司法書士の実態(年収・業務)と将来性とは?勉強を始める前に知りたいホントのところ

司法書士の実態(年収・業務)と将来性とは?勉強を始める前に知りたいホントのところ

難関国家資格であり、合格率は僅か4%ほどである『司法書士』という資格がどのような資格であるか熟知している方はあまり多くはないかもしれませんね。

「司法書士って食べていけるの?」

「登記の雛形はネットで調べれば沢山出てくるよ。」

「司法書士はオワコン・・・」

このように思われた方も少なからずいらっしゃるのではないでしょうか。

果たして、世間で言われているように本当に司法書士は食べていけないほど年収が低い資格なのでしょうか?

AIの目覚ましい進化により不要となってしまう資格なのでしょうか?

そのような事はありません!

資格試験は、どうしても勉強に対する費用がかかってしまいます。そのため、経済的な理由から勉強を始める事に躊躇してしまう方も珍しくありません。

決して安いとは言えないお金をかけて勉強を始める前に、そのような不安はしっかりと払拭しておきましょう!

時代とともに、働き方も変化していきますが、司法書士の働き方も例外ではありません。

『登記屋、代書屋』と言われた時代は一昔前の話です。

新たな働き方・活躍の場がありますので合わせてご紹介していきますね。

これから勉強を始めようと考えていらっしゃる方のご参考になれば幸いです。

 

1 まずは司法書士について知ろう!

司法書士の勉強を始めようと思われたきっかけはさまざまかと思います。

受験資格が無い事から、誰でも受験する事が可能であり、加えて社会的にも信頼度が高く“強みとなる資格”でもありますよね。

司法書士は、冒頭でも触れたように一昔前までは『登記屋、代書屋』などと呼ばれていました。しかし、それは過去の話です。時代と共に働き方や求められる事が変化しています。

司法書士とは、どのような可能性を秘めた資格なのでしょうか?

まずは、『司法書士』について気になる試験概要や業務内容を見ていきましょう。

(1) 試験概要 

受験資格 年齢・性別・学歴などに関係なく受験可能
受験料 8,000円
受験申請書

の配布時期

4月中旬〜

(全国の法務局や地方法務局で配布)

※数に限りがあるものの一部の予備校でも配布(各予備校に要確認)      

出願期間 (例年)5月初旬〜中旬頃
試験日程(筆記) (例年)7月第2週目または第2週目の日曜日
合格発表(筆記) (例年)10月初旬頃
試験科目(筆記)

 

【午前の部】9時半〜11時半

・科目:憲法(3問)・民法(3問)・刑法(3問)・商法(9問)=合計35問

・配点:105点(1問3点)

・出題形式:多肢択一式(マークシート)

【午後の部】13時〜16時

※午後の部は出題形式が『多肢択一式(マークシート)』と『記述』に分かれる

『多肢択一式(マークシート)』

・科目:民事訴訟法(5問)・民事執行法(1問)・民事保全法(1問)・供託法(3問)

不動産登記法(16問)・商業登記法(8問)・司法書士法(1問)=合計35問

・配点:105点(1問3点)

・出題形式:多肢択一式(マークシート)

『記述』

・科目:不動産登記法(1問)・商業登記法(1問)=合計2問     

・配点:70点(各35点)

試験日程(口述) 10月初旬頃(例年)
験科目(口述) 不動産登記法・商業登記法・司法書士法(例年)

1人15分程度

最終合格発表 11月初旬頃(例年)  

参照元:法務省http://www.moj.go.jp/MINJI/minji05_00010.html?_ga=2.227689882.60894139.1611198479-970245460.1608257828

        

試験概要から見てお分かりいただけるように、試験科目は11科目と広範に及びます。

民事保全法、民事執行法、供託法など聞き慣れない法律科目もありますよね。

また、試験方式も『基準点』や『合格点』などをクリアする必要があり特徴的ですので、気になる方は以下の記事をご参考になさってくださいね。

(2)業務内容

次に、司法書士の業務内容について見ていきましょう。

他人の依頼を受けて行うことのできる司法書士の業務に関しては、司法書士法第3条や司法書士法施行規則第31条に規定されていますが、およそ下記の通りです。

 

1.登記又は供託手続の代理

2.(地方)法務局に提出する書類の作成

3.(地方)法務局長に対する登記、供託の審査請求手続の代理

4.裁判所または検察庁に提出する書類の作成、(地方)法務局に対する筆界特定手続書類の作成

5.上記1~4に関する相談

6.法務大臣の認定を受けた司法書士については、簡易裁判所における訴額140万円以下の訴訟、民事調停、仲裁事件、裁判外和解等の代理及びこれらに関する相談

7.対象土地の価格が5600万円以下の筆界特定手続の代理及びこれに関する相談

8.家庭裁判所から選任される成年後見人、不在者財産管理人、破産管財人などの業務

 

また、司法書士は、“国民の権利の擁護と公正な社会の実現のため、常に品位を保持し、業務に関する法令及び実務に精通して、公正かつ誠実にその業務を行わなければならない”という重い責任を負っています。

参照元:日本司法書士連合会https://www.shiho-shoshi.or.jp/about/business.html

    会則・関係法規https://www.shiho-shoshi.or.jp/association/intro/reguration/

 

これらのうち代表的な業務をまとめましたのでご参考になさってください。

 

  業務内容
登記業務 不動産に関する権利関係や会社の情報を公示する制度である不動産登記、商業登記などを『登記手続きのプロ』として行う

ex:(不動産登記)

・土地の売買や子供や孫に贈与したときの所有権移転記

・親が死亡して不動産を相続したい場合の所有権移転登記

・銀行でローンを組む際の抵当権設定登記など

ex:(商業登記)

・会社設立、役員変更、組織再編など

相続・遺言に関する業務 相続争いを未然に防ぐための法的なアドバイスをしたり、遺言書作成に関するアドバイス、相続登記など相続全般の多岐に渡る業務を行う
成年後見に関する業務 認知症のお年寄りの方や、知的障害をお持ちの方を法的にサポートする

ex:各種サポート

・不動産売買

・遺産分割協議

・預貯金の管理

・介護サービス、施設入所の際のサポート など

債務整理業務 借金で困っている人をサポートする

ex.

・過払金請求

・自己破産

・民事再生

・任意整理   

供託手続き代理業務 市民の紛争解決のために、公的機関である供託所に供託所に金銭を預ける。手続きが煩雑なため代理人として行う

ex.

・家賃を急に上げられてしまったので、債務不履行を回避するために従来通りの家賃を供託する など

民事信託業務 信託とは、財産を保有している人が信頼できる人に自分の財産を託し、その財産を自分で定めた目的に沿った管理・運用・処分する事を委託する制度です。司法書士は民事信託のうち以下の2つを行います

【登記】

ex.

・対象不動産の所有権移転登記

・民事信託のための会社設立登記

【信託監督人】

ex.

・他人の財産を管理する事に不慣れな親族が受託者となる場合に司法書士が信託監督人となる

裁判業務 認定司法書士に限り、簡易裁判所における訴訟代理権が与えられる。(訴額140万円以下)依頼者の代理人として弁護士同様に法廷に立ち市民の権利保護活動などを行う

ex

・貸金返還請求訴訟

・建物明け渡し請求訴訟

・不当利得返還請求訴訟

・不法行為による損害賠償請求訴訟 など

 

2 司法書士の気になる年収はどのくらい?

「司法書士年収250万円」

「司法書士年収1,000万円」

「司法書士仕事なくなる」

インターネットで検索すると、ネガティブな情報も含めこのような情報で溢れています。いったいどの情報を信じれば良いのでしょうか?年収250万円だと、一般的な会社員の年収より高いとは言えませんよね。せっかく時間とお金をかけて難関国家資格を取得しても、年収が思っていたより低いのであれば費用対効果が悪いと感じ、勉強のモチベーションも低下してしまいます。

しかしながら、結論から言ってしまえば、どの情報もおよそ妥当なラインと言えるのかもしれません。

なぜなら、その人(司法書士)の置かれている環境により異なるからです。

つまり、司法書士の年収が低い、仕事がなくなるなどと言われている理由は①働き方②年齢③地方格差などによっても異なるからです。

日本司法書士会連合会では、『司法書士白書』という調査書を発行しています。この司法書士白書において、司法書士の年収についても調査されているのです。実際には、他の士業と司法書士の年収を比較した場合、飛び抜けて低いわけではなく、むしろ平均より高いことが明らかになっています。司法書士白書で明らかになった、司法書士の平均年収は、所得平均以上となっています。

個々の置かれている環境により振れ幅がありますが、司法書士の平均年収は200万円~750万円程度となります。最低の200万円と聞くとあまり高くないイメージがありますよね。しかしながら、まだ駆け出しの司法書士に至っては、経験が浅く任せられる仕事の数も少ない事が要因として挙げられます。

 前置きが長くなってしまいましたが、働き方の違いによる年収について、下記でしっかりと確認していきましょう。

(1) 働き方により異なる

多様な働き方ができるのも司法書士有資格者の魅力の一つです。自分の理想とする将来像を描きながら、勉強へのモチベーションを高めてあまり時間をかけずに合格を掴み取りたいものですよね。

少し古いデータになりますが、日本司法書士連合会発刊の『司法書士白書』によれば、平成 27 年の年収 (税引き前) は以下の通りとなります。〔回答数 2,108〕

case1 勤務司法書士

勤務司法書士とは、司法書士事務所に雇われている司法書士のことです。平均年収は一般の会社員とあまり変わらず250万円〜400万円だと言われています。ただし、大手司法書士事務所などでキャリアを積めばどんどん年収が上がっていきます。

このように、ひと口に勤務司法書士といっても、勤務先の規模などににより収入は大きく変わります。司法書士試験合格後は、多くの方が最初は司法書士事務所に勤務をしています。経験を積み、いずれは独立開業を目指している方も少なくありません。実務を身に付けながらお給料をいただくのですから、その経験が後に大きなリターンとして帰ってくる事を考えて頑張りたいものですよね。

勤務司法書士になることを検討している方は、年収面だけではなく、勤務先が得意としている業務内容についてもしっかり考えておきたいポイントです。

case2 企業内司法書士

また、司法書士業務ではなく、司法書士資格を活かして大手企業の法務部や総務部などで勤務する場合、年収600万円程度という人も珍しくありません。

司法書士の有資格者であるというだけで、一般企業への就職や転職の際に大きく有利に働きます。その理由は、以下の2つです。

 

・司法書士が難関国家資格であること

・近年、企業のコンプライアンスに関する意識が高まっていること

 

学歴と同じように、難関国家資格を取得したという事実は評価されます。また近年、企業のコンプライアンスに対する意識が高まっていることから、法律や登記のプロである司法書士の需要が高まっているのです。特に会社法に関しての知識は法務部では重宝されるでしょう。これらの理由から、一般企業への就職や転職を有利に進められる可能性があります。

 

また、収入が安定している点会社員として福利厚生の恩恵を受けられる点などのメリットがある事から、開業せずに勤務司法書士や企業内司法書士を続ける司法書士もいます。

case3 開業司法書士

独立開業している司法書士の平均年収は500万円〜600万円と勤務司法書士よりも高めです。中には年収数千万円を稼いでいる人もいる一方で全く稼げていない人もいるのが現状です。

いったいなぜそのような差が生じるのでしょうか?

その違いは、営業力や集客方法にあると言われています。独立開業している司法書士は、いわゆる事業主であり、司法書士の能力以外の部分でも経営者としての手腕が問われます。

そのため、年収の差がつきやすいのです。

したがって、独立開業の司法書士を目指すのであれば、営業力や集客方法なども身につけておく必要があります。独立開業を希望している人は、営業や集客についてもあらかじめ考えておきましょう。

また、『女性の社会進出』という言葉自体がもう古いのかも?と思うほど多くの女性が社会において活躍しています。上司が女性である事は全く珍しい事ではありませんよね。

女性のキャリア形成はとても難しく、脂の乗ってきた時にキャリアを中断せざるを得なければなりませんでした。以前は結婚・妊娠したら退職して家庭に入る事が当たり前とされていた時代がありましたが、今ではちょっと考えられないですよね。ですが、現実的には結婚・妊娠出産に限らず、介護やさまざまな家庭の事情により、仕事よりも家庭を優先しなければならない事があります。

自らのライフイベントやライフスタイルに応じて業務量や業務時間をコントロールできる事が独立開業の魅力の一つでもあります。

女性司法書士が自宅で独立開業をすれば、家庭との両立も可能となり大きなメリットです。家庭の状況が落ち着いた頃に業務量を増やしていく事や稼働時間を延ばす事が可能である点など、女性にとっては“嬉しい働き方”なのではないでしょうか。

 

(2) 年齢による司法書士の年収の違い

司法書士は、年代別での平均年収の差はそれほどありません。その理由は、司法書士の世界では一般の会社にありがちな年功序列制度があまり見られないためです。

したがって、インターネット上にある年齢別の収入データはあまり信憑性があるとは言えません。

司法書士が年収アップを考えるのであれば、独立開業をしたりダブルライセンスを取得したりとキャリアアップが必要となります。その結果、30代などの比較的若い時期から高収入を得られる可能性が高まります。

ある意味、実力重視の世界であることは間違いありませんよね。自分の努力次第で収入がアップする事が分かれば、辛く長い勉強へのモチベーションもアップするというものです。

また、一般企業に新卒入社する場合は大学卒業後の20代前半となりますが、司法書士の場合は、国家試験に合格する事で有資格者となる事ができます。

年齢制限がないために20代後半でなる方もいれば、60歳になってから司法書士になる方もいらっしゃいなど年齢層に関しては幅が広いと言えます。

また、30代〜40代で有資格者となる方が多くいらっしゃる事も特徴的ですよね。社会人経験を積み司法書士の資格取得を目指す方は多くいらっしゃいます。司法書士の世界では、『経験と実績』が重要視される傾向がありますので、社会人経験は就職活動や独立開業の際には大きなアドバンテージとなる可能性が高まります。

前述の通り、経験が浅い勤務司法書士としての下積み時代には年収が低くて、徐々に経験を積み(ダブルライセンス取得や独立開業など)年収がアップする事があります。

よって、経験という意味では年齢が上がることで積むことができますが、基本的に年齢による年収差は他の業種ほどありません。

(3) 地域差による年収の違い

先に紹介したとおり、東京や大阪と地方都市において、収入格差があるのは事実です。しかしながら、地方においても決して司法書士のニーズがないわけではありません。『司法過疎地』と呼ばれる地域では確実なニーズがある業種ですので、地方においても工夫すれば都市部と同じくらいの年収を得ることも可能です。また、地方ではライバルが少ないというケースが多いので、うまく営業を行えば独占的に業務を請け負うことが期待できます。

また、都市部以上に繋がりが重視される傾向にあるので、地域に根付いた人脈を築ければより多くの依頼を受ける事ができるでしょうし、結果として年収アップも期待できます。

3 他士業と司法書士の収入の比較

続いて、他士業との収入の比較について見ていきましょう。

気になる方も多いのではないでしょうか?

他の士業と年収を比較すると、司法書士は弁護士には満たないものの高収入と言えそうですね。

資格 平均年収
弁護士 1,160万円
公認会計士 880万円
税理士 880万円
司法書士 860万円
不動産鑑定士 750万円
一級建築士 670万円
弁理士 640万円
社会保険労務士 640万円
土地家屋調査士 570万円
行政書士 530万円

 参照元:給料BANK https://kyuryobank.com/samurairanking

 

4 司法書士の将来性は?

先に「年収の高い司法書士もいる」とご紹介しましたが、司法書士業界全体としてはあまり稼げていない司法書士がいる事も事実です。直近の司法書士の年収は減少傾向にあり、その理由は以下の3点です。

 

・インターネットの普及により、相談件数が減った

・土地登記や書類作成などの単価が低い案件の割合が増えた

・広告や報酬を自由にできるようになり、競争が激化した

 

まず、インターネットの普及によって、法律問題の手続きを始め解決法を簡単に検索できるようになったため、司法書士へ依頼するケース自体が減少しています。例えば、無料でダウンロードできる雛形などが豊富にある事が挙げられます。わざわざ時間とお金をかける必要がなくなり自分で行える事から利便性が高まっていますよね。

また、インターネット広告を使った集客をする事務所が増え、競争が激しくなっていることも大きな要因と考えられます。

 

(1) AIによって仕事を奪われる可能性は?

結論から言えば、全ての司法書士業務が奪われるといった事はありません。

AI自体は、昔からある技術ですが、昨今はIoTなどによって、より注目される技術となっています。特に、ビッグデータを処理して適切な答えを出すこと、また学習能力の高さによって日々成長するという点に優れています。AIがここ数年で飛躍的に技術が高まっている中で、『リーガル(法律)テクノロジー(技術)』と言う言葉も生まれました。私たちが当たり前に思っている司法書士業務がAI化によって不要になるということが懸念されています。

ただし、これは司法書士業務に限った事ではありません。どのような仕事でもヒューマンスキルと呼ばれる、対話の中で答えや結論を導き出す力が必要ですよね。つまり『コミュニケーション能力』この点は、まだAIが太刀打ちできない部分であり生身の人間の強みともいえます。

そして、「将来的には今より多くの業務がAI化されるのでは?せっかく司法書士になったのに仕事があるのかな?」と不安に思われる方も少なくないのではないでしょうか?

しかしながら、AIでは力が及ばない部分に関しては依然として人の力が必要なのです。例えば、成年後見業務や信託業務、相続財産管理人、事業承継の際のアドバイスやM&A、高齢経営者の後継者問題に対してなどのコンサルティング業務などが挙げられます。

 つまり、単純なものはAI化されてしまう事が予想されますが、高い専門スキルやホスピタリティが求められるコンサルティング業務や『人』にまつわる業務はなくなる事はありません。

これからの司法書士は、時代の流れに柔軟に対応していく事が必要であると言えそうですね。

(2) マイナンバーによる業務縮小の可能性は?

結論から言えば、業務縮小の可能性はあります。

日本政府が進めているのが、マイナンバーの適用範囲拡大です。これからは、運転免許証や保険証もマイナンバー化するとも見られており、さまざまなものがマイナンバーに集約されようとしています。マイナンバーによって、オンラインでさまざまな手続きが容易になることが想定され、実際に確定申告などはオンライン化が進んでいます。これによって、司法書士業務についても縮小する可能性があるのは事実です。

(3) ブロックチェーンの進化による業務縮小の可能性は?

結論から言えば、あまり影響はないと言えます。

仮想通貨が当たり前の時代になりましたね。また、現時点で代表的な仮想通貨であるビットコインでは、ブロックチェーンと呼ばれる特徴的な仕組みが採用されているのです。このブロックチェーンの仕組みが司法書士業務に影響を及ぼす可能性が示唆されています。

ブロックチェーン(別名:分散型台帳)とは、端的に言えば分散型ネットワークを構成する複数のコンピューターに、暗号技術を組み合わせ、取引情報などのデータを同期して記録する手法の事で、改ざんや不正取引を防げるという技術のことです。

例えば、不動産取引におけるブロックチェーンの役割として、取引の信用性の担保があります。膨大な土地取引の履歴がデーターベース化されて、それに基づいて精度の高い取引が実現可能になった暁には、司法書士を介さず登記の手続きがトレンドになるかもしれません。しかしながら、実現できたとしてもすぐに取り入れられるという可能性は低く、現時点ではさほど気にする必要はありません。

参照元:coindesk japan「ブロックチェーンの基礎知識」

(4)  登記件数は右肩下がり

ここまでは将来性を中心に解説しましたが、過去から現時点までのトレンドを見ると、登記件数自体が右肩下がりになっているという少々残念な事実があります。登記の中でも代表的なものである土地登記は、ここ20年のトレンドを見ても4割程度減少しているのです。バブル崩壊後の不動産不況が主な原因であり、またリーマンショックでは急激な減少となり、さらに東日本大震災の影響で土地登記件数も伸び悩んでいる状況が続いています。

この流れは、今後も大きくは改善されないと見られています。

(5) 超高齢化社会により業務量は増える

将来性としてはネガティブな側面が多い印象のある司法書士ですが、成年後見制度の代理業務は今後の需要が見込まれています。

成年後見制度とは、知的障がい者や認知症患者といった、判断能力が著しく欠けた被後見人に代わって、司法書士などが契約や消費行為の判断を代理する制度のことです。保険やマンションなどの大型契約をする場合は、判断力が欠如している認知症患者の場合は不利な立場に立たされるケースがあるためです。

業者側の不当行為によって、弱者に対して不利益を生じないようにサポートを行う事が成年後見人制度ということになります。

高齢化社会の加速と比例して、認知症患者の増加が見込まれます。成年後見人として依頼者が健全に社会生活を送れるようにサポートをする司法書士の重要性が高まる事は間違いありません。

また、身内が成年後見人として付くケースが以前は多くみられましたが、身内が財産を使い込んでしまうと言った悲しいケースもあり、法律家である司法書士などに依頼する事で安心感が得られるというメリットも大きいと言えます。

5 司法書士の収入をUPさせるなら独立開業orダブルライセンス取得がおすすめ! 

司法書士の独立開業を成功させるには、営業力だけでは安心できません。営業するにあたっても、他の司法書士事務所との差別化が重要なためです。

どのように差別化を図れば良いのでしょうか?

他の司法書士事務所との差別化を実現するには、“得意分野に特化する”必要があります。

例えば、近年注目されている信託業務や成年後見業務、債務整理や過払い請求に特化するなどです。

高い専門性を武器にする事で、ある一定の分野で悩んでいるユーザーから優先的に選んでもらいやすくなります。得意分野に特化し高い専門性を持つ事によって、安定した経営に繋がる事が期待できます。

司法書士を目指すのであれば、将来どの分野を専門的にやりたいかを考えておく事をおすすめします。

ここでは、稼げる司法書士になるための方法として、以下の内容を詳しくご紹介します。

 

・独立開業が稼ぐための近道

・営業力を身につける

・得意分野で差別化する

・ダブルライセンスを取得する

ご自身の将来設計を楽しみながら行ってみてください。

ぜひ、ご参考になさってくださいね。

case1 独立開業

希望する年収によっても異なりますが、年収500万円以上を望むのであれば独立開業をおすすめします。前述の通り、勤務司法書士では稼げる年収が限られているためです。

 

また、「司法書士の独立開業はリスクが小さい」という点も、おすすめする理由のひとつになります。司法書士の独立開業は、大きな資金がなくてもできるうえ、在庫を抱える心配も、借金を負う心配もありません。さらに、仮に失敗したとしてもまた勤務司法書士に戻ることができるためです。

 

そのため、稼げる司法書士になりたいのであれば、一度は独立開業を目指してみてはいかがでしょうか。ローコストでハイリターンを目指せるため、チャレンジする価値が大いにあるのではないでしょうか。

 

また、日本司法書士連合会では司法過疎地において積極的に開業しようとする司法書士または司法書士法人に対して財政支援を行っています。

参照元:日本司法書士連合会司法過疎地開業支援事業」 

 

財政支援は嬉しい事ですが、何よりも司法過疎地において地域に根付いた法律家として活躍する事ができる事は、大きく社会に貢献する事ができますので、法律家冥利に尽きると言えるのではないでしょうか。

 

また、独立開業をしながら予備校の講師を行っている司法書士の先生もいらっしゃいます。

とても社会貢献度の高い資格である事は間違いありませんね。

case2 ダブルライセンス取得

ここまで司法書士の独立開業についてご紹介しましたが、ダブルライセンスを取得することで市場価値を高める方法もあります。司法書士資格との相性の良い資格代表例は、以下の通りですのでご参考になさってくださいね。

 

・宅地士

・FP

・行政書士

・税理士

・公認会計士

・弁理士

・社会保険労務士

・土地家屋調査士

・不動産鑑定士

 

上記の例は、いずれも法律関係の資格や社会生活を送る上で密接に関連した資格です。そのため、司法書士資格との相性が良く、切っても切れない関係であると言えますよね。

特におすすめなのは、行政書士宅地建物取引士です。

まず行政書士ですが、試験科目に共通点も多いため、司法書士資格を合格した人なら比較的容易に取りやすい資格です。さらに業務上の関連性も深く、報酬の相乗効果も見込めます。

次に宅地建物取引士ですが、先ほど挙げたダブルライセンスの中では比較的取得難易度が低い資格です。さらに不動産と司法書士は、不動産登記などで非常につながりが深いため、効率的に市場価値をあげることができます。

このように、ダブルライセンスを取得する事で自らの市場価値が上がり、勤務司法書士と独立司法書士問わず収入アップに繋がるなどのメリットがあります。

case3 営業力のスキルを上げる

司法書士で独立開業した場合、司法書士業務だけで成功する事は簡単ではありません。なぜなら、飛び込みできてくれるお客さんが非常に少ない業種だからです。さらに司法書士には定年がなく、競争相手は増える一方です。

そのため、独立開業したあとは、営業活動をしながら顧客を増やしていく必要があります。その際の主な営業先は、不動産屋や銀行、企業など、つまり法人です。

したがって、司法書士の独立開業を目指すのであれば、法人営業を経験してみるのも良い経験となるのではないでしょうか。しかしながら、既に法人営業の仕事を経験している人はさておき、受験生時代に新たに法人営業を行いながら勉強する事は現実的ではありませんのでセミナーなどを利用する方法もあります。

小さな努力が後々、独立開業した後の成功率にも大きく影響するはずです。

司法書士は、資格を保持しているだけで稼げる資格ではありません。稼げるようになるためには、時代の流れを感じ取り『経営力を鍛える』『ダブルライセンスでスキルアップを図る』などの司法書士業務以外の努力が必要不可欠です。

6 サマリー

司法書士の年収は決して低くなく、むしろ高い方にあります。ただし、新米の司法書士は低収入となる傾向が否めません。また、地方や中小の事務所に所属している場合は低収入となります。こうした現状を打破するためには、独立開業やダブルライセンス取得など自身のスキルアップを図る事で高収入を狙える魅力的な仕事です。

7 まとめ

  • 司法書士試験の試験方式は①択一式(午前・午後)②記述式(午後)③口述とあり、『基準点』のみならず『合格点』に至らなければ最終合格できない
  • 司法書士は不動産権利や法人の登記などを主な業務としている
  • 司法書士の年収が低い、仕事がなくなるなどと言われている理由は①働き方や②年齢③地方格差などにより異なる
  • 司法書士の平均年収は250万円~600万円程度
  • 他の士業と比較しても年収は高い方に位置づけられる
  • AIやマイナンバーなどによって仕事を奪われる可能性があるが、高い専門性と人間力を持っていれば高齢化社会によるニーズも確実にある
  • 独立したほうが高収入を得やすいが、成功するためには営業力や得意分野における高い専門性を持っている事が必要
  • ダブルライセンス取得で勤務司法書士・独立開業司法書士問わず高収入が期待できる
  • 独立開業ダブルライセンス取得は年収アップが見込める!

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