司法書士の試験科目より 債権譲渡~債権の対抗要件問題~

司法書士の試験科目より 債権譲渡~債権の対抗要件問題~


司法書士試験に出題される民法では、物権と債権について定めています。
違うものとして扱われるこの2つですが、時には違いのはっきりしないこともあり、接点を持つようにもなります。

1 債権譲渡

物権編では一物一権主義という大原則があり、その結果、引渡しや登記などといった第三者対抗要件が定められています。
しかし1人に対していくらでも成立する債権では、基本的に対抗問題の生じる余地はありません。

ただし、その例外として「債権譲渡」などのように、債権の世界でも対抗要件が問題になることもあります。

たとえば、AさんがBさんに500万円を貸し、弁済期を3ヶ月後に設定したとします。
Aさんはお金を貸したはいいものの、その直後に身内が事故に遭い、今すぐお金が必要な状況になってしまいました。
しかしBさんは「今すぐ返してほしい」と言われても困ってしまいますし、弁済期を迎えていない以上は請求することができません。

この時、Aさんが第三者Cさんに、Bさんへの債権を売るというのが債権譲渡です。
もちろんそのまま500万円で、というわけにはなかなかいきませんが、450万円で売ることができればAさんはすぐに現金を手にできますし、Cさんも弁済期には50万円の利益を得られます。

2 債権の対抗要件問題

債権譲渡について定めているのは民法466条『債権の譲渡性』で、第1項

債権は、譲り渡すことができる。ただし、その性質がこれを許さないときは、この限りでない。

および第2項

前項の規定は、当事者が反対の意思を表示した場合には、適用しない。ただし、その意思表示は、善意の第三者に対抗することができない。

とされています。

つまり債権譲渡の際、それを債務者に知らせる義務はなく、債権譲渡禁止の特約を結んで位に限り、AさんはBさんにあえて報告しなくてもCさんに債権を譲渡することができるのです。

第1項の「その性質がこれを許さない」というのは、労働者を雇用する債権を雇い主が誰かに売ることは禁止である、などといった当たり前のことを規定しているだけに過ぎないので、深く考える必要はないでしょう。

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