経営コンサルタントとしてだけでなく、企業と行政、企業と他資格民間専門家との橋渡し役も診断士の役目

中小企業診断士はもともと、国や都道府県に協力するという公的資格として存在していたのですが、2001年に中小企業支援法に基づき国家資格となりました。
行政改革と共に国家資格が廃止される傾向にある中、新たに国家資格に格上げされたということは、中小企業診断士の重要性を暗に示しているといってよいでしょう。
失われた20年といわれた時代において、診断士は日本経済再生の重要なファクターとして期待されているのです。
しかし実際のところ、中小企業の数が420万社あるとされるのに、診断士は2万人程度とされています。
中小企業診断士はまだまだ足りておらず、需要も大きいという実情です。
国は診断士の質的向上の追求はもちろん、2006年に試験制度を改定し、科目合格制度を設置するなどして総数の拡大を図っています。
さて、今の日本において診断士に求められている役割はどんなことでしょうか。
まず第一に、診断士業務の花形である経営コンサルタントとしての役割です。
診断先企業の経営環境分析や資料分析を通じ、経営戦略の策定・提案を行うというものです。
第二に、行政と企業を繋ぐパイプ役としての役割です。
国は中小企業のために様々なサービスを提供していますが、肝心の中小企業にそれが通じないことも少なくありません。
診断士はそこを繋ぎ、中小企業がサービスを受けられるように図るというわけです。
最後に、企業と他の民間専門家との橋渡しとしての役割です。
企業の悩みを幅広く聞き、案件ごとに弁護士などの専門家を配置する「コーディネーター」の仕事も、診断士の業務になってきています。
どれも非常に重要な業務ですが、こういったことを行っている業種は多くありません。
だからこそ、中小企業診断士はまだまだ需要があるのです。