債権の全体構造

債権の全体構造

司法書士試験に出題される民法では、債権について定められています。

では、ここで債権編の全体構造がどのようになっているのかみてみましょう。
債権は民法第3編にまとめられていて、

  • 第1章 総則(民法399~520条)
  • 第2章 契約(521~696条)
  • 第3章 事務管理(697~702条)
  • 第4章 不当利得(703~708条)
  • 第5章 不法行為(709~724条)

 

という構成になっています。

第1章は非常に重要で、債権編全体について書かれています。
第2章から第5章は見出しの通り、債権が成立する原因ごとに条文が分けられているのですが、契約の条文数176に比べると、他の章がどれだけ少ないのかがよくわかるのではないでしょうか。
第3章の事務管理は6、第4章の不当利得も6、第5章は少し増えますが、それでも16しかありません。

法定の債権

この通り債権とは、そのほとんどが契約によって生じるものなのです。
契約以外で生じる債権は、すべて法律によって生じる、「ある事情が起こったら自動的に成立する」債権として扱われています。
これを法定の債権といい、民法における「法定」という言葉は、当事者の意思表示とは無関係であることを意味します。

事務管理とは、義務が無いにも関わらず他人の事務を借りすることです。
たとえば隣家に住んでいる人が不在の間に、強風で隣家の塀が壊れてしまったとします。
親切心から塀を直した場合、その修理費用は誰が持つのかといったという問題が浮上するでしょう。
この時、隣人との間に契約は何もないのですが、事務管理の条文では「修理費用の償還請求権」という法定の債権を隣人に対して取得出来るとされるため、修理費を請求することは可能です。

また、不法行為も同様に、契約が無くても債権が生じるようになります。
交通事項の被害者は、加害者に対して「不法行為による損害賠償請求権」を持つようになりますが、被害者と加害者は出会ったばかりであることがほとんどですから、何か契約を結んでいることなんてあるわけがありません。

 

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