司法書士試験の難易度は高い!難易度が高い理由を徹底解説!

司法書士試験の難易度は高い!難易度が高い理由を徹底解説!

司法書士試験の難易度は非常に高いといわれます。しかし、何を根拠に難易度が高いといえるのか、明確にはわからない人も多いのではないでしょうか。

 

そこで本記事では、司法書士試験の難易度が高いといわれる理由を、合格率の低さ合格に必要な勉強時間といった客観的事実から徹底的に解析します。ぜひ、司法書士試験受験の参考にしてみてください。

 

1 司法書士試験は難関国家試験のひとつ

 

司法書士試験は、公認会計士や税理士と並ぶ難関国家試験のひとつといわれています。その理由のひとつは、圧倒的な合格率の低さです。司法書士試験の合格率は他の国家試験の中でも低く、2019年度の試験では全受験者のうち4.4%しか合格できていません。

同じく難関資格といわれる税理士の合格率が約15%〜20%あることからも、非常に低いことが分かります。

もちろん合格率だけで難易度が完全に推し量れるわけではありませんが、難関国家試験であることは間違いありません。

 

(1) 司法書士試験の概要

司法書士資格の取得難易度を知るためには、まずはどういう試験なのかを知ることが大切です。ここでは、司法書士試験について大きく以下の3点に分けてご紹介します。

・司法書士に必要な知識を判定する試験

・試験の出題形式

・合格基準点

司法書士試験がどういう試験なのか、ここでしっかり把握しておきましょう。

 

① 司法書士に必要な知識を判定する試験

司法書士試験は、司法書士に必要な知識や応用能力を保有しているか判別するための試験です。「民法」「不動産登記法」「商法(会社法)」「商業登記法」の主要4科目と「民事訴訟法」「民事執行法」「民事保全法」「供託法」「司法書士法」「憲法」「刑法」のマイナー科目(7科目)を合わせた11科目すべての知識を問われます。

試験範囲が広いことも、司法書士試験の難易度が高い理由の一つです。

② 試験の出題形式

司法書士試験の出題形式には、択一式記述式口述式の3種類があります。実際の試験の流れについて以下の表にまとめたので、確認してみてください。まずは例年7月の第1日曜日に実施される筆記試験です。

 

午前の部

試験時間 9:30〜11:30の2時間
試験形式 5肢択一式(マークシート)
試験範囲 憲法、民法、商法(会社法)、刑法

 

午後の部

試験時間 13:00〜16:00の3時間
試験形式 5肢択一式(マークシート)/記述式
試験範囲 不動産登記法、民事保全法、民事執行法、司法書士法、

供託法、商業登記法、民事訴訟法

 

午後の部の不動産登記法と商業登記法では、登記申請書の記載事項や判断理由などを問う記述式問題が出題されます。このように、マークシートだけでなく記述試験もあることが司法書士試験の難易度を上げている一因です。

 

また、筆記試験に合格したからといって司法書士試験に合格できるわけではありません。筆記試験に合格した受験者を対象に、例年10月第2火曜日か第2水曜日に口述試験が実施されます。口述試験の内容は以下の通りです。

 

試験時間 1人15分程度
試験形式 口述式
試験範囲 不動産登記法、商業登記法、司法書士法(心構えや一般常識)

 

上記の口述式の試験を合格して初めて司法書士試験に合格できます。試験官2人からの質問に答える面接形式なので、緊張する人もいるかもしれません。

しかし、口述試験に落ちる方はほとんどいないのが実情です。そのため、リラックスし自信を持って口述試験に挑んでください。

 

③ 合格基準点

司法書士試験は、5肢択一(午前)、5肢択一(午後)、記述試験と、すべての試験で合格基準点を上回っていないと合格できません。そのため、すべての科目をまんべんなく勉強する必要があります。

この合格基準点が、宅地建物取引士試験のように「苦手な問題は捨てる」という勉強法ができない理由です。合格基準点も司法書士試験の難易度を上げている要因です。

 

(2)司法書士試験合格に必要な勉強時間

法律初学者が司法書士試験合格するために必要な勉強時間は、約3,000時間といわれています。ちなみに3000時間という学習時間は、英語を習得するのに必要な時間と同じだそうです。

 

① 約3,000時間の勉強が必要

法律初学者が司法書士試験に合格するためには約3000時間の学習時間が必要です。ちなみに、同じく国家資格である宅地建物取引士の取得に必要な勉強時間は約300時間と言われています。国家資格の中でも難易度が高いことがわかるでしょう。

ただし、3000時間というのはあくまで最短の目安になります。実際には、もっと時間をかけている人がほとんどです。司法書士試験合格を目指す場合は、余裕を持った学習プランを立てる必要があります。なぜなら、3,000時間を超えて勉強をしたとしても、合格できなかったときにすぐ挫折する可能性があるためです。

余裕を持って学習プランを立てることで、挫折することなく、司法書士資格の取得に向けて勉強することができます。

 

② 2~3年の試験勉強が一般的

たとえば司法書士試験に合格するために1日3時間勉強した場合、3,000時間勉強するまでに1,000日かかります。つまり約3年です。しかし、実際には勉強できない日や逆に休日などで多く勉強できる日があり、予定通りとはいかないでしょう。

実際に司法書士資格を取得した人達の平均勉強期間は、専業の受験生で12〜15か月、兼業の受験生だと2年〜3年かけるのが一般的です。

司法書士試験を受験する人の大半が兼業の受験生であることを考慮すると、合格までに2年〜3年程度は必要だと考えたほうがよいでしょう。

③ 短期間での合格は可能?

短期間での合格は決して不可能ではありません。ただし、短期間とはいっても初学者が3ヶ月程度で取得するのはほぼ不可能なレベルです。最低でも1〜2年の勉強期間は必要になります。

かなり可能性は低いものの、人によっては1年~2年で合格できる、という程度に考えておきましょう。仮に短期合格を目指すのであれば、徹底的に効率の良さを求めないと厳しいです。そのため独学での学習は厳しい道のりといえるでしょう。

通信講座や通学講座の受講を検討してみるのもひとつの手段です。

 

(3) 司法書士試験の合格率

司法書士試験の合格率は3〜4%と、非常に低い数値で推移しています。この理由は、上記で解説した「問題の難しさ(出題範囲の広さ)」「基準点での足切り」だけでなく、記念受験をする人が一定数いることも関係しています。

ただし、「基準点での足切り」と「記念受験をする人が一定数いる」というのは、根本的には同じともいえます。言い換えると、記念受験をする人が基準点で足切りされてしまうため、合格率が低くなってしまっているのです。

司法書士試験は受験資格が必要ないことから、記念受験が可能です。そのことが合格率を下げていることも少なからず背景にあるでしょう。そのため、実質的な合格率はもっと高い数値になることが考えられます。

それでも司法書士試験が難易度が高いことは間違いないので、試験勉強や試験対策は万全にして試験に挑みましょう。

 

(1) 司法書士試験 受験者数・合格者数の推移

受験者数と合格者数の推移から司法書士試験の現状について解説します。受験者数と合格者数の推移は以下の通りです。

年度 受験者数 合格者数 合格率
2019年 13,683人 601人 4.4%
2018年 14,387人 621人 4.3%
2017年 15,440人 629人 4.1%
2016年 16,725人 660人 3.9%
2015年 17,920人 707人 3.9%

 

上記から、受験者数と合格者数は年々減少していることが分かります。また微増ではありますが、合格率は上昇傾向です。

 

(2) 司法書士試験と他の資格との難易度の差

司法書士試験の難易度が高いのは間違いありませんが、他の国家資格と比較した場合についてはどうでしょうか?受験資格がない資格で、不動産業界でもよく知られる「宅地建物取引士」と比較してみます。

「宅地建物取引士」の合格率は約15%〜17%です。司法書士資格の約3〜4%と比較すると、約5倍近い倍率であることが分かります。

さらに、合格のために必要な勉強時間は「宅地建物取引士」が約300時間です。司法書士資格合格に必要な勉強時間とされる約3000時間と比較すると、10倍もの勉強時間が必要なことが分かります。

上記から、司法書士資格は宅地建物取引士資格と比較して、単純に見ても5〜10倍程度時間がかかり、難しい資格といえます。宅地建物取引士の資格も決して簡単な資格ではないことを考えると、司法書士資格の難易度は非常に高く、難関資格と言われるのも理解できるでしょう。

 

2 司法書士試験の難易度が高い理由

司法書士試験の難易度が非常に高い理由には、以下のことが考えられます。

・科目数が多い

・記述式問題がある

・基準点による足切りが行われる

・相対評価である

それぞれ詳しく解説していきます。

 

(1) 科目数が多い

司法書士試験の科目は、メイン4科目とマイナー科目(7科目)に分けることができます。ちなみに上述の宅地建物取引士試験の科目数は4科目です。司法書士試験の出題範囲がいかに広いか分かるでしょう。

メイン科目は当然配点も高く、合格するために相当な時間の勉強が必要です。一方、基準点による足切りがあるためマイナー科目も捨てるわけにいきません。つまり、捨てる科目を作れず、膨大な試験範囲を全てまんべんなく勉強していく必要があるわけです。

全部で11科目の対策をしなければならないという試験範囲の広さが、司法書士試験が難関といわれる最大の理由です。

 

① メイン科目

司法書士試験でのメイン科目とは、「民法」「不動産登記法」「商法(会社法)」「商業登記法」を指します。いずれも問題数も配点も高いため、絶対に落とせない科目です。しっかり時間をかけて対策することで攻略していきましょう。

 

② マイナー科目

司法書士試験でのマイナー科目とは、「民事訴訟法」「民事執行法」「民事保全法」「供託法」「司法書士法」「憲法」「刑法」を指します。それぞれの問題数や配点は高くありませんが、基準点による足切りがあるため、しっかり勉強する必要はあります。それぞれの特徴を押さえた対策が欠かせません。ただし、勉強時間のかけすぎは非効率なので、注意しましょう。

 

(2) 記述式問題がある

司法書士試験の問題は、ほとんどが5肢択一式です。しかし、不動産登記法と商業登記法には記述式問題があります。この記述式問題が、司法書士試験の難易度を上げている要因のひとつです。

全く分からなくても選択肢の一つを選べば正解する可能性がある択一式問題に比べて、記述式問題を解くためには出題範囲全体に関する深い理解が必要になります。ただ暗記するだけでなく、暗記した知識を正しく利用して、答えを導き出す必要があるのです。中途半端な覚え方では通用しません。

勉強する際も、しっかりとポイントを押さえて覚えていく必要があります。

 

(3) 司法書士試験は基準点による足切りが行われる

司法書士試験には、受験資格が必要ない代わりに基準点による足切り制度が設けられています。この基準点は、5肢択一(午前)、5肢択一(午後)、記述試験に設けられており、苦手なマイナー科目を捨てることができない大きな原因になっているのです。

また基準点の点数も毎年7割程度と高く、基準点を超えることができない割合は受験者全体の約85%と非常に多いのが特徴です。このことから、基準点による足切りが司法書士資格の難易度を大幅に上げていることが伺えます。

 

(4) 相対評価である

司法書士試験では、合格基準に相対評価を採用しています。相対評価とは、受験者の上位何%だけ合格させるというものです。つまり極端なことをいえば、例年なら余裕で合格している点数を取っていても、その年の受験生のレベル次第で落ちる可能性があり得るのです。

試験問題が例年に比べて簡単だった場合も、得点が全体的に底上げされる可能性が高いため、単純に合格率が上がるわけではありません。

当然FP資格のような絶対評価を採用している資格と比較すると、合格率は下がります。したがって相対評価を採用していることも、司法書士試験の難易度を上げている一因です。

 

3 サマリー

司法書士試験の難易度が高い理由を、合格率や合格するために必要だとされる勉強時間等の客観的事実から、徹底的に解析しました。

 

司法書士試験の難易度は非常に高く、受験することを諦める人も多い試験だと思います。しかし、ただ単に難易度が高いから諦めるのではなく、対策を立てて効率よく勉強することで、合格することは十分可能です。

 

4 まとめ

  • 司法書士試験は難関国家資格の一つであり合格率は4%前後と圧倒的に低い
  • 司法書士試験の難易度が高い要因は『司法書士に必要な知識を判定する試験』『試験の出題形式』『合格基準点』の3つ
  • 主要科目は「民法」「不動産登記法」「商法(会社法)」「商業登記法」の4科目、マイナー科目は「民事訴訟法」「民事執行法」「民事保全法」「供託法」「司法書士法」「憲法」「刑法」の7科目と広範囲(合計11科目)に及ぶ
  • 司法書士試験の出題形式には、択一式記述式口述式の3種類がある
  • 司法書士試験は『基準点』だけではなく『合格点』を満たさなければ足切りされ最終合格できない
  • 司法書士試験に合格するための勉強時間は約3,000時間で、専業受験生で12〜15か月、兼業受験生で2年〜3年かけるのが一般的
  • 司法書士試験は“捨て科目”を作らず満遍なく勉強する事が必要だが、科目ごとの特徴をおさえメリハリをつけた勉強計画が功を奏する

 

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