来るというものですが、しかしこれが絶対的なものになりすぎると(所有している土地に何を立てても良いとすると、近隣の住民が嫌がるような店・工場なども立てられることになってしまう)、一人の権利が大勢の利益に優先してしまいます。
そのため民法1条は権利の行使に対して「公共の福祉のための制限」「濫用の禁止」を設けており、社会全体の利益のためには個人の権利が制限されることもあるとしています。

3つめの原則は「過失責任の原則」です。
故意・過失が無い、要するにわざとでもなく注意不充分でもない、落ち度が全くなかった場合には責任は負わないというものです。
その気も無いのにうっかり迷惑をかけただけで責任を負わなくてはならないと、怖くて何も出来ないでしょうが、この原則のおかげで故意過失が無いならよいとされているのです。
しかし、被害者がそれを証明しにくい企業の場合は別で、「無過失責任」を認めるPL法などのように、故意過失がないときでも責任があるとする法律も存在しています。

 

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