物権とは~当事者と第三者~

物権とは~当事者と第三者~

司法書士試験に出題される民法は、総則を除くと財産法と家族法に分けられます。
財産法は物権と債権から成り立っており、両者の違いを見抜くことが本質の理解に繋がるでしょう。

物権とは

では、まず物権の定義を見てみましょう。
物権とは一般的に「物に対する権利」、「物に対する排他的な支配権」として扱われます。

Aさんが、自分の所有する時計をBさんに売ったとします。
この時AさんとBさんの間で売買契約が締結され、Bさんは代金を支払いました。
しかしAさんはその後、同じ時計をCさんに贈与し、引き渡したのです。

時計の所有者が誰になるのかという問題において、「一物一権主義」の考え方が重要になってきます。
1つの物に対して1つの所有権しか成立しない、排他的であるという理念に基づくと、この時計がBさんのものであればCさんのものではなく、反対にCさんのものならBさんのものではないということになります。
さらに考えれば、Bさんのものならば、この時計はBさん以外の全ての日本人の誰のものでもないということにすらなるのです。

これは民法175条『物権の創設』で「物権は、この法律その他の法律に定めるもののほか、創設することができない。」と定められていて、物に対する権利およびその内容は国会によって決められるとされています。
それが誰のものであるのかということは、その個人だけの問題だけでなく、日本という国全体のルールとなり得るのです。

それでは、実際に時計の所有権を有する者は誰なのかを見ていきましょう。
民法178条『動産に関する物権の譲渡の対抗要件』では「動産に関する物権の譲渡は、その譲渡の引渡しがなければ、第三者に対抗することができない。」とされています。
対抗とはこの場合、所有権を主張するということになります。

この事例の場合、「当事者」と「第三者」の区別は二通り出来ます。
売買の当事者は売主Aさんと買主Bさんで、Cさんが第三者です。
贈与の当事者は贈与者Aさんと受贈者Cさんで、Bさんが第三者です。

このどちらも事実であることを頭に入れておきましょう。

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