社労士を目指すのであれば、教科書の内容だけを理解しておけば良いというものではありません。日ごろからニュースに耳を傾けて、世の中の変化を掴んでおく必要があります。
では、受験生の皆さんは日ごろのニュースをどのように受けとめておけば良いでしょうか?
目次
1 ニュースに疑問を持ち、調べてみる
まず、ニュースでよく聞くキーワードについて、敏感になっておきましょう。
最近であれば「働き方改革」「同一労働同一賃金」「ブラック企業」といった言葉でしょうか。このような言葉がニュースで出たら、まず耳を傾けてください。
そして、ニュースを聞きながら「そもそも」「どうして」という疑問形を作ってみましょう。例えば「そもそも、働き方改革って何?」「どうして働き方改革が今必要なの?」といった感じです。思いついたままで良いです。
その疑問はさっとスマホやインターネットなどで調べてしまいましょう。とりあえずメモしておいて後で調べるということにしても結構です。「今度、詳しい人に聞いておこう」では忘れてしまいます。
とにかく、疑問に思ったことを忘れないうちに答えを出しておくことが大事です。
2 法律との関係性を確認する
次に、現在の法律との関係性を確認します。これも「どうして」の延長です。
例えば現在、残業時間の上限設定について、働き方改革の中で議論されています。ある程度社労士試験の学習をされている方は、法定外労働を従業員にさせるためには36協定と呼ばれる届出が必要なこと、36協定の法定外時間には労働基準法に既に上限が定められていることをご存知だと思います。
労働基準法の上限を超えた残業時間にまた上限を設けるとは「どうして」でしょうか。ここから先は、ぜひ自分で調べてみてください。
この「疑問を作る⇒答えを見つける」というプロセスは、記憶に強く定着します。教科書に載っていることを覚えるより、遥かに能動的で楽しい作業だからです。さらに答えを調べていく過程で、自分が求めていた答え以外にも様々な情報が手に入るという副産物もあります。
3 おわりに
一つのニュースからいろいろな連想ゲームをすることで、教科書に書いてあることをノートに取るよりもたくさんのことを覚えられるはずです。コツは、何となく理解していることをそのままにしない、ということです。ブラック企業がけしからんのは誰でも理解できますが、その企業がどの法律のどの条文に違反しているのか説明できますでしょうか。
同一労働同一賃金の方が良いに決まっているのですが、では「同一」とは何が同じであることを指しているのでしょうか。何となく空気として横たわる正義や常識をいったん横に置いて、自分がその言葉を本当に理解しているか、自分に問いかけてみてください。
今、皆さんが開いている教科書の内容は、すべて現実として結びついているものばかりです。ニュースだけではなく、日々の生活や仕事の中にある「そもそも」「どうして」に耳を傾けてみましょう。
社労士の試験に限らず、物事を理解するヒントはきっとそこにあります。