賃貸不動産経営管理士の資格を取りたいと考えている人や、既に勉強を始めている人にとって、関心があるのは試験の難易度ではないでしょうか。
他の不動産業務関連資格と比べてどのようになっているのか、分析してみます。
目次
1 賃貸不動産経営管理士試験の難易度はそれほど高くない
賃貸不動産経営管理士に合格するための難易度は、それほど高いものではない、というのが分析結果です。理由を示します。
理由①公式テキストがある
賃貸不動産経営管理士の試験については、「賃貸不動産管理の知識と実務」という公式テキストが発行されています。そのため、この公式テキストに書かれている内容を理解して覚えていれば、合格することが可能だからです。
公式テキストは、試験範囲を限定しているとも捉えることができます。業務における分野から幅広く問う形で、民法など法律名だけの記載にとどまる資格試験もあります。
こうした資格試験と比べて、試験で問われる内容がきちんと決められているというのは、勉強方法が間違ってしまうおそれも少ないですし、きちんと勉強すれば合格することができる資格試験だといえるからです。
理由②問題が基本的な知識を問う形になっている
今後どうなるか分からないですが、賃貸不動産経営管理士の試験問題をみると、基本的な知識を問うような出題になっていることが分かります。公式テキストの記述そのままの問題も見られます。
こうした出題形式の場合は、引っかけ問題ではないため、緊張感からミスをして、正答にたどり着けないというリスクはほとんどないでしょう。
理由③選択肢が4択
選択肢が多くなると、引っかけの問題や迷う問題も多くなり、合格するための点を取るのが難しくなってしまいがちです。しかし、賃貸不動産経営管理士の試験は4択です。他の資格試験は5択以上の場合が多いですので、そういった資格試験と比べても合格の難しさは抑えられているといえます。
理由④7割の得点で合格
賃貸不動産経営管理士の試験に合格するためには、定められた合格点に達しなければなりません。合格点は毎年異なりますが、約7割の点数になっています。そのため、知識を身につけて7割以上取れれば、合格できるといえます。
賃貸不動産経営管理士試験 結果統計より作表
理由⑤合格率が4割近い
賃貸不動産経営管理士試験 結果統計より作表
賃貸不動産経営管理士の合格率は、年々下がっています。ここ数年は50〜60%程度でしたが、令和元年度は36.8%まで大きく落ち込みました。とは言え、同じ不動産業務関連資格の宅建士の場合は平均15%程度ですので、それと比較すれば高い合格率であるといえます。
2 目指すならできるだけ早めのスタートを
賃貸不動産経営管理士試験の難易度は、比較的低めであるといえます。
しかし、近年人気が高まっている資格ですので、受験者数が急増しており、合格率が下がってきているのも客観的な事実です。資格が有名になるにつれて、とりあえず受けてみようと勉強せずに受けてみるいわゆる記念受験のような人も増えてきますので、合格率が下がり気味になる場合も多いのです。そのため、賃貸不動産経営管理士の試験が合格率の低下をもって、即「難易度が上がった」とみなすのは難しいです。
ただ、今後、ますます受験者が増えてくれば、問題が難しくなったり、合格点が高めに設定されたりする可能性もあります。
賃貸不動産経営管理士の資格を取りたいと考えている人は、なるべく早く勉強を開始し、難易度が上がる前に、合格してしまうのがおすすめです。
3 まとめ
賃貸不動産経営管理士の試験は、年々人気が高まっています。現在の難易度は、勉強をして、合格に必要な知識を身につけることで、合格することは可能になっており、それほど高くないといえます。
賃貸不動産経営管理士の資格を考えている人は、ぜひ早めにスタートしてしまいましょう。