司法書士試験に合格するために必要な試験対策を徹底解説!

司法書士試験に合格するために必要な試験対策を徹底解説!

司法書士試験は、合格率が約4%と難易度が非常に高い難関の国家試験です。この難関の試験を突破するためには、試験対策がとても重要になります。

司法書士試験には、択一式・記述式・口述式の3種類の試験があるため、それぞれに必要な試験対策をしなければなりません。また科目数も多いので、勉強時間もそれだけ多くかかってしまうと思います。

なるべく最短で司法書士試験に合格するためにも、試験対策をしっかり徹底していきたいところですね。

ここでは、司法書士試験に合格するために必要な試験対策をご紹介します。

1 司法書士とは

司法書士とは、主に登記・供託業務を行う国家資格を持つ専門家であり、司法書士試験に合格し、司法書士会に登録することで司法書士を名乗ることができます。

司法書士試験は、その名のとおり司法書士になるための国家試験ですが、司法書士試験に合格したら直ちに司法書士になれるわけではなく、研修を受ける必要があります。この研修を経て、司法書士会に登録することではじめて司法書士として働くことができます。

(1) 司法書士試験の試験科目と配点

筆記試験の試験科目と配点は以下のとおりです。

試験時間 形式 科目 問題数 配点
午前の部 択一式 民法

商法

憲法

刑法

20問

9問

3問

3問

計35問

105点
午後の部 択一式 不動産登記法

商業登記法

民事訴訟法

民事執行法

民事保全法

供託法

司法書士法

16問

8問

5問

1問

1問

3問

1問

計35問

105点
記述式 不動産登記法

商業登記法

1問

1問

計2問

70点

(2) 司法書士試験の合格基準点

令和2年度筆記試験の合格点については、以下のような点数になっています。

令和2年度筆記試験合格点:満点280点中205.5点以上

※午前の部の多肢択一式問題に関しては満点105点中75点に、午後の部の多肢択一式問題に関しては満点105点中72点に、記述式問題に関しては満点70点満点中32点にそれぞれ達しない場合は、合計点が205.5点以上でも不合格となっています。

 

下記の記事では、司法書士試験の概要について詳しく説明しているので、是非ご覧ください。
▼こちらの記事も合わせてご覧ください。
司法書士試験とは

2 司法書士試験全般の試験対策

ここでは、まず司法書士試験全般で共通する試験対策をご紹介します。

(1) 過去問の重要性

これはどの試験でも共通しているかもしれませんが、試験対策で最も重要なのは、過去問を解くことです。

過去問を解くことで、何がどのように出題されるのか、出題範囲を知ることがとても重要になります。

特に最短で合格する方の特徴として、過去問を徹底的に分析し、出題傾向を把握した上で、自分に足りない部分を克服する勉強をしています。

最初はもちろんテキストや講義を観てインプットをしていきますが、最初から100を理解できる人は稀です。アウトプットを通して理解していくものなので、一通りインプットが終わったら一度過去問を解いてみましょう。

(2) 時間配分に注意

司法書士試験のうち、筆記試験は、午前の部と午後の部があります。午前の部は2時間の択一式試験ですが、午後の部は3時間もあり、しかも択一式と記述式の両方から出題されます。

特に午後の部に関しては、3時間で択一式を計35問、記述式を計2問解かなければならないので、時間配分に注意しないと、記述式を最後まで解けなくなってしまう恐れがあります。

途中答案にならないためには、択一式を素早く解き、記述式に余裕を持たせることが重要になります。

ただ、択一式を早く解こうと焦ってしまうとケアレスミスを起こしてしまう可能性があるので、ケアレスミスをおこさないためにも、様々な工夫をしておくと良いでしょう。

例えば、民法を事例問題を解く際には、関係図を書くことで、当事者間の法律関係を間違えずにすみます。他にも、正しい肢を選ぶ際は〇、誤っている肢を選ぶ際は×と大きく書いておくことで、正しい肢なのに誤った肢を選んでしまうといったミスを防ぐことができます。

これはあくまで一例ですが、自分が特にやってしまいがちなミスについては、対策を考えておきましょう。

3 司法書士試験択一式の試験対策

(1) 実体法の試験対策

択一式試験のうち、実体法で出題されるのは、民法、商法、憲法、刑法です。

最も出題数が多いのは民法(20問)なので、民法は特に時間をかけて勉強する必要があります。

また、後に紹介する登記法においても、民法は関係してきます。

実体法と登記法の関係について、簡単に説明しましょう。

例えば、Aさんの建物をBさんが5000万円で購入することにしたとします。この場合、AさんとBさんとの間で売買契約(民法555条)が成立します。この契約が成立することによって、AさんはBさんに対して5000万円を請求する権利が発生します。他方、BさんはAさんに対して建物を自己に引き渡すことの請求(建物引渡請求権)と建物の所有権登記を自己に移すことを請求(所有権移転登記請求権)することができます。

このような法律関係に関する分野については、民法で勉強するところになりますが、建物の所有権登記を移す手続きに関しては、登記法の分野になります。

しかし、民法の知識がないまま登記法だけを勉強していても、登記法の理解がなかなか進まないと思うので、民法を先に勉強するか、民法と同時並行で勉強するのが得策といえます。

そして、これは会社法に関しても同様にいえます。

憲法・刑法に関しては、出題数が各3問ずつと少ないので、勉強量も民法や会社法に比べて少なめにし、広く浅く知識をカバーすることが重要になってきます。予備校や市販のテキストを利用している場合は、テキストに出てくる知識を理解しておけば十分といえるでしょう。

(2) 登記法の試験対策

登記法からは、不動産登記法と商業登記法が出題されます。出題数も35問のうち24問と6割以上は登記法から出題されるので、登記法をいかに得点源にできるかが重要になります。

登記法に関しては、上記でお伝えしたとおり、実体法の理解がないとなかなか理解するのが難しい分野になります。

ただ、登記法独自の論点もあるので、独自の論点に関しては勉強しつつ、他の部分は実体法と同時並行で進めていくのをおすすめします。

登記法の理解が司法書士試験においては最も時間がかかり、挫折してしまいがちなところですが、忍耐強く継続して頑張りましょう!

(3) その他の科目について

その他の科目(民事訴訟法、民事執行法、民事保全法、供託法、司法書士法)のうち、民事訴訟法の出題が5問、その次が供託法で3問出題されます。それ以外の科目は、各1問ずつしか出題されません。

出題数に応じた勉強量を設定することも一つの方法かもしれませんが、手続法に関しては、身近ではない法律なので、民法や刑法に比べると取っつきにくく、全体像が分からないと理解が難しいかもしれません。また条文に関する知識が出題されるので、手続法については、法の全体像をまず把握する勉強をおすすめします。その上で、細かい手続きの流れについて、条文を逐一読みながら確認するようにしましょう。

最初は時間がかかるかもしれませんが、全体像が理解できるようになれば、択一も解きやすくなります。出題数は少ないかもしれませんが、足切り点もあるので、必要最低限の知識は入れておきましょう。

4 司法書士試験記述式の試験対策

記述式からは、不動産登記法と商業登記法が出題されます。上述したように、実体法の理解が前提としてないと、記述式も解くことができません。

したがって、ある程度択一の勉強を通して実体法と登記法の理解が進んだ段階で、記述式の勉強を始めることをおすすめします。

また、記述式では、ひな型を理解した上で、覚えることが重要です。ひな型は200種類以上のパターンもあり、覚えるのがとても大変な作業ですが、記述式ではひな型を覚えることが必須になります。

過去問や問題集を繰り返し解いていく中で覚えていくこともできるので、暗記が苦手な方はアウトプットを繰り返していきましょう。

5 司法書士試験口述式の試験対策

口述試験は上の2つの試験と違って、実務知識や礼儀を確認するといった目的で行われており、毎年口述試験の合格率はほぼ100%となっています。

試験科目は、不動産登記法、商業登記法、司法書士法となっています。口述試験では筆記試験に比べて、明解な論理的思考を問われます。

口述式の試験対策としては、予備校の口述模試などを受けることで聞かれやすい問題を把握し、実際に口述の訓練をすることをおすすめします。

6 司法書士試験は独学で試験対策が可能?

(1) そもそも独学で合格は可能?

合格率が約4パーセントとかなり低い司法書士。果たして独学で合格することは可能なのでしょうか?

結論から言いますとこれはかなり厳しいものとなっています。

独学のメリット・・・費用がかなり安く抑えられる。

独学のデメリット・・・合格までにかなりの時間を要してしまう。法学を初めて学ぶ方はさらに時間がかかってしまう。何から手をつけていいかわからない。問題量が多すぎて結局挫折してしまう。

というようにやはり独学での合格はかなり厳しいものとなっています。よほど自分にストイックにできる、あるいはどれだけ年月をかけてもいいという方以外は独学はあまりお勧めできません。

(2) 効率的な勉強法のポイント

①知識の基礎固め、土台作り

司法書士の試験科目は上の試験概要からもわかるとおり全部で11科目とかなり数が多くなっています。大多数の受験生はここで何から手をつければいいかわからず、とりあえず片っ端から11科目すべてをカバーしようとします。

これは大きなミスです。このように11科目と科目数が多いからこそ基礎がとても大事になってくるのです。まずは各科目の基礎、つまり土台をしっかりと完成させましょう。

基礎が身についていない状態で応用は身につきません。逆に言えばここでしっかりと基礎をつんでおけば後々とても楽になってきます。

「いろいろな分野に手を出さない。まずは1分野1分野の基礎を丁寧に!」

②繰り返し学習で知識を定着化させる

記憶というのはその場では覚えていても必ず忘れてしまうものです。どんなに頭のいい人でも長時間それに触れていなければ必ず忘れてしまうものです。このような短期記憶を繰り返し記憶することでやがてそれが長期記憶と代わり忘れないものとなるのです。

ここで先ほどはなした基礎という話を思い出してください。ある分野の基礎を覚えても別の分野の基礎を忘れてしまったらまったく意味がないですよね?

人間は寝る前と起きた後すぐが一番記憶しやすいといわれています。そこで、寝る前にその日に勉強した基礎知識をもう一度復習し、朝起きてもう一度復習する。

するとひとつの知識に対して三回の学習ができます。これでかなり記憶に残るはずです。

「その日に学んだ知識を寝る前と起きてすぐに復習する。知識を反芻する」

脳科学からみた効率の良い勉強法はこちらの記事で紹介しているので、暗記が苦手な方は是非読んでみてください。

③過去問、六法全書をフル活用する

基礎の知識もつき、ある程度の応用もできるようになったらここからは過去問をフル活用しましょう。どんなテストにも傾向というものがあります。その傾向をつかむという意味でも、また、自分の現在の実力を知るという意味でも過去問はとても大事なものとなってきます。

過去問はときっぱなしが一番ダメです。間違えたら必ず復習し、間違えた問題を一冊のノートにまとめておけば自分の苦手な分野も見えてきます。

さらに心強いツールが「六法全書」です。どんな些細なことでも気になるものがあれば六法全書をすぐに引く癖をつけましょう。六法全書は司法書士試験におけるいわば「万能辞書」のようなものです。

引いたら付箋をつけ、どこを調べたかをしっかりと把握しましょう。

「過去問をひたすら解く。間違えたものを一冊のノートにまとめ自分の苦手分野を知る。六法全書もフル活用!」

法律の勉強法について、最適な勉強法をご紹介している記事もあります。是非読んでみてください。

④あえて直前で思い切って初心に戻る!

さあいよいよ直前期となりました。不安とプレッシャー、焦りでいっぱいでしょう。多くの受験生はもう一度すべてをやろうとしがむしゃらに勉強しだします。これは間違いです。

最初を思い出してください。「基礎」が大事なのです。基礎が身についていれば応用は必ずききます。直前期にあえてもう一度初心に戻ってみましょう。

「直前期はあえて初心に戻って基礎固め」

ここまでやれば必ず受かります。自分を信じて頑張ってください。

7 サマリー

司法書士試験は、合格率だけをみればとても難しい試験だと思われるかもしれませんが、正しい試験対策をすれば、合格に必ず近づくことができます。特に択一式は本番のコンディションによって大きく左右されがちかもしれませんが、どんなコンディションでも一定の点数が取れるような訓練をすれば、本番も焦らずに解けるでしょう。

常に自分との戦いで逃げ出したくなる日もあるかもしれませんが、受験生の皆さまが合格できることを応援しています!

▼こちらの記事も合わせてご覧ください。
司法書士の試験科目と 効率的な対策を理解する

8 まとめ

・司法書士試験は、択一式、記述式、口述式の3種類の試験がある

・択一式試験の試験対策としては、実体法の理解がある程度進んでから、登記法の勉強を進める

・記述式は登記法から出題される

・口述の試験対策としては、予備校の口述模試を受けるのがおすすめ

・他の法律系国家資格でも共通するが、知識の基礎固めがとても重要

・一通りインプットが終わったら、過去問を解きましょう

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