電子申請に強い行政書士になりたい!行政書士が利用する代表的な電子申請システムも紹介!

電子申請に強い行政書士になりたい!行政書士が利用する代表的な電子申請システムも紹介!

デジタルネイティブ世代は、どんな手続きもオンラインでおこなうのがデフォルトです。しかし、少し古いイメージのある行政書士業務においては、どのくらいオンライン化が進んでいるのでしょうか?

行政書士が取り扱う申請手続きには、官公署に提出するもの、補助金申請、在留資格など幅広くあります。この記事では、行政書士業務のおけるオンライン化のリアルについて、分かりやすくお伝えします!

1 行政書士業務と電子申請

行政書士の業務はとても幅広いことで知られています。許認可申請をはじめとする行政手続きを独占業務とし、作成することのできる書類の種類は10,000以上といわれています。行政書士業務において、近年加速するオンライン化の波は、どのように及んでいるのでしょうか。

(1) 行政書士がおこなう主な電子申請・電子調達手続き

行政書士業務の遂行は、各官公署に対して提出する申請業務を窓口に行っておこなうだけでなく、電子申請でも可能になっています。現在、次のような各種電子申請・電子調達関連手続きがおこなわれています。

①電子定款作成代理・嘱託代理などの電子公証手続(法務省)
②入札参加資格審査申請代理(国、地方自治体)
③特殊車両通行許可申請代理(国土交通省)
④自動車保有関係手続代理(OSS)(国土交通省)
⑤在留資格オンライン申請

(2)行政書士業務における電子申請の歩み

行政書士試験研究センター資料によると、行政手続きにおけるオンライン化は次のように進められてきました。

平成14年 「行政手続等における情報通信の技術の利用に関する法律」が成立し、
オンラインによる行政手続きの法的基盤が整備された。
行政書士法(昭和26年法律第4号)の改正が施行される。
官公署にオンラインで申請・届出をする電子データを、申請者に代わって作成することが
行政書士の業務として明文化された。
平成25年 約2億956万件の申請等がオンラインでおこなわれた。
(このとき国の行政機関にオンラインで手続きができるのは3,768種類)

(3)2022年より建設業許可・経営事項審査の申請が電子化

現在、e-Gov(イーガブ)電子申請システムからの申請だけでなく、在留資格や、行政書士が請け負う経済産業省の補助金申請などのポータルサイトも設立されています。2022年度には、建設業許可・経営事項審査の申請が電子化されることも話題となっています。当申請業務は膨大な書類の準備・確認が必要となるため、申請側だけでなく審査側にも大変な手間がかかっています。

etax・eltaxで税務が、登記ネットで登記が電子申請化されるなど様々な官公庁の手続きがオンライン化されるのに続き、国土交通省が現場の声にこたえて、建設業法令を改正して電子申請化を整備する運びとなりました。

2 電子申請の方法とは?

行政書士のクライアント企業の中には、電子申請と聞くと苦手に感じる方も多いようです。しかし、電子申請のメリットは、実は省力化だけではありません。

(1) 電子申請のメリットとは?

電子申請は24時間365日、スマホからでも申請できるため、時間と労力がかなり削減できるというメリットがあります。その他にも、例えば電子定款作成業務では、収入印紙の貼り付けが不要になります。株式会社や合同会社の定款作成にあたっては、電子申請すれば収入印紙4万円が不要となるのです。OSSでは、申請手続きと共に税・手数料の納付もネット上で一括しておこなうことができて便利です。

(2) 電子申請の方法

日本行政書士会連合会はホームページにて、電子申請の方法を分かりやすく解説しています。同ホームページによると、大まかには次のような手順でおこないます。

①当該の官公署に電子申請利用の申し込みをします。
②当該の官公署のホームページから、マニュアルや申請用アプリケーションを自分のパソコンにダウンロードします。
③申請用アプリケーションをインストールします。
④申請書の作成・送信をおこないます。その際、添付書類や「行政書士電子証明書」も添付します。

(3) 行政書士電子証明書とは?

「行政書士電子証明書」とは、行政書士の資格を認証した上で発行される、行政書士であることの資格証明書です。本証明書は紙ベースの書類作成時に不可欠な、記名職印の押印に代わる効力が認められるものです。

今般のコロナ禍では、申請書類の押印の是非について大きく問われましたが、今後はより電子証明書が広く活用されていくことになるでしょう。行政書士は電子証明書を取得することで、次のような手続きが代行できます。

①株式会社等の設立で必要となる電子定款作成
②自動車保有関係手続のワンストップサービス(OSS)
③電波利用の電子申請・届出

3 行政書士電子証明書の取得の流れ

下表は、行政書士電子証明書の取得の流れを詳しく説明したものです。手順のなかにはメールだけでなく、郵便でのやり取りも含まれます。

行政書士登録をする 日本行政書士会連合会のホームページ上の行政書士検索システムに登録情報が反映されない場合、証明書は取得できません。
利用申し込み 日本行政書士会推奨の、セコムトラストシステムズ株式会社の行政書士電子証明書のお申し込みページより申し込みます。
必要事項を入力後、利用申込書をプリントアウトして署名と捺印(実印)をします。
振込み 利用申込書に記載された料金を、指定の方法で振り込みます。
商工会議所会員は、以下の割引を受けることができます。
期間2年(新規・更新) 12,000円(税込13,200円)
期間3年(新規・更新) 18,000円(税込19,800円)
必要書類の送付 料金の振り込み後、セコムトラストシステムズ(株)へ、以下の必要書類を郵送します。
・利用申し込み書
・住民票の写し
・印鑑登録証明書
・振り込み控え又は振り込み控えのコピー
・戸籍(全部/個人)事項証明書(行政書士名簿の氏名が旧姓で登録されている場合のみ必要)※以下は場合によって必要になる書類
・代理人受取人の印鑑登録証明書
・パスポートの氏名のコピー(外国籍で電子証明書氏名をパスポートと同記載にする場合)
・特別永住者証明書(裏表)のコピー(外国籍で証明書氏名を特別永住者証明書と同記載にする場合)
・在留カード(裏表)のコピー(外国籍で電子証明書の氏名を在留カードと同記載にする場合)
通知書到着 セコムトラストシステムズ(株)から以下が届きます。
・ダウンロード方法の案内のメール
・本人限定受取郵便で住民票記載の住所へ届く、ダウンロードに必要なパスワードと電子証明書の利用に必要なPINコード
電子証明書
ダウンロード
マニュアルに従って、証明書をダウンロードします。
受領書の返送 本人限定受取郵便に同封の「受領書」をセコムトラストシステムズ(株)に返送します。

4 業務別各種ポータルサイト

業務内容が幅広いという特徴を持つ行政書士は、様々なポートルサイトで電子申請をおこなうことができます。行政書士が申請手続きを代行した場合に、電子申請のために利用することになるポータルサイトをいくつか紹介します。

(1) e-Gov電子申請システム

e-Govは、総務省が管轄する電子政府の総合窓口のことで、法令検索やパブリックコメントにもよく使われます。各官公庁に届け出る様々な行政手続きについて、e-Govを介しておこなうことができます。

(2) Jグランツ

行政書士の業務の一つに、経済産業省関連の補助金申請業務があります。2019年秋、経産省は補助金申請のための電子申請システム「Jグランツ」を発表しました。「Jグランツ」の対象補助金は、以下の通りです。

  • ものづくり補助金
  • 小規模事業者の持続化補助金
  • IT導入補助金
  • JAPANブランド補助金など27種類の主要な補助金が対象

今後、更に地方自治体における補助金申請などを含め、拡大していくそうです。

「Jグランツ」は、事前に「gBizID」を登録しないと申請すらできません。「gBizID」は簡単に登録でき、ICカードリーダーを購入する必要がなくなります。登録の手順は、まず書面を印刷して押印(実印)し、印鑑登録証証明書を添付して郵送します。申請から取得までの期間は、2週間くらいです。

(3) 民泊制度運営システム

民泊業においても、運営がシステム化されています。「民泊制度運営システム」は、住宅宿泊事業者や住宅宿泊管理業者、住宅宿泊仲介業者が利用できるシステムで、主な機能には以下のものがあります。

① 届出・申請等の手続き
② 不備のない書類を作成するための入力チェック機能
③ 過去の手続き、自らの事業に関する行政手続きの情報管理機能
④ 住宅宿泊事業者は、宿泊日数等の定期報告も可能

現在コロナ禍にあって停滞中ですが、民泊条例に基づく許可申請が、今後相当数見込まれています。

(4) 在留申請手続きのオンライン化

「在留申請オンラインシステム」は,2019年7月25日から利用が開始されました。当システムを利用できるのは,以下の方々です。

① 外国人雇用状況届出を履行しているなど一定の要件を満たす外国人の所属機関の職員
② 上記①の所属機関から依頼を受けた、弁護士又は行政書士(届出済弁護士・行政書士)

当システムを利用するためには、行政書士は事前に管轄の地方出入国在留管理官署宛てに利用申し出をおこない、承認を受ける必要がある点に注意しましょう。

5 サマリー

コロナ禍により行政手続きの場でも、密を避けることができる電子申請の需要が、ますます高まりました。電子申請に対する理解度を上げることは、行政書士としての競争力を強めることにも繋がります。この記事を参考に、電子申請についての理解を高めて頂けたら幸いです。

6 まとめ

  • 行政書士の電子申請・電子調達手続きは、定款作成代理や入札参加資格審査申請代理などでおこなわれている。
  • 2022年より、建設業許可・経営事項審査の申請が電子化される。
  • 電子申請のメリットは省力化だけでなく、例えば電子定款作成業務では収入印紙の貼り付けが不要になる。
  • 日本行政書士会連合会ホームページは、電子申請のやり方を分かりやすく解説している。
  • 電子申請には行政書士であることの資格証明書「行政書士電子証明書」が必要である。
  • 経産省関連補助金申請のための「Jグランツ」、民泊制度運営システム、在留申請手続きシステムもある。

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