行政書士になるには?行政書士の仕事内容やキャリアもご紹介

行政書士になるには?行政書士の仕事内容やキャリアもご紹介

近年、許認可や助成金など官公署に提出する書類が増えており、書類の作成や手続きの代行を行う行政書士は人気の資格です。行政書士になるには行政書士試験に合格するのが一般的ですが、ほかにもいくつかなり方があります。

本記事では、行政書士になるための方法・行政書士になった後のキャリアについてまとめました。行政書士を目指そうか検討している方は、是非本記事をご覧ください。

1 行政書士とは

行政書士とは、簡単に説明すると

「行政手続きのプロフェッショナル」

「書類作成のプロフェッショナル」

です。

ビジネスを始めたり進めたりするにあたって、国(行政)に対して多種多様な申請が都度必要になってきます。
基本的には書面を通して申請を行いますが、日本国内における手続き書類の種類は全部で1万種類を超える量です。

社長や経営陣のトップらは自分たちが行うべきビジネスを全うする使命があるため、代わりにそれらの事務手続きを一手に引き受けるのが「行政書士」の役割です。

また、対法人だけではなく民間人を相手に仕事もします。

例えば、相続の手続きや金銭消費貸借の契約書・示談書などを作成するのも行政書士が必要となります。

企業から民間人相手まで、様々な顧客と取引を行う仕事を担っています。
詳しい業務の内容については 4 行政書士の主な業務内容 を参考にしてください。

2 行政書士のなり方

行政書士のなり方は、全部で3通りあります。

(1) 行政書士試験に合格する

行政書士試験のなり方で最も一般的なのは、行政書士試験に合格することです。

行政書士になるには、主に

①行政書士試験に合格する

②一定期間公務員としての勤務を経験する

③弁護士・弁理士・公認会計士・税理士のいずれかの国家資格を取得するという方法があります。
※②、③については後述します。

試験に合格後、行政書士登録を行うことで行政書士になれます。

(2) 弁護士・弁理士・公認会計士・税理士の資格を取得する

弁護士・弁理士・公認会計士・税理士のいずれかの国家資格を取得していると、行政書士試験を受けることなく行政書士になれます。とくに税理士は行政書士と相性がよく、税理士と行政書士のダブルライセンスという人も多いです。この場合も、行政書士登録は必要です

(3) 国家公務員または地方公務員として17~20年勤務する

公務員として20年(高卒者は17年)以上勤務した人は、行政書士試験を受けることなく行政書士資格を取得できます。公務員として行政に長年携わった経験があるため十分な知識・経験があるとされるためです。他の方法同様、行政書士になるには行政書士登録が必要です。

 

3 行政書士試験の難易度は?

行政書士試験とはどんな試験か、概要や学習方法をご紹介します。

(1) 行政書士試験の概要

行政書士試験に受験資格はありません学歴や年齢に関係なく受験できます

試験科目は法令科目(憲法・民法・行政法・商法・会社法)と一般教養(政治経済・情報通信・個人情報保護・文章理解)の2部構成です。

受験資格に年齢制限はありませんが、行政書士に登録できるのは20歳からです。

受験手数料は7,000円、試験ではマークシート方式と記述式の問題が出題されます。

(2) 勉強方法は3通り(独学・通信・通学)

行政書士試験の勉強方法は独学・通信・通学の3通りあります。

独学は費用がかからず自分のペースで学習できるというメリットありますが、学習が効率的に進まない、挫折しやすいといったデメリットがあります。

通信は発送された教材やオンライン講座を利用して学習する方法です。受講料が必要になりますが通学に比べ安価です。こちらも自分のペースで学習できますが、ダラダラしてしまうと独学と同じ状況になってしまうというデメリットがあります。

通学は予備校等に通って学習する方法です。勉強のペースを強制的につくってくれます。費用が高額で、通学に時間や交通費がかかるのはデメリットです。

自分の生活リズムに合った勉強法を選びたいですね。

4 行政書士の主な業務内容

続いて、行政書士がどんな仕事をしているのか、その業務内容を詳しくご紹介します。

(1) 書類作成

行政書士の取り扱う書類は1万種類以上ともいわれており、さまざまな分野で業務を担うことができます。

① 官公署へ提出する書類

建設業許可、風俗営業許可や在留資格など各種許認可申請に関する書類を作成します官公署へ提出する書類は難解で、ひとつの手続きの中で提出する書類は申請書類や添付書類など数多くあります。これをクライアントが自分でやろうとすると大きな負担となるため、行政書士は専門知識に基づき、官公署へ提出する書類作成を代行します。

② 権利義務に関する書類

契約書、遺産分割協議書や示談書など、権利・義務を発生させる書類を作成します契約書であれば売買・賃貸借など、遺産分割協議書であれば相続など、それぞれの分野の法律知識が求められる仕事です。

③ 事実証明に関する書類

株主総会議事録、実地調査に基づく図面や会計帳簿など、事実を証明する書類を作成します議事録であればその後の登記など、将来必要になる手続きを意識しつつ作成することが求められるケースが多いです。

(2) 相談業務

行政書士として許されている範囲の相談業務(例えば各種許認可の申請に関する相談や文書作成に必要な範囲内の相談)に乗ることもあります。クライアントの満足のいく答えを提示するだけでなく、円滑なコミュニケーションも求められます。

5 行政書士に向いている人の特徴4選

行政書士はその取り扱う業務の内容上、向き不向きがあります。ここでは行政書士に向いている人の4つの特徴をご紹介します。

(1) 知的好奇心が豊富

前述の通り、行政書士が取り扱える書類は1万種類以上といわれています。未知の書類に遭遇することは日常茶飯事ですし、法改正の影響で手続きが変更されることもあります。専門家であるからには、こういった事態にも知識を吸収し対応していかなければなりません。そのため、積極的に学びたいという知的好奇心が豊富な人は行政書士に向いているといえます。

(2) コミュニケーション能力が高い

クライアントは専門知識をもっておらず、漠然として悩みを持ち込むことが多いです。その際、クライアントの話をよく聴き、自分の考えた答えを専門知識が無い人にもわかりやすく伝える能力が求められます。

クライアントを獲得し円滑な人間関係を形成するうえでも、コミュニケーション能力は必須のスキルです。

(3) 事務処理能力が高い

行政書士が取り扱う書類には煩雑なものが多く、とくに官公署へ提出書類では細かい部分までチェックしなければなりません。スピーディに事務処理できる能力は、行政書士としての仕事で大きな武器になります。

(4) 営業力が高い

行政書士の収入はクライアントの数で決まるといっても過言ではありません。クライアントを獲得できなければ収入を得られないため、開業直後はもちろん、軌道に乗った後も新規開拓は必要です。営業力は競争の激しい業界を生き残っていくためにも必要な能力です。

6 行政書士の収入

行政書士の平均年収は約600万円といわれています。しかし、中には数千万円~1億円以上の年収がある人もいるので、平均は全体的に引き上げられています。一般的な給与は600万円を下回るでしょう。行政書士の収入は個人差が激しいようです。

▼こちらの記事も合わせてご覧ください。
行政書士は「稼げない」?業務内容・平均年収・給料を徹底解説

7 行政書士になった後の進路や求人

続いて、行政書士になった後にどのような働き方があるのかご紹介します。

(1) 独立開業

行政書士の働き方として最も一般的なのは、個人事務所を立ち上げ独立開業することです。行政書士へ登録後すぐに開業できます。他の行政書士事務所で事務員として経験を積んだ後や行政書士法人で勤めた後に独立するというケースもあります。もっとも行政書士をターゲットにした求人は少ないので、自分で開業せざるをえないというケースもあるようです。

(2) 行政書士法人へ就職

行政書士が複数集まる行政書士法人へ就職するというケースもあります。行政書士法人であれば行政書士として登録して働くことができます。もっとも、行政書士法人の求人は多いとはいえないので、就職できるかは運によるところも大きいです。

(3) 企業へ就職

企業の法務部門などに勤務する働き方です。行政書士としてではなく、あくまでその企業の社員として働くこととなります。

行政書士へ登録せずとも、資格を有していれば知識があることを証明できるので、行政書士試験に合格したものの行政書士登録はせず一般の企業へ就職・転職するというケースも多いです。

また、法律事務所や会計事務所など他資格の事務所に就職し、行政書士業務を担当するというケースもあります。

8 サマリー

職域が広がり人気の行政書士ですが、行政書士のなり方は試験だけではありません。行政書士の取り扱う書類は1万種類を超え、専門知識を用いてクライアントをサポートするやりがいのある仕事です。もっとも、行政書士として生き残っていくためには知識を深めるための勉強やクライアントを獲得するための努力が必要です。

9 まとめ

  • 行政書士のなり方には試験に合格、公務員として一定期間勤務する、特定の他資格を取得する方法の3パターンがある
  • 行政書士試験は誰でも受験でき、勉強方法は独学・通信・通学の3種類
  • 行政書士の主な職務内容は書類作成業務と相談業務
  • 行政書士には知的好奇心、コミュニケーション能力、事務処理能力、営業力が求められる
  • 行政書士の平均年収は600万円だが個人差が大きく、数千万円以上稼ぐ人もいれば全く稼げない人もいる
  • 行政書士の主な働き方は開業・行政書士法人への就職・企業への就職の3つ。開業が一般的

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