社労士試験の難易度 〜 行政書士・診断士・税理士試験との比較

社労士試験の難易度 〜 行政書士・診断士・税理士試験との比較

これから資格試験を検討する方にとっては、それぞれの資格試験にはどんな特徴があるのか気になるところだと思います。そこで、社労士試験と隣接する資格の比較をしてみましょう。

1 令和元年度の社労士試験の合格率は6.6%

受験者数・合格率ともに、前年度(平成30年度)と比較すると、ほぼ横ばいとなりました。

働き方改革を始めとして、社労士が扱う労働問題がニュースなどで頻繁に取り上げられるようになり、資格に対する注目度は依然として高いままです。

社労士試験はテスト一発勝負です。どんなに勉強を積み上げたとしても、その日の調子が悪くていつもの実力が出せなかったとしたら、また1年間やり直しということになります。そのやり直しの間に、法改正が頻繁に行われるのも、この試験の特徴です。

「不合格だったけど、〇点取ったから来年は有利になる」ということはありません。逆に考えると、初学者にとって、先に勉強を始めているライバルはそれほど脅威ではないということになります。

つまり、社労士試験は実力をつければ比較的短期間でも合格でき、巡り合わせが悪ければ実力があっても合格できない可能性もある試験なのです。ある意味、社労士試験はギャンブル性が高い試験と言えるかもしれません。

2 行政書士試験の場合

行政書士も社労士と同じく、テスト一発勝負です。また合格率も社労士に近く、どちらも10%前後で推移しています。行政書士の試験でも2%という年がありました。試験の特徴としては似ているように見えます。

違いとして、社労士の受験資格は学歴などある程度制限されているのに対して、行政書士は誰でも受験できる資格になっています。平成28年度の最年少合格者は14歳!

行政書士は通信教育でも人気の高い資格です。行政書士という名前は世間的に認知度が高い一方で、その仕事の中身はよく知られておらず、「とりあえずやってみよう」と勉強を始めるハードルが低くなるからです。結果として、初学者が社労士試験に比べて多くなっていると推測されます。

行政書士の合格率の低さは、単純に難易度の高さを表しているだけではなく、分母となる受験者のレベルも影響しているのです。

3 中小企業診断士試験の場合

中小企業診断士の試験は、1次・2次の2回に分かれ、いずれにも合格する必要があります。

1次試験は7科目あり、科目毎に一度合格すると3年間の有効期間があります。つまり、3年間で7つの科目を合格すればよいことになります。また、1次試験に合格すると、2次試験が不合格でも次回までなら再チャレンジができるようになっています。

合格率はそれぞれで20%前後という年が多いようです。

受験資格は行政書士と同じく、学歴等の制限はありません。しかし、中小企業診断士は他の士業と違って独占業ではないため、「資格を取れば安泰」と考える人は試験を受けません。

また2次試験は選択式ではなく記述式なので、暗記だけではなく、ある程度の論理性が問われます。したがって、ビジネスへのモチベーションやスキルが非常に高い方が受ける傾向にあります。初学者はやや入りにくく、分母となる受験者のレベルは社労士、行政書士よりも高いと言えるでしょう。

4 税理士試験の場合

税理士の試験は科目が複数にわたり、うち5科目で合格をする必要があります。科目毎に合格率は違いますが、だいたい10%~20%の間です。

一度科目に合格してしまえば、有効期間もなく、その科目をやり直す必要はありません。もちろん、どの科目も簡単な試験ではなく、1年程度ですべて合格できる可能性は低いでしょう。しかしコツコツと勉強していけば、その合格の可能性はぐっと上がることになります。

税理士も社労士と似たような受験資格を設けています。さらに税理士はその名前から税金を扱う職業であるという認知度が高いので、ある程度税金の扱いに知識や経験が無いと取っ付きにくい資格でもあります。受験者の層は他士業に比べて狭いと言えるでしょう。

5 まとめ

ここまでの内容をまとめると、

初学者が入りにくい 税理士>中小企業診断士>社労士>行政書士 初学者が入りやすい
テスト一発勝負   社労士>行政書士>中小企業診断士>税理士 コツコツ積み重ね

といったところでしょうか。

このような特徴を参考に、皆さんの興味関心の分野や現在の仕事と合わせて、挑戦する資格を選んでみるのも良いかもしれません。

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