司法書士の業務変化 〜司法書士法の改正

司法書士の業務変化 〜司法書士法の改正


司法書士の仕事は、法改正や時代によって変化しています。
司法書士試験の問題にも影響がありますし、何より試験合格後、実際に業務にあたることを想定しておくべきでしょう。

1 司法書士法の改正

令和元年6月12日に「司法書士法及び土地家屋調査士法の一部を改正する法律」が公布されました。司法書士法の改正は、平成14年以来17年ぶりとなります。

今回の改正内容は下記の5項目です。

・目的規定を廃止し使命に関する規定を新設すること
・懲戒権者を法務局又は地方法務局の長から法務大臣に改めること
・懲戒における戒告処分につき聴聞の機会を保障すること
・懲戒処分の手続に除斥期間を設けること
・社員が一人の司法書士法人の設立を認めること

第1条には、

司法書士法の定めるところによりその業務とする登記,供託,訴訟その他の法律事務の専門家として,国民の権利を擁護し,もって自由かつ公正な社会の形成に寄与する

とあります。
これが司法書士の使命とされ、司法書士が法律家として果たすべき責任が明らかにされました。

この規定の新設によって、司法書士が法律事務の専門家であり、国民の権利を擁護する担い手であることが明確となったわけです。

また、懲戒権者を法務大臣とする改正も行われました。

司法書士の業務は、法務局の管轄を超えて広域にわたっているにもかかわらず、現行の制度では、法務局(地方法務局)ごとに司法書士の懲戒を取り扱っているため、実態にそぐわないものとなってきていることが改正の理由です。

司法書士に対する懲戒権者を、現行法の法務局又は地方法務局の長から法務大臣に変更し、司法書士業務の現状に即した、適正で迅速な懲戒手続を行うこととされたのです。

2 IT化に伴う業務変化

昨今、コンピュータや携帯電話、スマートフォンなどの情報機器が急速に普及しています。
そのため登記制度のコンピュータ化も次々と実装されており、登記申請もオンラインで行う時代へと変化してきました。

これまでに培われてきた業務方法や業態がどう変化していくのか、どうしていくべきかはまだまだ議論がなされているのです。

3 法人化が可能に

こちらも平成14年の法改正によるものです。

それまでは司法書士の事業は個人のみ認められていたのですが、複数の司法書士を抱える司法書士法人の設立が可能になったのです。今後は他の士業と連携、まあは共同で法律的なサービスを提供していく法人設立が増えていくでしょう。

令和元年の改正では「社員が一人の司法書士法人の設立を認めること」も加えられました。

司法書士の業務が個人個人の司法書士の能力や人格、信頼といったものを基盤にして成り立っていくことは今後も変わらないと思われます。
法人化は認められましたが、今後急速に司法書士業界が寡占化して個人事業者が困る、ということになるとは限らないのではないでしょうか。

4 個人情報保護法制定

平成15年、本人確認法及び個人情報保護法が制定されました。
また、平成19年には犯罪収益移転防止法も施行され、個人情報の扱いや本人確認がどんどん厳格化されています。

司法書士の業務上、個人情報を扱うことが必須であることは言うまでもありませんが、依頼者の大切な情報を取り扱う際には細心の注意を払わなくてはいけません。

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