処分権主義~訴えを起こす自由~

処分権主義~訴えを起こす自由~

司法書士試験に出題される民法では、債権について定められています。

では事例の続きですが、Aさんから100万円を借りたBさんが弁済期の1ヶ月後になっても返済しないという話でした。
当然この場合Aさんは困りますし、約束をするのが自由だからといってその約束を自由に破っても良いなんてことはありません。
しかし刑法上、借りたお金を返さないという犯罪は無いため、Aさんのような人を救済するためにあるのが民法であり、手続法の民事訴訟法なのです。

処分権主義

民事訴訟法では、何かあった時に訴訟を起こせる自由が認められています。
裁判制度を用意しているのは国家ですが、私的自治の原則においてはそれを利用するかどうかは個人の問題であり、この場合は貸し手であるAさんに委ねられています。
つまりAさんがお金を返してもらわなくても、Aさんが訴訟したくないというのならば国や他の人が訴訟を強制することは出来ず、あくまで権利の持ち主であるAさんの自由ということになります。

また、不起訴の合意というものもあり、AさんとBさんの間で「お金を返さなくても訴訟はしない」という合意があった場合はそれも拘束力を持ちます。
債務が履行されなくても訴えないという合意があると、債務は自然債務となり、任意に履行することで有効な弁済となります。
債権者はその強制が出来ない債務で、時効援用された場合などがこのケースです。

さて、Aさんには民事訴訟を提起する権利がありますから、どのような内容で訴えればよいのかを見てみましょう。
お金を貸す契約のことを民法で「金銭消費貸借契約」といい、第587条で定められています。
『消費貸借は、当事者の一方が種類、品質及び数量の同じ物をもって返還することを約して相手方から金銭その他の物を受け取ることによって、その効力を生ずる。』とあり、法律要件は「返還の約束」「金銭の授受」の2つになります。
法律効果はAさんからBさんに対する「賃金の返還請求権」です。

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