社会保険労務士(社労士)の年収

社会保険労務士(社労士)の年収

社労士の年収

Googleの検索窓に「社労士」と打つと、たいていサジェスト機能の上位に「年収」と表示されます。「お金じゃないよ」と言いながら、受験者がちらちら気になるのは当然でしょう。

ところが、実際に社労士の平均年収を調べてみようとすると、実は正確なデータというのはどこにもありません。400万程度というデータもあれば670万円というデータもあります。何を信じればよいのでしょうか?

1 社労士の年収の実際

一般的に社労士と言っても、それは「開業」「勤務等」に分かれます。この2つは収入の元が大きく違いますので、この2つを混ぜて平均を出しているデータは意味がないと思ってください。

「勤務等」の場合、会社の給与がそのまま年収になります。

社労士資格を持つことで、資格手当をいくらか多くもらうことはあっても、飛び抜けて会社の中で高い給料をもらうことはないでしょう。資格を持っているかどうかではなく、その方の年齢や役職、会社規模といった資格とは関係ない要素で年収が決まるので、「勤務等」の平均を見て社労士の年収の多寡を語っても意味がありません。

「開業」の場合、その方の仕事のスタンスによって大きく収入が変わってきます。

バリバリと稼いでいる方もいれば、定年後にのんびり仕事をしている方もいます。社労士試験を受ける方の約25%は50歳以上です。老後の蓄えを持ちながら、定年後のセカンドライフとして開業して、小遣い程度だけ稼いでいるという方も相当数いらっしゃいます。

また、開業1~2年はどうしても年収としては低くなりがちなので、このような方を含めて平均年収を出すと、どうしても低くなってしまいます。この低い年収を理由に「食えない資格」などと評する方がいるのも事実です。

「開業」の年収としてあえて目安を出すとすれば、事務所の売上高が700万円を超えているかどうかと開設年数の相関についてアンケートを取ったもの(※)があります。年商700万円というのは一人の社労士でも達成できる金額であり、年収に近い金額になります。それによると、開業3年~10年で700万を超えている事務所が30%程度25年以上経っている事務所だと90%まで割合が上がります。

もちろんこの数字は、前述の「稼がなくても良い社労士」をかなり含んでいますので、あなたが社労士としての研鑽を怠らなければ、十分手が届く売上高だと考えてください。

開業後数年で1000万、2000万円と稼いでいる方もいます。開業する、ということは個人事業主になることです。すべてはあなたのセンスとやる気次第、と言えるでしょう。

2 結果論としての年収

それよりも考えていただきたいのは、「なぜ年収を気にするか」ということです。私は大抵の方は「その資格を勉強することによるコストパフォーマンス」を見たいのだと思っています。つまり、勉強に耐える苦しさと得られる報酬とのバランスです。

気持ちはわかるのですが、それを気にしても仕方がないとお伝えしておきます。

はっきり言ってしまえば、資格を取るだけでは増える報酬は、勤務等が得られるわずかな資格手当だけです。そんな手当すらない会社の方が多いでしょう。会社員が勤務社労士として年収を上げるには、社内で労働問題に取り組み、社内の課題を解決して評価を上げる必要があります。開業すればむしろ報酬ゼロからの出発です。

資格取得の結果として年収が上がるのではなく、資格取得をスタートとして結果を出して初めて年収が上がるのです。検索結果で得られた年収をあなたが得られるかどうかは資格を取得したことではなく、資格取得後に研鑽を積んだかどうかによって決まるのです。全体的な社労士の年収を気にする前に、このことをぜひ念頭に入れていただきたいと思います。


社会保険労務士総合研究機構
社会保険労務士の業務が中小企業のコンプライアンス・業績・産業保健に及ぼす 効果に関する調査研究最終年度報告書(平成年1月~平成年月)社会保険労務士アンケート調査結果(速報)その5

社会保険労務士カテゴリの最新記事