制限行為能力者~契約の取消権~

制限行為能力者~契約の取消権~

司法書士試験に出題される民法では、債権について定められています。
債権の世界では契約自由の原則、そして「結んだ契約は守らなくてはならない」という原則に基づいて行動することが求められていますが、時には錯誤や心裡留保、通謀虚偽表示といった理由で契約が無効になることもあります。

では、有効な契約を取り消すことは出来るのでしょうか。
「約束は守られなければならない」という原則がありますから、基本的には、一度結んだ契約をやめるということは不可能です。
しかし、民法で定められている条件に合致する契約の場合、取り消すことが出来ることもあります。

制限行為能力者

制限行為能力者とは、未成年や、精神障害や老化によって判断能力が不足しているとされた成年被後見人、被保佐人、被補助人というように、単独では十分に判断出来ないため完全に有効な法律行為を出来ない人たちのことです。
たとえば未成年の場合、民法5条『未成年者の法律行為』では、未成年者が親などの法定代理人の同意無しにした意思表示は理由を問わず取り消すことが出来るとされ、有利な存在として扱われています(もちろん、法定代理人の許可を得て取り消さないままでいることも可能です)。

未成年者など、制限行為能力者は通常、行為能力者よりも判断力に欠けると考えられます。
その状態で、行為能力者と同じように責任を負わなくてはならないとなると、判断力の欠如につけこむような契約を結ばされ、損害を被ってしまうこともあるかもしれません。
そのため、制限行為能力者は一度結んだ契約でも、法定代理人の許可が無い状態ならば取り消すことが可能であるという形で保護されているのです。
しかし未成年者、成年被後見人、被保佐人、被補助人によって期待される判断力の程度も違いますから、取り消せる法律行為の範囲はそれぞれによって異なります。

とはいえ多かれ少なかれ、制限行為能力者には取消権が与えられていることを押さえておきましょう。

 

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