催告権と取消権~追認に対しる相手方の権利

催告権と取消権~追認に対しる相手方の権利

司法書士試験に出題される民法第1編の総則では、代理について定められています。
代理は本人・代理人・相手方による三面関係を生み出すシステムで、「代理権」「顕名」「代理人と相手方の間の法律行為」という3つが法律要件です。

無権代理は一応無効とされているものですが、本人が相手方に対して追認すれば有効にもなり得ます。
この部分を理解するには、本人・相手方どちらのことも考慮することが必要です。

催告権と取消権

無権代理行為が不確定無効である理由は、本人が追認するかどうかが本人に任せられているというところにあります。
しかしこれでは相手方の立場が危ういでしょう。
表見代理などという面倒な問題に巻き込まれたくない、かといってこのまま放っておくといつ本人が追認するかどうかわからない……という大変不安定な状況に陥ってしまいます。
本人に追認の自由がある不確定無効では、相手方からすれば「一応無効、でも本人の気まぐれしだいで有効にされてしまうかもしれない」事態なのです。

そこで相手方に与えられているのが「催告権」と「取消権」です。
催告権は民法114条『無権代理の相手方の催告権』で「前条の場合において、相手方は、本人に対し、相当の期間を定めて、その期間内に追認をするかどうかを確答すべき旨の催告をすることができる。この場合において、本人がその期間内に確答をしないときは、追認を拒絶したものとみなす。」と定められています。
これは相手方から本人に追認するかどうかを聞ける権利で、勿論聞くだけならわざわざ権利などいらないのですが、催告権による質問であれば、本人が返事をしない場合には「追認拒絶」とみなされるという法律効果を持っています。

また、無権代理人とも本人ともさっさと縁を切って他の買主と契約を結びたい、という時には取消権を行使し、本人の追認を出来なくすることも可能です。
取消権は115条『無権代理の相手方の催告権』で規定されている、「代理権を有しない者がした契約は、本人が追認をしない間は、相手方が取り消すことができる。ただし、契約の時において代理権を有しないことを相手方が知っていたときは、この限りでない。」という権利です。
取消権が認められるのは追認の意思表示を知らない間ですから、本人が追認の意思表示を無権代理人にしたとしても、相手方はそれを知らないため取消権を行使出来ます。
追認や拒絶は相手方に対してでないといけない、という民法113条2項の規定はこのためにあるのです。

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