行政書士試験は、受験資格がなく、誰でも受けられる試験なので、毎年多くの方が受験し、多くの合格者が出ています。
ただ、行政書士は具体的にどういった仕事なのか、また行政書士試験の試験科目や配点など、気になる方もいると思います。
この記事では、行政書士試験の試験科目や配点について解説するので、是非参考にしてくださいね。
目次
1 行政書士試験とは
まず、気になる行政書士についてですが、
「行政書士」とは、
行政書士とは、わかりやすくいえば「行政手続きのプロフェッショナル」「書類作成のプロフェッショナル」です。
“市民にとって最も身近な町の法律家”
などといわれており、ビジネスシーンなどで関わったことのある方もいらっしゃるのではないでしょうか。起業時のサポートはもちろんのこと、起業後においても円滑な運営を進めていくためには、国(行政)に対して多種多様な申請が都度必要になることも少なくありません。しかしながら、煩雑な事務手続きに苦戦するケースは珍しいことではありません。
基本的には、書面を通して申請を行いますが、日本国内における手続き書類の種類は全部で1万種類を超えるといわれています。
社長や経営陣のトップらは自分たちが行うべきビジネスを全うする使命があるため、煩雑かつ専門知識を必要とする事務手続きを一手に引き受けるのが「行政書士」の役割です。
また、ビジネスシーンだけではなく個人を相手とする業務も行います。
例えば、相続の手続きや金銭消費貸借の契約書・示談書などを作成するケースなどが挙げられます。やはり、このようなケースでも専門知識が不可欠ですので、迅速かつ適切な書類作成や申請には行政書士のサポートが功を奏します。
令和3年10月1日現在、およそ50,000人ほどの行政書士会員がさまざまな幅広い分野で活躍しています(参照:行政書士連合会「単位会所在地・会員数等」)。
そして、行政書士試験は、このような行政書士の仕事を行う資格を得るための試験になります。
平成12年4月に「行政書士試験研究センター」が設立され、同センターは指定試験機関として、試験制度についての調査研究と年一回の試験を実施しています。
2 行政書士試験の合格基準
行政書士試験の合格には次の要件を満たす必要があります。
①行政書士の業務に関し必要な法令等科目の得点が、満点の50パーセント以上である者
②行政書士の業務に関連する一般知識等科目の得点が、満点の40パーセント以上である者
③試験全体の得点が、満点の60パーセント以上である者
※合格基準については、試験問題の難易度を評価して「補正的措置」を加えることがあります。受験者の正答率等から、その年度の試験問題の難易度が過去と比較して著しく変動していると認められた場合に、合格基準(合格基準点)を見直すことによって、過去の試験問題の難易度との均衡を図る措置です。
出典:行政書士試験研究センター
参考に、令和3年度行政書士試験の合格基準点は以下のとおりでした。
次の要件のいずれも満たした者を合格とする。
(1) 行政書士の業務に関し必要な法令等科目の得点が、122点以上である者
(2) 行政書士の業務に関連する一般知識等科目の得点が、24点以上である者
(3) 試験全体の得点が、180点以上である者
出典:行政書士試験研究センター
3 行政書士試験の試験科目
(1) 出題形式について
行政書士試験は、択一式と記述式の2種類の出題形式から出題されます。
記述式については、40字程度の記述が求められます。
試験科目と配点については以下のようになります。
試験科目 | 出題形式 | 出題数 | 満点 | |
---|---|---|---|---|
行政書士の業務に関し必要な法令等 | 択一式 | 5肢択一式 | 40問 | 160点 |
多肢択一式 | 3問 | 24点 | ||
記述式 | 3問 | 60点 | ||
計 | 46問 | 244点 | ||
行政書士の業務に関連する一般知識等 | 択一式 | 5肢択一式 | 14問 | 56点 |
合計 | 60問 | 300点 |
出典:行政書士試験研究センター
試験科目については、大きく「行政書士の業務に関し必要な法令等」と「行政書士の業務に関連する一般知識等」の2種類に分かれます。
次の項目で、それぞれ具体的に解説します。
(2) 法令科目について
「行政書士の業務に関し必要な法令等」からは、46問出題されます。
法令科目からは、憲法、行政法(行政法の一般的な法理論、行政手続法、行政不服審査法、行政事件訴訟法、国家賠償法及び地方自治法を中心とする。)、民法、商法及び基礎法学の中からそれぞれ出題されます。
各科目の具体的な問題数と配点割合は以下のとおりです。
出題形式 | 科目 | 問題数 | 配点 | |
法令等 | 5肢択一式 | 基礎法学 | 2問 | 8点 |
憲法 | 5問 | 20点 | ||
行政法 | 19問 | 76点 | ||
民法 | 9問 | 36点 | ||
商法・会社法 | 5問 | 20点 | ||
多肢選択式 | 憲法 | 1問 | 8点 | |
行政法 | 2問 | 16点 | ||
記述式 | 行政法 | 1問 | 20点 | |
民法 | 2問 | 40点 | ||
合計 | 46問 | 244点 |
(3) 一般知識について
「行政書士の業務に関連する一般知識等」からは、14問出題されます。(令和3年実績)
一般知識からは、政治・経済・社会、情報通信・個人情報保護、文章理解が出題されます。
各科目の具体的な問題数と配点割合は以下のとおりです。
出題形式 | 科目 | 問題数 | 配点 | |
一般知識 | 5肢択一式 | 政治・経済・社会 | 8問 | 32点 |
情報通信・個人情報保護 | 3問 | 12点 | ||
文章理解 | 3問 | 12点 | ||
合計 | 14問 | 56点 |
4 資格スクエアからついに行政書士講座が開講!
完全オンライン予備校である「資格スクエア」では、近日、行政書士講座が開講されます。
この行政書士講座の講師は、「森T」でおなじみの、森広志先生になります。
森先生は、講師歴20年を超える、大ベテランの先生です。
行政書士講座は、「4カ月で合格を目指す」特別カリキュラムとなっており、短期集中型の講座となります。
森先生の講座は、「明るく、楽しく、わかりやすく」をモットーにし、一切の無駄を省いた学習カリキュラムを提供してくれるので、今年合格したい!という方にとっておすすめの講座です。
行政書士の勉強を始めたものの、なかなか思うように進まない方や、短期で今年合格したいという方は、是非資格スクエアの行政書士講座を受講してみてくださいね。
5 サマリー
行政書士は、身近な法律家として、様々なシーンで活躍することのできる魅力的な職業で、行政書士試験の受験資格もないので、手軽に受験できる試験です。是非挑戦してみてください!
6 まとめ
- 行政書士は、「行政手続きのプロフェッショナル」「書類作成のプロフェッショナル」
- 行政書士試験の合格基準は、①行政書士の業務に関し必要な法令等科目の得点が、満点の50パーセント以上である者、②行政書士の業務に関連する一般知識等科目の得点が、満点の40パーセント以上である者、③試験全体の得点が、満点の60パーセント以上である者
- 行政書士試験は、択一式と記述式の2種類の出題形式からなっている
- 行政書士試験の試験科目は、「行政書士の業務に関し必要な法令等」(憲法、行政法、民法、商法及び基礎法学)と「行政書士の業務に関連する一般知識等」(政治・経済・社会、情報通信・個人情報保護、文章理解)
- 資格スクエアでは、2022年6月下旬より、「森T」こと、森広志先生による行政書士講座が開講される