「外国人に保障される自由と行政の裁量」~予備試験・司法試験のためのおはなし~

「外国人に保障される自由と行政の裁量」~予備試験・司法試験のためのおはなし~

予備試験・司法試験で外国人の人権を考える際にはまず、権利の性質上日本国民のみを対象としていると解されるものを除き、わが国に在留する外国人にも等しく及ぶもの(性質説)と考えるところから始めます。
では、この性質説を前提として、どの基本的人権が性質上外国人に保障されるのでしょうか。

外国人の事由・権利

前回みた判例でも出てきましたが、外国人の自由・権利と相対することが多いのは行政の裁量です。
この裁量をどこまで縛るべきか、そして当該自由を外国人にどこまで保障すべきかの考慮が必要となります。

一般的には、

《外国人に保障される人権》

・幸福追求権および平等権・精神的自由権(ただし、政治活動の自由は制限があります)
・経済的自由権・財産権
・人身の自由
・裁判を受ける権利、請願権、国家賠償請求権、刑事補償請求権

《外国人に保障されない人権》

・入国の自由、再入国の自由(理由)国際慣習法
・選挙権・被選挙権(理由)国家意思の形成は日本国民の固有の権利であるためです(国民主権)。ただし、地方レベルの選挙権を法律で付与することは許されます(判例)。
・公務就任権(理由)公権力の行使・国家意思の形成は日本国民のみ(国民主権)です。ただし、非権力的職務は許されます(通説)。
・社会権(理由)社会権は国家の存在を前提とします。生存権は各人の所属する国家によって保障されるべきものだからです。
・亡命権、国籍離脱の自由

となります。

二つの違い

大まかな覚え方として、精神的自由など国家を前提とするものではないもの、経済的自由権などの自由権で国家に要求しない権利といえるものは、性質上保障が及ぶと考えられます。

これに対して、参政権、国務請求権など国民主権に係る権利については原則的に日本国民のみに保障されます。
また、入国・再入国の自由など国防の観点から行政の裁量が強いものに関しても外国人には保障されないことになります。

予備試験・司法試験の短答問題で問われても分かるようにしておきましょう。

司法試験カテゴリの最新記事