相殺の担保的効力~相殺への期待の保護~

相殺の担保的効力~相殺への期待の保護~

司法書士試験に出題される民法では、物権と債権について定めています。
違うものとして扱われるこの2つですが、時には違いのはっきりしないこともあり、接点を持つようにもなります。

相殺の担保的効力

債権の消滅事由には「弁済」「相殺」「更改」「免除」「混同」があります。
このうち、相殺はお互いの債権債務関係を一度になくしてしまうこと、たとえばAさんからBさんに対する500万円の貸金債権と、BさんからAさんに対する500万円の売掛金債権をそれぞれ履行するのではなく、両方を同時になくすということになります。

しかし、相殺出来るかどうかということは非常に重要な問題です。
たとえば上記の事例でAさんが破産の危機に陥ったとき、AさんからBさんに対する債権はAさんの破産管財人によって支払が求められますが、無資力状態にあるAさんに対するBさんの債権は破産債権であり、1割でも返ってきたらマシという、紙切れ同然のものになってしまうのです。
ですが判例上では、相殺への期待は保護されるべきだと考えられているため、相殺の意思表示をAさんの破産管財人に対して出来るのならば、BさんはAさんに1円も払わなくてよいことになります。

では、この場合はどうでしょうか。
AさんはBさんに対して500万円の債権を持っていますが、財産状況が悪化したためその債権をCさんに売り渡しました。は
Bさんが債権譲渡の通知前にAさんへ500万円を貸しているとき、BさんはCさんの支払請求に愛してAさんへの貸付金債権による相殺を主張出来るか、ということです。
もし相殺が出来ないとなると、Bさんが持っているAさんに対する債権は紙切れになる可能性が高く、その上Cさんからは500万円を取られてしまいます。
Bさんは「いざとなったら相殺にすればよいだろう」という思いから、財産状況の悪いAさんに貸したと考えられるからです。
しかし相殺を期待したBさんは保護されるべきであるため、CさんがBさんに債権取得可能になる「譲渡通知の前に」BさんがAさんに対して反対債権を取得していれば、相殺を主張出来るとされています。

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