解除の効果~履行利益の損害賠償~

解除の効果~履行利益の損害賠償~

司法書士試験に出題される民法では、債権について定められています。

契約解除の効果は無効・取消しと同様に遡及が認められていますが、効果の内容は無効や取消しよりも厳しいものになっています。
これは、解除がなされているということはつまり債務不履行で契約相手に迷惑をかけていることが理由であり、現存利益だけでは足りないため、原状回復義務や受領時からの利息支払が求められるのです。

履行利益の損害賠償

民法545条第3項では「解除権の行使は、損害賠償の請求を妨げない。」としています。
しかし不当利得を規定する703条には損害賠償の記述がなく、その上415条の債務不履行による損害賠償の規定を使おうとしても解除は遡及効が認められているため、契約関係が既に切れていることになっているので使えません。
不履行とはあくまで契約上の責任であり、契約上のトラブルについて定めた415条は適用出来ないのです。

このままでは、条文が何もないせいで解除の際に使える損害賠償請求の根拠が無いままであり、迷惑を被った者としては喜ばしくない事態です。
そのため、545条第3項が解除後の損害賠償請求の根拠として存在し、解除の遡及効を損害賠償請求によって制限しているのです。
本来、契約状態から他人に戻った場合には損害賠償請求をするなどということは不可能ですし、無効や取消しでは出来ません。
しかし解除により、契約関係にあった人たちは他人に戻るのですが、損害賠償請求に関しては他人ではなく契約関係のまま、415条の責任が消えない状態を維持します。
そして、契約解除前に不利益を被った場合は415条と同じ「履行利益」の損害賠償請求が出来るということになります。

これが判例による直接効果説の考え方です。
実際、裁判所が採用しているのはこの考え方ですから、司法書士試験ではこれを理解していることが求められます。
なぜ契約の解除の効果が無効や取消しよりも厳しいのか、どのような効果であるのかをしっかり押さえておきましょう。

 

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