自粛の続くなか、行政書士の果たす役割とは?コロナ禍で行政書士に依頼すべき補助金・貸付を徹底解説!

自粛の続くなか、行政書士の果たす役割とは?コロナ禍で行政書士に依頼すべき補助金・貸付を徹底解説!

行政書士は「書類のプロ」とも呼ばれ、官公署等に提出する申請書類作成をおこないます。

新型コロナウイルス感染症の拡大を受けて自粛モードが続いている現在、行政書士の業務活動にはどのような影響が出ているのでしょうか。また、このような国の有事だからこそ、行政書士が大きく役割を果たす業務はあるのでしょうか。

この記事では、新型コロナウイルス禍にあって行政書士が務める役割について調べ、わかりやすくまとめていきます。

1 行政書士の業務と新型コロナウイルス

まず、現在の自粛ムードで縮小せざるを得ない行政書士の業務について挙げてみましょう。今回の全国的な外出自粛要請を受け、減益を余儀なくされている産業も多くなっています。行政書士の業務にも、影響があるのでしょうか。

(1)許認可申請業務が激減

行政書士の独占業務には、許認可申請があります。飲食店、建設会社、風俗業をはじめ、創業の許認可を役所に申請する業務ですが、この分野は新型コロナウイルス禍で大打撃を受けています。既に開業している人達が苦境に立たされているのに、ここで新たに開業する人はいません。人が集まることもとにかくできません。

このまま自粛ムードが続けば、相当数の廃業者が出てくる勢いです。許認可申請をメインでおこなう行政書士は、厳しい状況にあるでしょう。

(2)補助金申請業務は増えていく傾向

一方で、相続など民事を中心に扱う行政書士は、許認可専門ほど影響はないとも言われています。また、行政書士がおこなえる補助金申請は、現在苦境に立つ事業者の間に多くの需要があるはずです。

確認しておきますが、助成金や補助金には棲み分けがあります。一言で助成金といっても、報酬を得て申請代行をおこなうには、社労士(社会保険労務士)の独占業務を侵害しないようにしないといけません。簡単に言えば「厚生労働省の助成金は社労士、それ以外は行政書士」ですので覚えておきましょう。

厚生労働省からも、今回の新型コロナウイルス禍にまつわる助成金が設立されたり拡充されたりしています。行政書士は、厚生労働省以外の省庁の助成金が取り扱い業務となります。

2 行政書士がおこなえる業務支援とは?

厚生労働省以外の補助金と言えば、新型コロナウイルス禍以前は、以下のようなものが行政書士の取り扱い業務でした。

・ものづくり・商業・サービス革新補助金
・創業促進補助金
・経営改善計画策定事業補助金
・経営革新計画
・創造技術研究開発費補助金 など

現在は、新型コロナウイルス禍にまつわる新たな補助金も設立されてここに加わっています。

(1)日本行政書士会連合会が発表した行政書士による支援活動

令和2年4月8日、日本行政書士会連合会はホームページ上で、行政書士会・行政書士会員がおこなえる支援として以下の内容を発表しました。今般の新型コロナウイルス感染症の拡大を受けて、以下の業務をおこない支援する旨を表明したのです。

・各地方公共団体等の行政機関の事務の実施
・中小企業等支援に関する連携の覚書を締結している日本政策金融公庫(以下、日本公庫)が行う融資に関する業務等

1 生活支援として ・ 許認可等の有効期限が延長となっている場合の周知、手続における書類作成及び申請代理

・ 日本に在留する外国人の在留期間が延長となっている場合の周知、更新や変更手続における書類作成及び申請取次

・ 生活支援に関する助成金・補助金申請の代理や支援、申請に伴う権利義務又は事実証明に関する書類の作成等

2 事業者支援として ・ 経済産業省が実施している支援内容についての整理と紹介

・ 信用保証(制度融資を含む)を受けるための事業者へのサポート

・ 新型コロナウイルス感染症対策の各種融資申し込みについての書類取りまとめ等のサポート

※日本公庫と日本行政書士会連合会とがかねてから連携しているため、事業者が速やかに融資を受けられるよう日本公庫との橋渡しを行います。(例:新型コロナウイルス感染症特別貸付等の御案内)

・生産性革命推進事業における補助金申請の書類作成等のサポート

3 行政に対する支援 ・ (政府において検討されている)新型コロナウイルス感染拡大による減収世帯への現金給付やフリーランスを含む個人事業主への現金給付政策等

※申請窓口が地方公共団体になった場合その他の給付申請手続等において、無料電話相談等によるサポートを行う。

日本行政書士会連合会ホームページ資料より作表

(2)行政書士会による新型コロナウイルス感染症対応のための無料電話相談窓口

また、日本行政書士会連合会は令和2年4月21日付けで「行政書士会による新型コロナウイルス感染症対応のための無料電話相談窓口」の設置を発表しました。

相談内容は、資金繰り、補助金など事業者の資金面での悩みに対する公的融資制度や補助金制度等の紹介、国民の生活支援に関する相談、現金給付政策等へのサポートなどです。こちらは無料相談で、どなたでも電話して利用できます。

また、東京都の感染拡大防止協力金のように、各地域自治体が実施する補助金もあります。地域の行政書士会を窓口として、地域に根差して活動する行政書士が申請の案内をおこないます。

【新型コロナウイルス感染症対応のための無料電話相談窓口】

実施行政書士会 無料電話相談窓口一覧のとおり ※実施行政書士会については各会の状況に応じて追加・変更等、適宜更新。
期間 令和2年4月21日 ~

当面の間(予定)

※無料電話相談窓口一覧に記載の各期間にて実施予定。

※実施期間の変更・追加については適宜更新。

電話番号 無料電話相談窓口一覧参照 ※地域の行政書士会に繋がった後、担当行政書士相談員に繋ぐ。
相談費用 無料
相談受付内容 ・資金繰り、補助金など事業者の資金面での悩みに対する相談

・国民の生活支援、現金給付政策等に関する相談

3 行政書士が取り扱う新型コロナウイルス関連の補助金

次に、行政書士が申請業務をおこなえる補助金や貸付・融資について具体的に見ていきましょう。

(1)東京都 感染拡大防止協力金

こちらは休業要請対象となる施設に対する補償として、東京都がいちはやく自治体として打ち出した補助金です。東京都は政府の緊急事態宣言に続いて、最速で事業者に施設の使用停止や施設の休業等への協力を要請しました。

東京都は、この依頼に応じ休業等に全面的に協力する都内中小企業及び個人事業主に対して、以下の要綱で「東京都感染拡大防止協力金」を支給します(返済義務はありません)。

支給額 50万円(2事業所以上で休業等に取り組む事業者は100万円)
申請方法 専門家による申請要件や
添付書類の確認
※事前確認を行う専門家に行政書士が加わりました。

・東京都内の青色申告会
・税理士
・公認会計士
・中小企業診断士
・行政書士(4/27追加)

申請書類の提出 ・オンライン
・郵送
・持参

①の「専門家による申請要件や添付書類の確認」をおこなう専門家に、4月27日付けで行政書士も追加されました。

この確認制度は、専門家が申請要件を満たしているか、添付書類が十分かなどを事前に確認することで、申請者への手戻りを減らし円滑な支給をおこなうことが目的です。

専門家による事前確認はなくても申請可能ですが、追加書類の提出が必要だったり、確認の連絡をしたりで、支給まで時間がかかる可能性も生じます。東京都は、申請前に一旦専門家の確認を受けることを推奨しています。

なお申請要件、申請書類の入手については、こちらをご覧ください。

(2)持続化給付金

こちらは経済産業省からの補助金ですので、行政書士が申請業務を取り扱えます。

持続化給付金は、新型コロナウイルス感染症の拡大により特に大きな影響を受けている事業者に対して支給されるもので、「事業の継続を支え、再起の糧となる、事業全般に広く使える」給付金です。また、借入ではないので返済義務はありません。

商工業に限らず幅広い業種が対象となり、農業、漁業、製造業、飲食業、小売業、作家・俳優業などで事業収入(売上)を得ている法人・個人がそれに該当します。本給付金は売上が減少した事業者のみが対象です。計算式がありますので、支給対象になるか事前に確認が必要です。

給付額 法人は200万円

個人事業者は100万円

※ただし、昨年1年間の売上からの減少分を上限とする。
売上減少分の計算方法 前年の総売上(事業収入) – (前年同月比▲50%月の売上×12ヶ月)
給付対象の主な要件

※商工業に限らず、以下を満たす幅広い業種が対象

(1)新型コロナウイルス感染症の影響により、ひと月の売上が前年同月比で50%以上減少している事業者。
(2)2019年以前から事業による事業収入(売上)を得ており、今後も事業を継続する意思がある事業者。
(3)法人の場合は、

①資本金の額又は出資の総額が10億円未満、又は、
②上記の定めがない場合、常時使用する従業員の数が2000人以下

である事業者。

※2019年に創業、売上が一定期間に偏在などの場合特例あり。
※一度給付を受けた方は、再度給付申請することはできない。

申請に必要な書類 (1)2019年(法人は前事業年度)確定申告書類
(2)売上減少となった月の売上台帳の写し
(3)通帳写し
(4)(個人事業者)
身分証明書写し
運転免許証、マイナンバーカード、住民基本台帳カード、在留カード、特別永住権証明書、外国人登録証明書

詳しくはこちらをご覧ください。

(3)小規模事業者持続化補助金<コロナ特別対応型>

小規模事業者持続化補助金には、例年、日本商工会議所が新型コロナウイルス禍と関係なく募集している一般型もありますが、本記事では新型コロナ特別対応型の小規模事業者持続化補助金を紹介します。本制度の詳細については、行政法人 中小企業基盤整備機構ホームページで適宜更新されています。

補助概要 ・新型コロナウイルス感染症の影響を乗り越えるための対策に取り組む小規模事業者等(注1~4)を支援。

・対策とは具体的には、サプライチェーンの毀損への対応、非対面型ビジネスモデルへの転換、テレワーク環境の整備など。

・まず地域の商工会または商工会議所の助言等を受けて、経営計画を作成。

・その計画に沿って地道な販路開拓等に取り組む費用の2/3を補助。

補助上限額 100万円
受付期間 第1回:2020年5月15日(金)

第2回:2020年6月5日(金)

※第2回受付締切以降も、複数回の締切を設ける予定。

(注1)小規模事業者とは「製造業その他の業種に属する事業を主たる事業として営む商工業者(会社<企業組合・協業組合を含む>および個人事業主)」であり、常時使用する従業員の数が20人以下(商業・サービス業(宿泊業・娯楽業を除く)に属する事業を主たる事業として営む者については5人以下)の事業者。

詳しくはこちらでご確認ください。

3 行政書士が取り扱う新型コロナウイルス関連の資金繰り

前述の通り、行政書士は電話無料相談で融資についての相談も受け付けます。そもそも日本行政書士会連合会は、かねてから日本公庫と連携しているため、行政書士に融資申請を依頼するメリットは大きいのです。

(1)行政書士に融資申請を依頼するメリットとは

融資申請を行政書士に依頼することのメリットは、こんなにもあります。

①審査に通りやすい
②融資額が大きくなりやすい
③融資の条件が良くなる
④行政書士が書類作成や手続きを代行してくれる

(2) 新型コロナウイルス禍対策で準備された貸付・融資

経済産業省によると、新型コロナウイルス禍で業績悪化に陥った企業のために、これだけの貸付、融資が準備されています。これらの利用に関する相談も、前述の無料電話相談で受けることができます。

【資金繰り 支援内容一覧】

民間の信用保証付き融資 ・セーフティネット保証4号・5号
・危機関連保証
・信用保証付き融資における保証料・利子減免
政府系融資/一般 ・新型コロナウイルス特別貸付
・商工中金による危機対応融資
・新型コロナウイルス対策マル経融資
・特別利子補給制度(実質無利子)
・セーフティネット貸付の要件緩和
政府系融資/生活衛生関係 ・融資制度一覧
・生活衛生新型コロナウイルス特別貸付
・新型コロナウイルス対策衛経融資
・特別利子補給制度(実質無利子)
・衛生環境激変対策特別貸付
借換/リスケ/配慮要請 ・日本公庫等の既往債務の借換
・新型コロナ特例リスケジュール
・金融機関等への配慮要請

経済産業省資料を基に作表

(3)新型コロナウイルス感染症特別貸付

数ある資金繰りのなかでも、行政書士会と連携のある日本公庫の融資は、行政書士に依頼すると手続きが進みやすいため本記事で紹介します。

【新型コロナウイルス感染症特別貸付】

特長 新型コロナウイルス感染症特別貸付に特別利子補給制度を併用することで実質的な無利子化を実現。信用力や担保に依らない。
金利 一律金利とし、融資後の3年間まで0.9%の金利引き下げを実施。据置期間は最長5年。
融資対象 新型コロナウイルス感染症の影響を受けて一時的な業況悪化を来たし、次の①か②のいずれかに該当する方。

①最近1ヶ月の売上高が前年又は前々年の同期と比較して5%以上減少。
②業歴3ヶ月以上1年1ヶ月未満の場合、または店舗増加や合併、業種の転換

など、売上増加に直結する設備投資や雇用等の拡大を行っている企業(ベンチャー・スタートアップ企業を含む。)など、前年(前々年)同期と単純に比較できない場合等は、最近1ヶ月の売上高が、3つの数値(省略)と比較して5%以上減少している。

資金の使いみち 運転資金、設備資金
貸付期間 設備20年以内、運転15年以内 うち据置期間5年以内
融資限度額(別枠) 中小事業3億円、国民事業6,000万円
金利 当初3年間 基準金利▲0.9%、4年目以降基準金利

中小事業1.11%→0.21%、国民事業1.36%→0.46%

詳しくはこちらをご覧ください。

4 在留期間更新許可申請等

行政書士法の業務といえば、在留資格やビザ関係があります。行政書士の独占業務である「官公署に提出する書類および事実証明・権利義務に関する書類の作成代理」には、以下のような外国人を相手にする業務が含まれます。行政書士のなかには、このような在留資格などを専門におこなう方も多いです。

・在留期間更新許可申請書
・帰化申請書
・永住許可申請書
・国籍取得届

今回の新型コロナウイルス感染拡大防止対策では、海外からの出入国の規制もその一つとなりました。終息までは、新型コロナウイルス禍以前のように海外に自由に行き来する時代は戻ってこないでしょう。

既に日本に住んでいる外国人に対しても、新型コロナウイルス感染拡大の影響は及んでいます。今はとにかく“密”を避けなければいけないため、在留期間更新の受付期間延長などの猶予が与えられました。

(1)申請受付期間及び申請に係る審査結果の受領(在留カードの交付等)期間の延長について

令和2年4月27日、出入国在留管理庁はホームページで、新型コロナウイルス感染拡大の影響を受け申請受付期間及び申請に係る在留カードの交付期間の延長することを発表しました。

申請受付期間の延長 感染拡大を防止する観点から、在留資格変更許可申請及び在留期間更新許可申請等については、当該外国人の在留期間満了日から3か月後まで受け付ける。

3~6月中に在留期間の満了日(注)を迎える在留外国人(特定活動で在留する外国人を除く)が対象。

(注)本邦で出生した方など3~6月中に在留資格の取得申請をしなければならない方を含みます。
審査結果の受領期間の延長 在留資格変更許可申請及び在留期間更新許可申請を既に行っている在留カードを持つ方(中長期在留者)は、審査結果の受領(在留カードの交付等)を3か月延長(通常は在留期間の満了日から2か月後まで)。
4月27日変更点 審査結果を受領(在留カードの交付等)できる期間を3か月延長。 (注)在留期間の満了日以降は,再入国許可又はみなし再入国許可により出国することができない。

(2)在留期間の更新と変更にその他の変更点

また法務省からも、「新型コロナウイルス感染症に関する情報」としてホームページ上で発表がありました。

海外にいるため在留カードの受け取りができない人は、日本にいる親族や会社の従業員などが代わりに受け取ることが可能ですが(それ用の特別な委任状を作成の上)、行政書士もこれを代行できます。

在留期間の更新と変更について 2020年3~6月末までが在留期限になっている人については、期間満了日から3か月後まで在留期間の更新や変更申請を受け付ける。

ただし、本来の在留期限を過ぎるとオーバーステイ状態になるため、そのままの状態で日本から出国することは困難。まずは出入国在留管理局へ出向き、在留期間の更新許可を受けてから出国すること。

許可後の在留カードの受け取りについて 在留カードの受け取りは本来は入管の窓口へ行く必要あり。ただし今は郵便でも受け取りが可能。
海外にいるため在留カードを受け取ることができない場合 在留期間の更新や変更申請を行ってから日本を出国し、日本への再入国ができなくなった方は、許可後の在留カードの受け取りは、日本にいる親族や働いている会社の従業員の方などが代わりに受け取ることが可能に。

その場合、特別な委任状が必要になる。行政書士でも代わりに受け取ることが可能。

オンラインでの在留申請について オンラインによる申請が可能となった手続き:

・在留期間の更新
・在留資格の変更

5 サマリー

新型コロナウイルス禍において、行政書士は、非常に緊急性が高く、それがなくては依頼者が路頭に迷ってしまうものを取り扱うことがわかります。

これらの業務に関しては、「行政書士に依頼すれば助けてもらえる」という世の中の認知度も、もっと高まることを願います。

6 まとめ

・厚生労働省の助成金申請は社労士の独占業務だが、それ以外は行政書士がおこなえる。

・日本行政書士会連合会はホームページ上で、行政書士会・行政書士会員がおこなえる支援を発表した。

・日本行政書士会連合会は「行政書士会による新型コロナウイルス感染症対応のための無料電話相談窓口」の設置を発表した。

・相談できる内容は、資金繰り・補助金など事業者の資金面での悩み、国民の生活支援などである。

・行政書士が取り扱う補助金には、感染拡大防止協力金、持続化給付金、小規模事業者持続化補助金<コロナ特別対応型>などがある。

・新型コロナウイルス感染症特別貸付は、日本公庫の融資のため行政書士に依頼すれば手続きが進みやすい。

・在留期間更新の申請業務はの受付期間延長などの猶予が与えられた。

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