社会保険労務士(社労士)の難易度は高い!?合格までの道と合格後の未来とは

社会保険労務士(社労士)の難易度は高い!?合格までの道と合格後の未来とは

はじめに

社会保険労務士は通称社労士とも呼ばれ、毎年約4~5万人(ここ10年の平均)もの人数が試験突破に挑戦している人気の資格です。

そして、その難易度は、だいたい6.5%(ここ10年の平均)です。

受験者数も多少減少傾向にあるものの、ここ数年横ばい状態といえます。

そこで本記事では、社労士の難易度と、その試験突破方法について解説していきます。

社会保険労務士試験、通称社労士試験がどのくらい難しいのか?という点を知りたい方は必読の内容です。

ぜひお読みくださいね!

1、社会保険労務士(社労士)ってなに?

(1)社労士という資格はどういったものなのか

社労士は、昭和43年6月に社労士法(社会保険労務士法)によって制定された国家資格です。

社労士制度を定めた理由について、社労士法1条に「労働及び社会保険に関する法令の円滑な実施に寄与するとともに、事業の健全な発達と労働者等の福祉の向上に資することを目的」として制定されたと明記されています。

簡単にいうと、労働者に関する入社から退職までのさまざまな手続きと労働問題等に関する全ての業務の専門家です。

そして、それに関わる、労働基準法・労災・雇用保険・健康保険・介護保険・国民年金・厚生年金・労働安全・労働衛生といった全ての法律に関わる書類・帳簿の作成や諸手続を円滑に行います。

経営者に対しては、人事・労務コンサルタントとなることができます。

具体的にいうと、人事・労務のさまざまな業務、職場や企業の悩みといった問題に相談に乗り、指導まで行う、その業務の範囲は幅広く、総括的に企業づくりの支援を行う専門家なのです。

このように多岐に渡る社労士業務は、次の3つに分けられています。

  • 1号業務
    労働社会保険諸法令(雇用保険・社会保険・労災保険)に基づく加入・脱退・給付の申請書作成と届け出の代行
  • 2号業務
    ①労働者楷書法令に基づいた帳簿作成(労働者名簿作成・勤怠関係の出勤台帳、賃金計算を士賃金台帳作成等)
    ②就業規則・改訂(義務化された10人以上はもちろん10人未満の企業も含む)、会社設立届け
    ③36協定等の各種労使協議会の作成や届け出、その他書類作成
  • 3号業務
    労務管理その他の労働及び社会保険に関する事項についての相談及び指導
    ①採用に関する事
    ②補助金申請を含む資金調達
    ③労働関係のトラブルの相談(ハラスメント対策を含む)
    ④労働安全衛生に関する相談や指導
    ⑤社員教育等のサポート支援業務・・・etc.

この3種類の業務の内1号業務・2号業務は、社労士の独占業務として法で定められています。

つまり、他の士業が、この1号・2号業務に関して報酬を得て仕事をすることは禁止されていますので、社労士の重大な仕事の一つともいえます。

一方、3号業務については、いわば人事・労務等のコンサルティング業務ですから、弁護士・司法書士・税理士その他経営コンサルティングと称する人々が携わることができる競合業務です。

しかし、1・2号業務が社労士独占業務ですから、3号業務を得意とする社労士の場合は、1号・2号・3号の全ての業務を一括して請け負う可能性が高まります。

そして、1・2号業務よりも3号業務の方が圧倒的に報酬単価が高く、信頼を得れば顧問契約も可能となるので、開業社労士としては、3号業務を得意とすることが社労士事務所の利益向上に直結します。

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 (2)社労士試験の概要、受ける層、合格率について

①社労士試験の概要

社労士試験には受験資格があり、次の3つのいずれかに該当しなければなりません。

  • 学歴
  • 指定した職種の実務経験通算3年以上
  • 厚生労働大臣が認めた国家資格合格者

詳しくは、「社労士の受験資格|社会保険労務士試験オフィシャルサイト」をご参照下さい。

受験申込時には、受験資格を満たしていることを示す証明書が必要です。

受験の申し込みは、「社会保険労務士試験の実施について」の厚生労働大臣の官報公示(毎年4月中旬)から5月31日(郵送の場合は消印有効)までの間です。

試験は毎年8月第4日曜に1日で行われます。

午前中(10:30~11:50)80分で選択式(8科目:40点満点)、午後(13:20~16:50)210分が択一式(7科目:70点満点)で行われます。

とくに午後の択一式試験が長丁場で、知力だけでなく体力も必要です。

試験科目が多く、通称「足切り」という合格基準点が科目ごとに設定されていますので、合格率を狭き門にしています。

合格発表は、11月に官報で行われますが、数日遅れで郵送でも結果を知ることができます。

 

②受験者の厚生について(年齢・職種等)

平成30年11月9日、厚生労働省が今年の社会保険労務士試験の合格者のデータを発表しました。

合格率6.3%で、最年少合格者が20 歳、最高齢者合格者は 84 歳でした。

厚生労働省の発表データは以下の通りです。


※2018年11月9日、厚生労働省報道発表「第50回社労士試験合格発表」より抜粋データ

③合格率

厚生労働省報道発表「「第41~50回社労士試験合格発表」のデータを引用して、過去10年(平成21年~30年)の受験者数と合格率を表とグラフにまとめたので、詳しく見ていきましょう。

これを見ると平成27年から合格率の低迷が始まっているのがわかります。

とくに平成27年の2.6%という合格率は、驚きです。

社労士法が同年4月に改正されて、「社労士の補佐人制度が試験を難しくした」という説もありますが、補佐人は、弁護士や司法書士のような法定代理人制度とは異なり、無資格でもできる被補佐人の代理人としての権利ですから、試験にはあまり関係がありません。

 

しかし、労働紛争に限ってですが、労働紛争委員会で労働者の代理人となれる特定社労士という資格があります。

そして、将来いつか社労士全員が特定社労士資格必須となり、特定社労士の資格を社労士試験に盛り込む予定なのです。

現在は、社労士会会員になって社労士免許を取得した後に特定社労士の特別研修を修了し、試験に合格した社労士のみが特定社労士となれるシステムです。

9月~11月の土日を使って、60時間を超える長時間の難しい研修を受け、特定社労士試験に合格するのは50~60%ほどです。

労働諸問題に関しての裁判外の紛争(調停を含む)全ての代理人となれる大きな権限を持つにしては、比較的高い合格率だと思います。

 

ちなみに試験の採点をするのは弁護士です。

つまり、社労士は将来の特定社労士の受け皿なのですから、特定社労士試験を社労士試験に盛り込むために徐々に社労士試験を難しくしていっているのかもしれません。

現に平成27年以降、社労士試験は7%を切る合格率となっています。

 

2、社会保険労務士(社労士)の合格の難易度は高い?

社労士の合格難易度は5~7%なので、難易度は高い方だと思います。

(1)社労士試験はスピードと体力勝負!

知識の難易度もさることながら、一番の難解な問題は問題数の多さと、長丁場の試験時間です。

しかも8科目もあるのです。

8科目もの試験問題を、選択式(8科目)と択一式(7科目)でいっぺんに行うのが難易度に拍車をかけているのかもしれません。

試験日のスケジュールを紹介します。

  • 午前中 10:30~11:50(80分)     選択式:8科目:40点満点
  • 午 後 13:20~16:50(210分)   択一式:7科目:70点満点

午前中に1時間20分で第1弾の集中力を使い果たしています。

1時間半のお昼休みがあるものの、午後には210分もの長丁場が待っています。

まさに午後の択一式が集中力と持続力と体力の3つが必要な過酷な試験となります。

人間の集中力は2時間が限界ともいわれています。

しかし、社労士試験は3時間半もあるので、択一の最後の方は、午前中の疲れもあって脳の働きも弱ってしまうのです。

それでも、試験までに、脳を鍛えて、午前中1時間20分、午後に3時間半、集中力をじぞくできるようになっていないといけないのです。

勝負は択一式試験です。

時間配分になれて、脳と体力の時間配分の使い方訓練が必要です。

筆者は個人的に、トライアスロン的な資格試験ともいえると思っています。

 

択一の時間配分がどれほど過酷かを紹介!

7科目、各10問ずつ。つまり、1問3分です。

「余裕があるじゃないか」と思いきや、1問の問に対し、10個の解説文の中から正しい解説文を探し出さなければなりません。

1つの解説文を読むのに30秒となります。

でも、見直しも必要です。

全部の見直しをする時間はないので、悩んだ問だけ印をつけて、そこだけ再検討するだけでやっとです。

また、回答欄がズレていないか、そして再検討する時間を考えると、1文10~20秒とすると、それでも10~20分ほどしか余りません。

文章をざっと読んで、○×を直感でどんどん答えていかないと、迷っていたらタイムアウトとなるのです。

しかも、1文10秒ほどで読んでいくのですから、集中力が鈍ったら後半の問題は、理解力・判断力が低下して間違いが多くなります。

足切りがあるので、特定の科目の点数が低いのは致命的です。

 

ですから、社労士試験に挑むには、集中力の持続とスピードはさることながら、集中が低下して文章の理解力が低下しても、それでも解答できるほど、知識の充実を図らなければなりません。

 

社労士の試験会場の椅子は固く高齢になるほど過酷!?

また、社労士試験の試験会場は、大学等の大講義室が多いので、椅子が固く、30代後半~40代でも、既に腰が痛くなって210分持たない人もいます。

2003年くらいまでは、椅子が固いので座布団持ち込み可能、冷え症防止の毛布も可能だったのですが、原因は不明ですが、2004年には座布団も毛布も持ち込み禁止となったと聞いています。

かくいう筆者も腰が痛くなって、途中でトイレに立って、試験管に付き添われ、女子トイレで簡単なラジオ体操の一部をして試験会場に戻った人のひとりです。

時間の浪費をしましたが、身体を大きく動かすと集中力が回復して、筆者はその年に合格できていますので、時間的余裕を持って解答できるよう訓練していたら、この方法はかなり効果的です。

ちなみに筆者は、33歳のときの受験でしたから、大学時代は講義の椅子がこんなにきついなんて思ったこともなかったし、体力にも自信があったので、初めのうちは気にもしていませんでした。

しかし、この椅子が如何にきついかを、前の年に受験した人に聞いたので、その人のアドバイスもあって、素直にこの方法を選択することに初めから決めていました。

その結果、1問5秒で解く練習を前もってしていたのです。

そのお陰で、筆者は途中試験管付き添いでトイレに立っても、自信が無い部分だけ見直す余裕もありました。

このように何が起きてもいいように、時間的余裕を十分に持って、時間配分の訓練をしっかりと行っていれば、長時間試験も突破可能です。

 

(2)試験範囲が広い

社労士の試験範囲の科目数が多いのが特徴です。

  • 労働基準法及び労働安全衛生法
  • 労働者災害補償保険法
  • 雇用保険法
  • 労働管理その他の労働に関する一般常識
  • 健康保険法
  • 厚生年金保険法
  • 国民年金法
  • 社会保険に関する一般常識

それぞれ法律・手続きが異なりますので、類似点はほとんどありません。

こんなに試験範囲が広いのに、1日でいっぺんに試験が行われて、しかも科目ごとに合格基準点(足切り)があるので、苦手科目が1つでもあると、他が全て満点でも、足切り不合格です。

また、いくら満遍なくしっかりと勉強していても、もしも時間配分を間違って最後まで問題が解けなかったら・・・あるいは、回答欄がズレたなんてことがあろうものなら、他の科目でどんなに優秀な成績を収めたとしても、足切りにひっかかってしまうのです。

試験範囲が広いことも社労士試験を難関なものにしているとは思いますが、「基準点(足切り)」が一層難易度を低くしているといえるでしょう。

 

余談|油断ならない一般常識

その科目の中で最も難関なのは、労働管理・社会保険それぞれに関する「一般常識」ともいえます。

一般常識は、試験が行われた年の前年度の世間情勢が試験範囲なのです。

試験が行われる年の5月に前年度の日本の情勢行政の白書が発表されます。つまり、その白書の内容に書かれていることから出題される可能性が高いともいわれています。

過去問や問題集を繰り返してどうにかなるものではありません。

このように、毎年何が出るかわかりません。

政府の政策の報道発表や厚生労働省白書や総務省の調査・統計データをまとめた報告書の報道発表といったところが出題範囲となりやすいので、一応目を通しておくのがお勧めです。

塾や通信教育の問題集や模試は、出題傾向から分析した予想問題を作成しているので、少なくともそれらの問題内容は最低限制覇しておきましょう。

ここで、「社会保険や介護保険なんかが試験を難しくしているのでは?」、と思った方に回答します。

それは、その年の受験者全員が難しいと思っていますので、平均点が下がります。

社労士試験の場合、極端に平均点が低かった場合は、基準点に救済処置が設けられます。

平均点があまりにも低い問題に関しては、全員正解になることもあります。

このように、皆が解けなかった問題は救済して貰えるのです。

つまり、「あなただけが解けない問題」を作ってはダメということです。

そうなりやすいのが、一般常識なのです。

実際、一般常識で躓く受験生は多いのです。

 

(3)勉強時間の確保が難しい

後で紹介しますが、厚生労働省統計データによると、社労士の合格者の半分以上は会社員です。

しかも30代・40代が全体の6割を占めています。

この世代は、会社の仕事が一番忙し世代ですから、この時期に仕事に失敗すると、サラリーマン人生を左右してしまうくらい仕事に重点を置くべき大切な時代ともいえます。

反対に、この世代の仕事人としてのあり方が、将来の自分の人生さえも左右してしまうといっても過言ではありません。

30代・40代は、人間としても仕事人としても左右される年代だといえるのです。

そんな世代に、仕事と社労士の受験勉強の両立は、非常に困難だともいえます。

 

一般的に、社労士合格に必要な勉強時間は「独学では1000時間、通信教育でも500時間」と途方もない数字を耳にしたことがあります。

これは個人差がありますので、一概にはいえませんが、少なくとも初心者は、独学よりは塾か通信教育に頼った方が合格しやすいと思います。

社労士試験の試験範囲のさまざまな法律用語は、簡単な内容でも難解に小難しく解説されているものです。

ですから、ハローワークや年金事務所、社労士事務所のアシスタント等で、社労士業務に直接携わっていた経験がある人でなければ難解な法律用語に着いていけなくなります。

 

会社の勤怠や賃金計算、その他労働法・社会保険諸法令の手続き業務に携わっていた経験のある人でも、実務に関してはベテランでも、それら業務に関する法律用語には不慣れです。

つまり、法律用語初心者は、その難解な法律用語に慣れていく必要があります。

そんな時、塾の講師への質問や、通信教育の質問サービスは天の助けともいえるでしょう。

ただでさえ時間の少ないサラリーマンにとっては、合理的な勉強法の必須アイテムともいえます。

 

また、会社の仕事で疲れた後の集中力は衰えやすいものです。

さらに20代に比べて、記憶力も驚くほど低下していますので、法律用語を、わかりやすい言葉で自分なりに解釈して理解していくには、丸暗記では無く、意味を理解した上での暗記が必須なのです。

理屈を紐づけして暗記していると、衰えた記憶力を補ってくれます。

いわば、難解な法律用語を、あなたの脳の翻訳機にかけてあなたの経験から理解しやすい言葉に変換して、その内容理解が自然な暗記へ繋がっていくのです。

 

3、社会保険労務士(社労士)試験を対策する!合格するには?

(1)参考書の理解を深める

普段使わない難解な文章は、初心者には、もはや外国語のように感じることもあるかもしれません。

ですから、先に述べたことを繰り返しますが、合格するには、とにかく参考書の難解な文章を、自分の経験をもとにした自分なりの言葉に翻訳していくことが大切です。

また、社労士試験は、手続き方法や「こんなときどうなる?」といった応用問題、法律の条文理解、法改正の理解等、とにかく参考書の理解が重要です。

しかし、問題に出やすいところとでにくいところがあります。

そこで、取り敢えず、一通り参考書に目を通し、その難解な文章を頭で正しく翻訳できるようになりましょう。

 

(2)問題集を繰り返す

参考書の文章が、取り敢えず、自分の言葉で翻訳できるようになったら、次は問題集や過去問の繰り返しです。

ただし、たとえ読むだけでは翻訳できたつもりになっても、1回程度参考書を読んだくらいで、問題集をやってもわからないところだらけかもしれません。

もしも全然解けないなら、答えを見ないで、1回目は、参考書で調べて解いていくのでも良いのです。

そして、答え合わせをして、解説文を読みます。

しかし、そこで終わってはダメです。

 

参考書の余白(備考)や但し書き、注意書きまで読むこと!

間違った箇所は、そのことが書いてある参考書部分を探して読みます

初めのうちは、問題集の解答解説に、参考書のページ数を書いていると、時間短縮に役立ちます。

解説文と重なるかもしれませんが、とにかく読みます。

参考書の文章は、1度自分の脳の翻訳機を通っていますので、そちらの文章の方が、頭に入りやすいのです。

 

そして、その参考書の余白にある備考や注意書きにも余すところなく目を通しましょう。

この備考や注意事項や但し書きの内容が意外にも出題されることが多いのです。

「イチイチ参考書を開く理由は?」と思った方、実は理由があるのです。

何度も問題集を繰り返し、何回も間違っていると、参考書のどの辺に書いてあるのかがわかってきます。

その周辺のただし書きや注意事項、備考の解説等も読み直すことで、だんだんとその関連性が、点と点が線となって繋がっていくように理解できてきます。

参考書に書いてないことが回答書の中にあった場合は、参考書に書き込んだりするのもお勧めです。

一度読んだ記憶も甦りますし、その翻訳内容が内容の濃いものになっていきます。

 

問題を解いて、解説文を読んで、さらに参考書の該当部分に備考や注意書きを読んでいく内に、あなたの頭の中で、さまざまな情報が、化学記号が結合していくように結合していくでしょう。

全て、あなたの参考書を基準に理解していくことになります。

この文章を始めて読んだ人は、上手く実感できないかもしれませんが、この方法を騙されたと思って実行すると、それを実感できると思います。

筆者も当時は面倒くさくて半信半疑だったのですが、ある時、参考書の頁を見なくても、どの辺に書いてあったことかがわかるようになっていたのに驚き、参考書が自分の手に馴染んできた気がしたものです。

 

(3)問題集を5回以上は繰り返すこと

1科目の問題集を最低でも5回以上、目標10回行うことを目指しましょう。

(サラリーマンが仕事の後に勉強する場合は、5回が限界かもしれません。)

繰り返していくと、答えを覚えてしまうかもしれません。

でも、そのくらいくらい返すのが、社労士試験合格のカギです。

1回、2回目は、わからないことだらけで、素朴な疑問は出てきにくいものですが、理解が進むにつれて、不思議と素朴な疑問が出てくるものです。

そういった疑問は1つずつ潰していくのがお勧めです。

 

(4)年間スケジュールを決めておくこと

問題集を制覇したら、過去問も制覇しましょう。

仕事と勉強の両立をしている人はなおさらですが、勉強スケジュールを決めておく必要があります

例えば、社労士試験が8月終わりにありますので、9月から勉強を開始するのがお勧めです。

 

1年合格を目指すなら、9月中に全科目一通り参考書を読破します。

 

10月~12月で、問題集を2回ほど制覇します。

この辺りに全国模試がありますので、まだ勉強途中でたいした成績は収められないかもしれませんが、受験しておきましょう。模試が終わった後は、模試の問題を制覇しておきましょう。

 

翌年1月~3月で問題集を5回以上、完全制覇します。

 

4月~5月で過去問を本番と同じ時間内で一気に解き、時間配分の練習をしていきましょう。

初めは難しいかもしれませんが、繰り返していけば慣れていきます。

5回程度は繰り返せます。

この辺りに直前模試があるので受験しておきましょう。

 

6月から7月でさらにもう一度問題集と過去問と模試をやり直します。

この頃から、塾や通信教育では、直前講習が始まり、テストが多くなるでしょう。

ここで行われるテスト問題も制覇しましょう。

 

8月に入ったら、予想問題と全国模試と過去問をもう1回で、白書も読破してきましょう。

 

1年突破なら、こんな感じのスケジュールがお勧めです。

ちなみに筆者はこれで合格しています。

しかし、筆者の場合は勉強に集中していたので、1日10時間は勉強しており、その勉強時間の確保が合格の鍵だったかもしれません。

しかし、仕事の忙しいサラリーマンは1日3~4時間取れたら良い方です。

それ以上取ると、健康を害してしまう可能性もあります。

ですから、個人的には、法律に慣れていない人の場合は、1年かけて参考書読破と問題集制覇をじっくりやって、2年目で過去問と全国模試と予想問題に取り組むのが時間的にちょうど良いのかもしれません。

1年目は選択問題だけ、2年目は択一も制覇して合格、といった1年コースの繰り返しもお勧めです。

 

過去問は法改正の後のものだけで十分

法改正が行われている場合は、法改正が行われる前の過去問をしても意味がないので、法改正後の過去問に限ることをお勧めします。

過去問の場合は、例えば労働基準法なら、平成25年に大改正が行われています。

そこで、平成24年社労士試験に、既に25年の法改正対応となっていますので、23年以前の労働基準法の過去問は無視しましょう。

過去問を解くときは、本番と同じ時間配分で問題を解いて、長時間の試験本番での集中力や問題を解くスピードに慣れておく必要があります。

合格するには、これが必須です。

過去問も最低でも3~5回以上は繰り返しましょう。

 

全国模試・直前模試をうけること

そして、先にスケジュールの開設時に軽く触れましたが、できるだけ大きな塾等の全国模試を受験して実力を試してみましょう。

自分の実力がどの程度で、合格の可能性を知る上での指針にもなります。

もしも点数が悪くても、気を落とす必要はありません。

自分の苦手なところを知って、その補強するための勉強をして、苦手を潰していけば良いのですから。

 

4、社会保険労務士(社労士)試験に落ちてしまう人の特徴

2~3回で合格するのが一般的です。

5回以上落ちているという人は、勉強の仕方が悪いのだと思った方が良いでしょう。

 

では、社労士試験に落ちてしまう人の特徴を紹介する前に、社労士資格合格者と実務経験者の違いから紹介しましょう。

関係ないと思う人も、大切なことなので、一応読んで下さいね。

 

社労士試験は、8つの科目の法律を深く理解する試験です。

その法律の中には、手続き法もありますが、一切PCを利用しない昭和のPCのない時代のアナログ方式での知識を詰め込む状態と同じなので、法による理屈は理解していても、試験にだけ合格したペーパー社労士は、まだまだ実務では使いものにならないのが実情です。

実際に、資格のない実務経験者の方が手際よくさまざまな実務をこなすことができるでしょう。

社労士資格の受験勉強では、どうしてそういう仕組みになっているのかを理解させる内容とでもいえるかもしれません。

そのため、社労士試験に一発合格する人は、案外社労士の仕事を一切やったことのない人の方が多いのです。

悲しことに、実務経験豊富な人は、諸手続きのやり方や結果については詳しいのですが、その部分は社労士試験には出題されません。

つまり実務に長けた人ほど、社労士試験に出題されない余分な知識が邪魔してしまって、法律の理解が疎かになってしまいがちなのです。

 

社労士試験に落ちてしまう人の特徴とは?

  • 「実務ではこうやるのに」と参考書や塾の講師の先生のあらを探すてしまう人
  • 実務経験に自信がありすぎる人
  • 自分のやり方に固執する人
  • 「こんなの無駄」と決めつける人
  • 素直になれない人
  • 集中力がない人
  • 継続が苦手な人
  • 飽きっぽい人
  • コツコツ積み重ねることが苦手な人

社労士試験の試験範囲には詳しい実務の方法は含まれていない

社労士試験に合格して、社労士資格を得ても「社労士」とは名乗れないのです。

社労士として仕事をして報酬を得るために、社労士会に登録するには、社労士試験合格証書だけでなく、2年以上の実務経験が必要です。

実務経験のない人は、「労働社会保険諸法令関係事務指定講習」を指定の通信教育と実際講習を受けて、厚生労働大臣の「実務経験2年以上の実務経験があるものとみなす」というお墨付きの修了証を得ることで、実務経験2年に替えることもできます。

つまり、詳しい実務経験は、社労士試験には含まれていないのです。

ということは、実務に精通しすぎて、さまざまな社労士関連の雑学があっても、それはあまり社労士試験に活用できない、といっても過言ではないのです。

社労士試験は法律の理解なのです。

実務経験が一切役に立たないとはいいませんが、実務が先ではなく、法律があって、その法律に則って手続き法ができ、その手続き法がシステム化されて、企業等で運用されているのです。

 

実務経験が豊富すぎて社労士試験に不合格が続く蟻地獄とは?

本来実務に精通した人は、法律を知って「そういう理由で、あの手続きが必要なんだ」と理解できるので、知識が深くなるのが理想なのです。

しかし、「でも実務では○○するのに、この解答はおかしいと思うのですがどうしてですか」と質問をしてしまう人が多いのが実情です。

これでは、本末転倒になってしまっているのです。

「実務では○○するのに」と思ってしまったということは、本来のやり方を理解できていないまま、PCシステムに慣れてしまっている証拠です。

だから、最終的に結果としては間違っていませんが、理解の過程が誤っているということになります。

しかし、そこを実務経験のプライドが邪魔して、自分が正しいと思ってしまったまま、「どうして」と質問しても、社労士試験のための塾や通信教育の講師たちは、試験問題には精通していても、実務には精通していないので、回答に困ってしまいます。

また、いくら解説しても、実務経験が豊富な人の実務面からの疑問と、法律の条文からの解説では、実務の穴を埋めることができずに、質問と回答がかみ合わないのです。

 

(2)解決方法

実務経験が豊富なのに何回も不合格になってしまう人は、実務と法律は別物だと思ってください。

「実務では○○するのに」という疑問は捨てましょう。

とにかく、社労士試験は実務の前段階の法律の理解のための試験です。

そのことを自分に言い聞かせましょう。

解答や解説を否定してしまう知識は、取り敢えず、棚上げしておきましょう。

法律が正しく理解できていたら、実務と絶対に結びつくことを信じて下さい。

実務と結びつかないということは、「法律の理解が間違っている」と自分の理解に疑問を持つのです。

実務経験豊富な人は、参考書を何度も読んでいると、参考書の実例さえも、「実務と違う」と思うかもしれません。

参考書の例は、全て手書きの書類です。

そして、紙媒体の書類を何枚も出してきての解説です。

そもそも社労士が制定されたのは、昭和43年のパソコンのない時代なのですから、その法律は、全て紙媒体の手計算、書類づくりも手書きなのです。

その時代背景で、法律の文章が成立しています。

 

一方、現場の実務は全てデータ処理で、パソコンで行われます。

届け出も、電子申請だったりします。

計算はパソコンが自動でやってくれます。

それなのに、計算式を暗記して、手計算をやっていること、小数点処理をどうするなんて、覚える必要ないとか、思ってしまうかもしれません。

そんなことを考えていること自体、既に不合格への蟻地獄に陥っている証拠なのです。

 

PCの事務処理の経験が豊富な人は、法律が実務に則していないと思う点が多々あるかもしれませんが、まずは社労士試験に受かるための勉強をしましょう。

実務の知識を捨てて、手計算・手書き書類作成のやり方を覚える、そんなつもりで勉強をしましょう。

参考書に書いてあることを素直に受け入れるのです。

1回読んで、問題集を始めて、間違ったところを参考書で探して、素直な気持ちで読み直すことを3回くらい繰り返していたら、ある日、光が差したように、あなたのPC手続きの手法の理由が見えてきます。

手書き・手計算のやり方を合理化したものがPCのIT処理なのです。

そうなれば、法律の理解が一気に加速するはずです。

 

まずは素直な気持ちで、参考書を読み、参考書の内容に従い、参考書の内容を繰り返し読破しましょう。

問題集や模試や過去問を繰り返し、本試験の時の時間配分に慣れれば、しっかりと問題が解けるようになります。

「継続は力なり、思い込みは時間の無駄」&「素直な気持ちで参考書を読む」ことを忠実に守りましょう。

その経験が、きっとあなたの知識を深めます。

 

5、社会保険労務士(社労士)試験突破後の未来予想図!!

(1)実務経験がある人が社労士となった場合

また、今後は働き方改革等で、その制度を導入するには、就業規則改定や36協定、さまざまな諸手続が必要となります。

また、労務管理も難しくなってきます。

社労士の業務は、独占業務ですから、政府の働き方改革は、社労士の活躍の場をどんどん増やしてくれているようなものなのです。

そんな時に、実務経験豊富で、しかも社労士資格のある人は、スキルアップのための転職にはもってこいの優遇資格となるでしょう。

 

 (2)実務経験がない社労士の場合

未経験社労士は将来社労士として独立を目指そう

未経験から社労士になりたい人は、サラリーマンとして働く道を捨て、将来社労士として開業を目指すのをお勧めします。

実務経験のない人は、資格だけでは社労士としての活躍の場は、大企業ほど少ないかもしれません。

もはや過去の経歴に全く関係のない社労士資格で、企業への転職は、不可能に近いかもしれません。

できたとしても、社労士法人の人海戦術的なアウトソーシングの手続き人員としてとなります。

その場合は、社労士初心者ですから、あまり高い給料は期待できないでしょう。

社労士知識の無い主婦のパートや派遣が大多数を占めていますので、社労士資格は勿体ないともいえるでしょう。

しかし、社労士の1号業務・2号業務には詳しくなれます。

ただし、人海戦術の手続き業務の専門家の知識だけでは、開業には結びつきませんので、社労士資格の持ち腐れです。

 

社労士の腕を磨くならどうすべきか?

もちろん社労士の独占業務である1・2号業務は、社労士の基本中の基本です。

しかし、これらの業務の報酬単価は、あまり高くないのが実情です。

社労士として開業するなら、もっと報酬単価の高い3号業務ができないと、社労士として安定した経営ができないのです。

ですから、実務経験が全く無い人は、社労士事務所に社労士アシスタントから入って経験を積んで、実務を身につけ、独立に向けてがんばりましょう

 

ただし、3号業務を得意とする社労士事務所への就職をお勧めします。

社労士の個人事業主の中には、社労士の独占業務である1号・2号業務だけで、数をこなして、自分ひとりで何とか経営している人も多いからです。

そのような事務所の場合、あなたが辞めて独立すると人手がなくなるので、独立は難しいでしょうし、手続き業務だけなら、社労士でなくてもできるので、その経験だけでは開業しても、経営の安定なんて見込めないからです。

ですから、将来そこそこ大きな社労士事務所の代表として成功したいなら、人事・労務、補助金申請を得意とする特定社労士が経営する個人事業主の社労士事務所を探しましょう。

初めは給料が安くても、1号・2号業務と、経営についても勉強し、2号業務までが完璧となったら、一人前の社労士として、あなたに3号業務もさせて貰える可能性が高いでしょう。

代表社労士が特定社労士なら、あなたも特定社労士になることを勧めてくれる可能性も高くなります。

 

また、特定社労士になるための勉強を見てくれたり、指導もしてくれます。

そして、あなたも特定社労士となって、代表社労士の役に立てば、いわばパートナー的な存在となれる可能性もあります。

そうすれば、経営の方法も、事務所の代表者社労士を見ていたら黙っていても学ぶことができます。

 

また、社労士会の労働相談や勉強会には、積極的に参加して、人事・労務の知識を身につけ、一人前の社労士になって、独立できるようがんばっていきましょう。

このような郵趣な社労士の元で3年以上みっちりと修業を積んだ特定社労士の場合、将来的には、独立ではなく、大きな社労士法人に即戦力として就職することも可能です。

3号業務が得意な特定社労士は、社労士法人だけで無く、法人経営コンサルタントにも有望なのです。

社労士専門の転職会社もあります。

サラリーマン時代よりもずっと大きな年収の可能性も期待できます。

 

特定社労士について

将来的には、いずれ全社労士に特定社労士が義務化されます。

その時に、慌てて特定社労士になるのではなく、まだ特定社労士の少ないときに「特定社労士」である事は、顧客の信頼を得て、他の社労士との差別化になります。

また、ハラスメント問題に敏感な今な時代、特定社労士であるというだけで、信頼を得られます。

ちなみに特定社労士の独占業務を紹介します。

社会保険労務士制度|社会保険労務士試験オフィシャルサイト」に以下のように明記されています。

  • 都道府県労働局及び都道府県労働委員会における個別労働関係紛争のあっせん手続の代理
  • 都道府県労働局における男女雇用機会均等法、パート労働法及び育児・介護休業法の調停の手続の代理
  • 個別労働関係紛争について厚生労働大臣が指定する団体が行う裁判外紛争解決手続における当事者の代理
    (紛争価額が120万円を超える事件は弁護士との共同受任が必要)

 

裁判外の代理人になりますが、特定社労士は、上記の範囲内で、弁護士のような仕事もできるのです。

 

(3)開業するなら社労士はダブルライセンスがお勧め

社労士として独立開業する場合は、ダブルライセンスがお勧めです。

保険代理店の資格、司法書士、行政書士、税理士なんかがお勧めです。

社労士の顧客の多くは、中小企業なので、ダブルライセンスの社労士の場合は、2つの資格でいっぺんに仕事を獲得できると同時に、顧客にとっては1人2役ですから、信頼されます。

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6、さあ、社会保険労務士(社労士)試験に挑戦しよう!

社労士試験は、合格率は低迷中ですが、決して合格が難解な試験ではないのです。

特定社労士の業務が社労士試験の必須科目になる前に合格して多いたほうが絶対お得です。

特定社労士は、社労士になって取得するのであれば、60時間を超える厳しい研修を修了しなければなりませんが、真面目に勉強していれば、その資格試験の合格率は、50~60%と高い数字を示しています。

 

しかし、それが社労士試験の試験範囲となれば、そうはいきません。

今でも8科目ある試験科目に、憲法や民法も加わり、しかも論述試験が加わります。

だから、社労士を取得するなら今なのです。

 

今は、憲法も民法も試験科目には含まれていません。

科目数は多くても、先に紹介した勉強法で地道に勉強すれば、比較的合格できるのです。

一発合格と焦るよりは、1年目は試験受けて設けなくても良いくらいのつもりで、社労士試験に関係した法律に触れて、関係法令の参考書を何度も読破して、法律の理解を深めましょう。

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7、サマリー

いかがだったでしょうか?

社労士試験は、合格率だけを見ると非常に難解な試験です。

しかし、社労士試験は、コツコツ繰り返す持続・継続力のある、真面目で素直な人が合格しやすい資格です。

実務経験がある人は、初心に返って頭を真っ白にして受験勉強を始めましょう。

実務と法律は別物と割り切ることをお勧めします。

実務経験が無い人は初めから知識がないので、真っ白な状態で疑問に思ったことは全て潰していきましょう。

そうして、真面目に勉強していたら、早くて1年、時間がかかっても3年以内には合格できるでしょう。

法律の条文を読んで眠くなってしまう人以外なら、受験資格を満たす人なら、努力で勝ち取れる資格です。

 

8、まとめ

  • 受験資格を満たしていること
  • 実務経験の有無で、受験の前の心構えが異なる
  • 実務経験の無い人は、見習いから始めて開業へ進む覚悟が必要(経営手腕の無いまま資格取得後事務指定講習だけで独立するのはお勧めではない)
  • 実務経験豊富な人は、スキルアップに確実に繋がり、社労士法人の即戦力として有望
  • 問題集、過去問、模試を最低5回以上、10回を目標に繰り返す
  • 1年突破も半年で法律の理解、3月までに問題集制覇、5月~過去問と直前模試・予想問題の制覇
  • 長時間の試験本番の時間配分に慣れよう

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